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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

何者

2016-10-20 | 2016日本語映画評


「何者」 三浦大輔監督 ☓☓☓

 「桐島、部活やめるってよ」の原作者、朝井リョウが直木賞を受賞した作品の映画化です。
 就職活動をきっかけに集まった大学生たちが、「内定」という評価を受けるために悪戦苦闘し、時には仲間内でも容赦のない競争が繰り広げられる現実を描きました。
 「先輩」と呼ばれる拓人(佐藤健)は同じ大学の仲間たちと男女6人で就活の対策をあれこれ指南したり、情報を交換したりしています。はじめはうまくいっていた関係も次第にぎこちなくなっていきます。そんな中、「先輩」の内定はなかなか出ず、苦悩していくのでした。
 音楽が印象的ですが、ストーリーとしてはなんとなく先が読めてしまうし、ありふれた話でもあります。「先輩」と呼ばれるわけを知った時にはさすがに今の就活の大変さを感じました。ただ、没個性でマニュアルどおりの面接対応する、そういう就活しか進路はないのかという疑問もあります。就職斡旋業者だけが喜んでいるシステムのように思えます。
 タバコは、主役の佐藤と岡田将生が喫煙、特に岡田はシガレットケースまで使っていました。(☓☓)「喫煙所でのやりとり」が何回かありましたが、20世紀的ですね。原作者が平成生まれとは思えない古臭い演出でした。(☓)


少女

2016-10-15 | 2016日本語映画評


「少女」 三島有紀子監督 ◯

 原作は湊かなえの小説です。三島監督の今までの作品とは全く違う女子高生を主人公に「因果応報」を描いた作品です。
 キリスト系の女子校に通う由紀(本田翼)は授業中ひたすら小説を書いています。幼い頃からの親友の敦子(山本美月)は剣道の練習中にケガをし、足を引きずって歩く後遺症がありました。スポーツ推薦で入学した敦子はクラスメートなどから「死にたい」と思うほどの凄惨ないじめを受けていました。由紀の励ましがあって二人は無事夏休みを迎えます。それぞれが別の場所でボランティア活動をしますが、そこで出会った人たちや転校生などとが不思議な因果応報の当事者たちになるのでした。
 セクハラ、痴漢冤罪、職場のいじめ、認知症、などさまざまな問題が絡まりあい、見事に因果応報で迎えるラストは面白いです。「ごきげんよう」が合言葉のミッションスクールでも中はドロドロしていて現実的でした。制服で行われる伝統のロープの演技は最後まで見たかったです。
 予告編と印象が違うのと、タイトルがシンプルすぎで集客に結びついていないようで惜しいです。女子高校生ものというとコミック原作の似たような作品ばかりで辟易していましたが、サスペンスの要素もあり最後まで飽きさせない作品でした。
 白川和子のさすがの怪演が印象的です。
 タバコは、なし。無煙です。

SCOOP!

2016-10-15 | 2016日本語映画評


「SCOOP!」 PG12 大根仁監督 ☓☓☓☓☓ PP電子タバコ

 福山雅治が中年パパラッチという汚れ役に挑戦するということで話題となった作品です。
 芸能人のスキャンダルを隠し撮りで撮影し、それを週刊誌に売り込んで生活している都城静(福山雅治)は世話になっている編集者から新人の記者野火(二階堂ふみ)とペアを組まされます。はじめは厄介者扱いでしたが、めげずについてくる野火と少しずつ関係ができていきます。一方、週刊誌の部数を上げるためスクープの要求度はどんどん高くなるのでした。そんな折、静に情報を提供するチャラ源(リリー・フランキー)は一線を踏み外してしまうのでした。
 女性の喘ぎ声から始まり、次は福山の喫煙シーンと苦笑してしまう冒頭です。結局、福山はほとんどの場面で喫煙し、汚い煙を吐き、女性が不愉快になる発言を繰り返し、下品で気分の悪い作品でした。女性は侮辱するのに政治家には全く食い下がらず、単なる弱い者いじめでしかありません。下品な下品に徹すればまだ理解できますが、ラストはメロドラマのように甘ったるくし、見る価値も意味もないサイテーの作品です。懸命に汚れ役を「演じている」福山が痛々しい。
 タバコは、先に触れているとおり福山の喫煙とリリー・フランキーなどが喫煙しました。編集者役の吉田羊が電子タバコを吸っていました。「今時喫煙できる編集室なんてないよ。」のセリフあり。電子タバコはいいのかな。タバコの扱いもサイテーの作品です。
 「表現の自由」があるからと言って、差別用語を何の断りもなく平気で使っていいのでしょうか。せめて「演出の都合で使用しましたが、女性を傷つけるためではありません。」などのお詫びくらい表明してほしいものです。「動物」に対してできるのですから人間に対してもしてください。


