
50、「一枚のハガキ」 新藤兼人監督 ×× PPラッキーストライク ☆
戦争末期招集された「おじさん部隊」の100人はくじで各地に割り振られ6人を除いて戦死します。生き残った啓太(豊川悦司)は戦死した森川から託された一枚のはがきを持って森川の妻友子(大竹しのぶ)を訪ねます。戦争中ふたりの夫を亡くし義理の両親も次々と亡くした友子は「なんであんたは生きとるの」と詰め寄ります。99歳の新藤監督の戦争への思いがあふれた作品です。重いテーマですがおせっかいな近所の男(大杉漣)がコミカルで笑いもあります。
タバコは大杉漣が「アメリカのラッキイストライクはうまいなあ」とうまそうに吸います。(×)また、豊川悦司も喫煙します。(×)新藤監督も最後まで(本人は最後の作品と言っています。)タバコの真実に気が付かなかったんですね。残念です。国家が人を殺すのは戦争だけではないことに、知性も教養も経済的にも恵まれている監督がなぜ気が付かないのか私にはそれが不思議でなりません。