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セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター

2016-01-23 | 2016外国語映画評


「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」 仏ブラジル伊
   ヴィム サンダース、ジュリアーノ リベイロ サルガド監督  ◯ ☆☆

 「トゥアレグの盲目の女性」の肖像写真に衝撃を受けた映画監督のヴィム サンダースがフォトグラファー「サルガド」の人生を、サルガドの息子ジュリアーノとともにドキュメンタリーにしました。
 自然豊かなブラジルの田舎で生まれたセバスチャンは、エコノミストとして活躍しますが、妻が仕事で使っていたカメラを手にしたことがきっかけで写真に興味を持ちます。その後、アフリカの難民キャンプやブラジルの金鉱労働者など戦争や労働をテーマに撮り続けました。ルワンダ内戦のあまりに悲惨な人々を見て以来セバスチャンの心は折れてしまいます。妻のレリアは、今も地球上に残る未開の場所を撮影することを提案し、壮大なプロジェクト「ジェネシス」が始められました。ブラジルに戻ったセバスチャンは故郷が荒廃していることに心を痛め、妻とともに熱帯雨林再生活動に取り組みます。現在では私有地に植林した200万本の樹木が森になり、そしてその私有地が国立公園となり、その再生方法は各地に広げられています。
 それぞれのテーマごとに撮影された写真は「フォトグラファーの意味は、光で描く人」という言葉通り、光と影で「人々の人生そのもの」を描き出します。サルガドの写真はもちろん素晴らしいのですが、サンダース監督の編集が巧みで人間は愚かなことをたくさんするけれども希望を生み出すこともできるという大変説得力のある作品に仕上げました。(☆☆)原題は「Le sel de la terre」(地球の塩)」なので、邦題の「地球へのラブレター」っていうのはちょっと甘すぎるのではないでしょうか。
 タバコは、古い写真の中に映っていましたが、無煙です。(◯)