お父さんと伊藤さん

2016-10-15 | 2016日本語映画評


「お父さんと伊藤さん」 タナダユキ監督 △

 中澤日菜子原作。34歳の彩(上野樹里)と54歳の伊藤さん(リリー・フランキー)の20歳歳の離れたカップルの元へ彩の74歳の父親(藤竜也)が転がり込んできて巻き起こす人間ドラマです。
 コンビニでバイトしていたときに知り合った彩と伊藤さんは小さなアパートでそれなりにつつがなく生活していました。彩は本屋でバイト、伊藤さんは小学校の給食のおじさんをしていました。そんなとき、彩のお父さんが同居していた兄嫁の体調の都合で引っ越してきました。小学校の校長をしていたお父さんと彩は生活の様々な面でぶつかります。第三者でもあり当事者でもある伊藤さんの存在が家族の溝をそれとなく埋めていくのでした。
 顔のアップと食べる場面の多い作品でした。メニューが小洒落ていないところは現実的で良かったのですが、ソースメーカーがスポンサーとは言え、とんかつにソースをかけすぎです。撮影後の体調がちょっと心配です。
 タバコは、伊藤さんが一度換気扇の下で喫煙しました。お父さんに一喝してほしい場面でした。(△)


グッドモーニングショー

2016-10-14 | 2016日本語映画評


「グッドモーニングショー」 君塚良一監督 ◯! ☆☆

 「踊る大捜査線」の脚本で有名な君塚良一の作品です。バラエティー番組の落ち目のキャスターの一日を描きました。
 ワイドショーのキャスター澄田(中井貴一)は出掛けに大学生の息子が「結婚する」といい、局に向かう途中女子アナの圭子(長澤まさみ)から電話で告白され、職場に着くとプロヂューサー石山(時任三郎)から「番組の打ち切り」を告げられ散々な朝を迎えます。そして番組が始まると、立てこもり事件が発生し、場所が近かったこともあり、番組内容は一気に変更し、その上なんと立てこもり犯から交渉相手に澄田が指名されたのです。言葉を武器に銃を持つ犯人と一世一代の舞台が始まるのでした。
 テレビ番組の内幕がよくわかりそれだけでも興味の持てる作品です。その上立てこもり犯(濱田岳)には社会的な問題が織り込まれていて、笑って泣けて社会勉強になる娯楽作品です。
 テレビはくだらない番組が多いと思っていましたが、これを見て番組製作者の思いも伝わってきました。
 長澤まさみはコメディエンヌに路線を変えたのでしょうか。笑わせてくれました。女性ディレクター役の女優が地味な役どころでしたが、セリフは少しでもキビキビした動きが「やり手」の雰囲気を名演していました。事が起きるといつも自分の仕事をしっかりやっている人が結局は「できる」という模範を示す場面もあり、好感が持てました。多くの人が楽しめる作品です。(☆)
 タバコは、なし。ネタバレになりますが、ある火事の原因が「タバコ」ということで、マイナスイメージとなっています。(◯)☆ひとつおまけ。


闇金ウシジマくん Part3

2016-09-27 | 2016日本語映画評


「闇金ウシジマくん Part3」  山口雅俊監督 △

 人気コミック原作の3作目です。
 派遣で食いつないでいる真司(本郷奏多)は「ネットで誰でも稼げる」という無料のセミナーに参加し、「これさえ見れば・・・」という高額のDVDを母親から借金して購入します。塾長の天生(浜野謙太)にDVDの売上を競わされ、同じような立場のライバルに勝つためには高額のDVDが必要となり、とうとう丑嶋(山田孝之)が社長をしているサラ金「カウカウファイナンス」を訪れます。一方、サラリーマンの加茂(藤森慎吾)はキャバクラ嬢に入れあげ、「カウカウファイナンス」の常連客になってしまうのでした。 
 「格差社会の闇」が「弱者が弱者から金を巻き上げる」という悲惨な構図で描かれています。セミナーの塾長がそのまま現実にいる「あの人」を彷彿とさせる熱演でした。ギャラが高そうでもないけれど実力はあるという俳優さんたちがそれぞれの場面で盛り上げていました。ラストの「食うためだ。」というセリフが決まっていました。
 あと一作でファイナルと言うのは潔くもあり、クールな丑嶋ファンとしては個人的にはちょっとさみしいですね。
 タバコは、丑嶋の情報提供者戌亥(綾野剛)が前作での喫煙場面が再現されましたが、今作に限れば、キャバクラで腕に入れ墨がある男が喫煙しただけで、イメージとしてはかなりマイナスイメージとなっているようでした。(△)


