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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

リップヴァンウィンクルの花嫁

2016-07-26 | 2016日本語映画評


「リップヴァンウィンクルの花嫁」 岩井俊二監督 ◯ ☆☆

 岩井監督自身が主演の黒木華をイメージして脚本を書いたオリジナルストーリーです。
 派遣で非常勤教師をしていた七海(黒木華)はSNSで知り合った男性と憧れていた結婚までこぎつけます。結婚式の招待客の数合わせのため何でも屋の安室(綾野剛)を頼ります。その後、夫の浮気が疑われ調査を安室に依頼しますが、奇妙な経緯で七海が悪者になってしまい、離婚されてしまいます。路頭に迷った七海は再び安室に頼ります。いくところもない七海に住み込みのメイドの仕事を紹介し、そこで以前安室の紹介のバイトで知り合った真白(Cocco)と再会します。女優の仕事もしている破天荒な真白と七海は仲良くメイドの仕事をするのですが・・・。
 生徒から「声が小さい」とバカにされたり、安室の勢いに流され続けている七海ですが、ラストにはしっかりと自分の意志が育ってゆく「ふわふわと生きていた若い女性がさまざまな困難に振り回されながらも成長していく物語」です。黒木、Cocco、綾野がそれぞれ好演していますが、なんといっても体を張って演技したリリイの怪演がお見事でした。(☆)
 「コミック」原作が多い邦画界ですが、やはり監督が自身で「撮りたい」と考えた脚本は予想できない展開の面白さがあり、これこそ映画でしょう、と映画の面白さを再確認できる作品です。(☆)
 タバコは、なし。無煙です。(◯)無煙映画賞候補です。
 

さざなみ

2016-07-26 | 2016外国語映画評


「さざなみ」 アンドリュー ヘイ監督 英 ☓☓

 結婚45年を迎えた夫婦のもとに届いた一通の手紙が二人の絆にさざなみを起こします。(原題は「45年」)イギリスの自然豊かな田舎を舞台に描きました。
 週末に「結婚45年パーティー」を予定しているケイト(シャーロット ランプリング)とジェフ(トム コートネイ)のもとにスイスからドイツ語の手紙が届きます。「夫の元恋人の遺体が氷河から発見された」という内容でした。以来ジェフは登山中に亡くなった恋人カチャの思い出にとりつかれてしまいます。ケイトも自分と知り合う以前の関係だったと理性では納得できるものの、隠れて昔の写真を取り出したりしているジェフの姿を見ると一体自分の45年は何であったのだろうかと穏やかならぬ気持ちになるのでした。無事45年パーティーは開かれるのでしょうか・・・。
 教師の仕事をしていたケイトですが、パーティーの挨拶は夫のみが「妻への感謝」を述べるというのはなんとなく、イギリスですらまだまだ男中心の社会なのだ、とがっかりでした。
 タバコは、禁煙していたふたりが心の落ち着きをなくすとそれぞれが喫煙してしまうという、その姿もタバコ対策が遅れていると言われている日本と変わりません。特に5年前に心臓のバイパス手術をしているジェフが喫煙するのは当時治療に携わった医療スタッフに対して大変失礼な行為なのではないかと思います。(☓☓)