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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

家族はつらいよ2

2017-06-01 | 2017日本語映画評


「家族はつらいよ2」 山田洋次監督 ☓☓

 山田監督得意の人情コメディです。前作「家族はつらいよ」と家族のメンバーはそのまま変えずに今日的な問題を絡めた作品にしました。
 主人公の平田周造(橋爪功)の愛車には最近傷が増え、家族は「そろそろ運転免許証の返上をさせないと・・・。」とあれこれ説得します。しかし、車がないとどこへも出かけられず「死ね!ということだ。」と周造は反発します。そんな折、居酒屋のかよ(風吹ジュン)を載せてドライブ中工事現場の誘導係をしている高校時代の同級生丸田(小林稔侍)と出会います。再会を喜んで小さな同窓会をし、ベロベロに酔った周造は丸田を自宅に泊めます。そして次の日、免許証問題で家族会議のために集まった平田家のメンバーにそれどころではない大事件が起きてしまうのでした。
 高齢者の交通事故と孤独死、その上家庭介護の現実など他人事とは思えない年代層の観客の共感を得る内容です。相変わらず「おなじみのギャグ」で笑わせてくれるだけでなく、社会問題への憤りなども納得で考えさせられます。
 しかし、小さなことですが、映画ではやってほしくないことも幾つかありました。たとえば「ギンナン」を一度に大量に食べることです。中毒を起こす危険があります。また、丸田が仕事着に消臭スプレーを吹きかける場面がありましたが、消臭・防臭スプレーなどは化学物質を拡散させ健康被害が大きな問題となっています。それについては「香害」(岡田幹事著)で大きく取り上げられています。
 そして最後に毎度のことですが、タバコです。今回は実際に口にしたのは居酒屋で1回でしたが、1941年生まれの橋爪にとっては命がけの一服になるのではないでしょうか。山田監督は「受動喫煙対策」を骨抜きにしようとしている某政党のタバコ族議員と同じですね。他の社会問題では弱い物の立場を考えられるのになぜタバコだけは世界標準を理解できないのか、不思議でなりません。2020年東京は居酒屋も含めて飲食店は全面禁煙でないと世界に笑われます。
 5月30日の東京新聞の泉谷しげるさんのコラムをぜひ読んで勉強していただきたいものです。