goo blog サービス終了のお知らせ 

無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「きまじめ楽隊とぼんやり戦争」 池田暁(いけだあきら)監督 ○ ☆ ビターズ・エンド

2021-05-20 | 2021映画評


「きまじめ楽隊とぼんやり戦争」 池田暁(いけだあきら)監督 ○ ☆ ビターズ・エンド

 不条理な社会の中でまじめに生きる人々の姿をまじめにおかしく描きました。
 戦前の田舎を思わせる架空の町津平では毎日まじめに川の対岸の町と戦争をしています。まじめな町では朝になると楽隊が人々を起こします。兵隊の露木(前原滉)は楽隊が通るとすっくと目覚め第一基地へ向かいます。きまじめな受付で名乗り、9時から5時まで川向うに銃を撃ちます。昼食は息子が兵隊で激戦地にいるちょっと妙な女将さん(片桐はいり)の食堂で食べます。夕食は煮物屋(嶋田久作)で一品だけのおかずを買って一人でまじめに食べます。あるとき川向うから音楽が聞こえるような気がします。そんな折、露木は所属が楽隊に変わります。楽隊員はかなり奇妙ですが露木はまじめにトランペットを練習し、川向うにいるトランペットを吹いている女性を遠見ながら確認するのですが・・・。

 直角に曲がる歩き方、感情のない話し方、奇妙な仕事の人々、何でも忘れてしまう市長さん(石橋蓮司)、泥棒をする(といっても煮物泥棒ですけど)市長の息子(清水尚弥)は奇妙なことに警官になりもうひとりの煮物泥棒三戸(中島広稀)は兵隊になります。三戸はなんと「誰も見たことがない恐ろしい対岸の町」へ泳いで往復し「普通の町だった」と知るのです。しかし、新しい大型兵器が開発され「ぼんやり戦争」がいつのまにか「悲惨な戦争」になっていく・・・。ぼんやりしているとお尻を蹴っ飛ばされますよ、とかなり鋭く警告しています。
 「ドナウ川のさざなみ」タイトルは知りませんがトルコの軍楽隊のあの有名なテーマ曲などが効果的です。
 
 個性的なキャストがきまじめに演技し大変印象的でした。面白い俳優さんがまだまだたくさんいるのですね。今後の活躍が楽しみです。

 タバコは、なし。無煙です。(○)