
「君の名は。」 新海誠監督 ☓☓
新海監督によるオリジナルアニメ映画。
田舎町に暮らす高校生の三葉(みつは:上白石萌音)と東京の高校生瀧(たき:神木隆之介)は時々心が入れ替わります。夢を見ているような記憶しか残っていません。それぞれの友人やバイト仲間は奇妙に思いながらも大きな問題にはなりませんでした。ある時瀧はバイトの先輩奥寺(長澤まさみ)とデートをしたときにある絵画と出会います。それはある田舎の風景を描いたものでしたが、それがきっかけとなり瀧は飛騨高山を訪れます。
飛騨地方が舞台と思われ、まろやかな方言と、神社の巫女という立場の三葉らが行う「口噛み酒」や美しい組紐のいわれなど、伝統的な文化を織り交ぜ、タイムトラブルの世界とうまくバランスが撮れています。新海監督らしい風景描写の巧みさもお見事です。
タバコは、奥寺が喫煙し、ご丁寧に若い女性をターゲットにしているタバコをきちんと描いています。「(タバコを吸うことを)やめていたんだけどね。」という言い訳までつけて禁煙者を再喫煙に誘導しています。(☓)また、滝らがお世話になる高山ラーメンの店主も喫煙者で軽トラの車内で未成年者を同乗させているにもかかわらずためらいもなく喫煙していました。(☓)高山ラーメンは食べる気がしないですね。
また、直接的な問題ではありませんが、「田舎のカフェ」ドリンクの自販機に「BOSS」のパイプをくわえたおじさんがしっかり描かれていました。
この作品はスタッフにもアジア人の名前も多く国際的にマーケットもひろげることを予測していると思いますが、アジア各地のタバコ規制をきちんと把握していないと「日本の常識」は「アジアの非常識」になりかねません。恥さらしにならないよう気をつけたいものです。