真田十勇士

2016-09-27 | 2016日本語映画評


「真田十勇士」 堤幸彦監督 ◯

 堤監督と猿飛佐助役の中村勘九郎が成功させた舞台「真田十勇士」の映画版です。名将真田幸村は実は弱腰の臆病者でしたが、十人の側近が名将に仕立て上げていたという歴史物です。
 関ヶ原から十年、家康は大阪攻めを実行しようとする中、真田幸村(加藤雅也)らは淀君(大竹しのぶ)と豊臣秀頼(永山絢斗)の大阪城を守るため知恵を働かせます。幸村のもとには猿飛佐助を筆頭に霧隠才蔵(松坂桃李)ら十勇士と言われる豪傑者が揃っていました。佐助と才蔵はその出身である忍びの衆からも追われていて、彼らの前には刺客(大島優子)が立ちはだかるのでした。「十勇士」は目的を達成することができるのでしょうか・・・。
 多くのエキストラや軍馬が走り回る合戦シーンなど久しぶりに贅沢な戦国合戦物でした。NHKの「大河ドラマ」との違いは、歴史の自由な解釈とバットマンのようなアクションや「笑い」、「どんでん返し」が織り込まれていることです。特に興味深かったのはエンディングロールで生き延びた十勇士の残党が「天草四郎」にまでたどり着くという紹介でした。ぜひ続編は「天草四郎」で。
 また、「大竹しのぶ」が、67,「後妻業の女」とは違う彼女の本領発揮した演技が良かったです。
 冒頭アニメで始まり、「もしかしてアニメ映画だったの?」と不安になる頃「アニメではありません。」というテロップが入りそのタイミングがお見事でした。でもアニメで紹介する必要があったの?
 タバコは、なし。無煙です。


怒り

2016-09-22 | 2016日本語映画評


「怒り」 PG12 李相日監督  ☓☓☓

 吉田修一原作で「悪人」と同じ李監督です。
 夫婦惨殺事件から1年、「怒」という血文字を残した犯人はまだ逮捕されていません。東京ではゲイの優馬(妻夫木聡)の前に直人(綾野剛)が、千葉の漁港には田代(松山ケンイチ)が槇(渡辺謙)の娘愛子(宮崎あおい)と暮らし始めていました。そして沖縄の孤島には田中(森山未來)が探検にやってきた泉(広瀬すず)と出会っていました。それぞれが「素性が知れない」という事情を抱え「もしかしたら犯人なのではないか」という疑念が浮かぶのでした。
 「虐げられた派遣社員」「施設育ち」「自己破産」などの自分ではどうにもならない社会に対する「怒り」があります。舞台の一つを沖縄にしたことで「沖縄県民の怒り」が大きく取り上げられています。原作を読んでいないので映画だけで判断すると、監督はこの「沖縄の怒り」を世に問うためにこの作品を撮ったのではないかとも思えます。「泉の苦悩」を日本人全員が味わわなければならないのではないでしょうか。名優揃い踏みの中でも、泉を演じた広瀬すずの演技が素晴らしかったです。3ヶ所の独立したドラマを抵抗なく1本にまとめた演出がお見事です。
 タバコは、主役級は喫煙しませんが、妻夫木の仲間が喫煙(☓)。刑事のピエール瀧が喫煙(☓)。このピエール瀧の喫煙シーンは予告編でも度々見せられ筆者は「怒り」ました。(☓)


にがくてあまい

2016-09-22 | 2016日本語映画評


「にがくてあまい」 草野翔吾監督  ☓
  
 少女コミック原作の実写映画です。
 仕事はできるけれど、私生活はガサツでだらしがないマキ(川口春奈)は、ひょんなことからゲイの渚(林遣都)と同居することになります。有機野菜を使って弁当まで用意してくれる渚と暮らすうちに野菜嫌いだったマキは渚が作るものはなんでも食べられるようになります。そんな折、マキの実家から野菜が届きます。そのダンボールをみて渚は大喜びし、家をでてから一度も帰省していないマキを実家に連れて帰るのでした。
 料理が脇役の作品ですが、林遣都がなかなか上手な包丁さばきを見せていました。ゲイの研究や料理などあれこれ鍛えた成果が発揮されていました。マキの母親役の石野真子のホンワカぶりも味わいがありました。渚がこだわっていた兄との関係が不明なままだったのがちょっと気になります。
 タバコは、渚の友人でインド帰りのアラタ(渕上泰史)が喫煙(☓)。換気扇の下で吸っても有害物質を減らす効果はほとんどありません。野菜はオーガニックに拘っているのにタバコの煙にはむとんちゃくなのはわけがわかりません。
 

超高速参勤交代 リターンズ

2016-09-15 | 2016日本語映画評


「超高速参勤交代 リターンズ」 本木克英監督 ◯ ☆

 前作「超高速参勤交代」の続編です。時代劇離れが進む中、世代を超えて楽しめるコメディタッチの新しい時代劇のスタイルです。
 「超高速」で江戸に着き、のんびりと帰路についた湯長谷藩の藩主内藤(佐々木蔵之介)のもとに故郷で一揆が起き、そのうえ城も奪われたという情報が届きます。すべてはあの悪老中(陣内孝則)が仕組んでいたのです。内藤らは「また、はしっど」と走り出します。途中には刺客も現れ、最後には奪われた城を取り戻すために、七人の侍たちが千人相手に切り込むのでしたが・・・。
 痛快時代劇です。コメディでありながらもチャンバラも結構見せてくれます。「七人の侍」は笑えましたが、ニセ一揆で田んぼや畑を踏み荒らされて嘆く百姓の姿は舞台がいわきだけに「放射能で汚染された田畑」を彷彿とさせ泣けました。
 時代劇というと歴史上の偉人伝ばかりですが、時代劇の伝統を維持するためには、この作品のような現代風時代劇も面白いと思います。(☆)難を言えば、女性たちの着物が新品のようにきれいすぎました。着古された味を出して欲しかったです。
 タバコは、なし。無煙です。