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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

ローガン・ラッキー

2017-11-22 | 2017外国語映画評



「ローガン・ラッキー」 スティーブン ソダーバーグ監督 米 ☓☓

 「オーシャンズ11」シリーズで有名な監督が引退発言を覆した新作です。
 ジミー ローガン(チャニング テイタム)は足が不自由なことが理由でいきなりカーレース場の建築現場から解雇され途方に暮れます。楽しみは別れた娘とつかの間過ごす時間です。弟のクライド(アダム ドライバー)はイラク戦で片腕を亡くしバーテンをしています。ジミーは「ローガン家の呪い」を一発大逆転するためにある途方もない大金を盗み出す計画を立てます。そのためには服役中のジョー バング(ダニエル クレイグ)の助けが必要でした。妹のメリーも加わり大計画は実行されるのですが・・・。
 現金強奪事件ではありますがどこかのほほんとしていて、最終的にはみんながハッピーになるという楽しい作品です。
 子どもミスコンに出演したジミーの娘(ファラ マッケンジー)が歌う「カントリーロード」は感動的です。サビの部分しか知らなかった「カントリーロード」の深い意味を初めて知りました。
 この作品は、エンドロールが始まるとさっさと席を立つ人がいますが、「最後まで席を立ってはいけません。」という警告映画です。
 タバコは、作戦上煙が必要な場面があり2回ほど喫煙場面がありました。(☓☓)
 「動物を傷つけていません。」というけれど人間は傷つけてもいいのでしょうか。タバコを使わない作戦にしてほしいものです。
 バーなどではタバコは登場しませんでした。


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ザ・サークル

2017-11-15 | 2017外国語映画評


「ザ・サークル」 ジェームズ コンソルト監督 米 ◯

 SNSの巨大企業を舞台に「世界がつながること」の危うさを描きました。
 「苦情承り」の電話担当をしていたメイ(エマ ワトソン)は友だちのアニー(カレン ギラン)に誘われて「サークル」の新人職員に採用されます。張り切って仕事に励みますが、メイのプライバシーはほとんど会社が把握している上休日にも「自主参加のイベント」が会社主催で行われ欠席すると問題視されるのでした。福利厚生が整っていると思い自主的に休日も会社のイベントに参加します。そこでタイ ラフィート(ジョン ボヤーガ)と出会います。彼は会社の方針に疑問を感じているようでした。しかし、メイはある時会社が設置した監視カメラのお陰で命拾いをしたことがきっかけとなって、カリスマ経営者ベイリー(トム ハンクス)の目に止まり、自身の生活をすべてさらけだす新サービス「シーチェンジ」のモデルケースとなるのでした。
 一瞬で10億人とつながってしまうネットの世界の無責任な暴力性を描いています。監視されることにもっと敏感になることも必要です。
 友人のアニーを演じたカレン ギレンが「壊れていきつつある人格」を微妙な表情や髪の乱れなどで絶妙に表現していました。
 タバコは、なし。無煙です。(◯)


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マスター

2017-11-14 | 2017外国語映画評


「マスター」 チョ ウィソク監督  韓国 ☓葉巻

  韓国犯罪史上最大規模の投資会社のカリスマ的詐欺師の実在の事件を映画化しました。イ ビョンホンが主役の詐欺師に、追い詰める刑事キム ジェミョン役にカン ドンウォンという韓国映画界を代表する二人が演じました。
 金融投資会社の会長を務めるチン ピョンイル(イ ビョンホン)は華々しい演出と巧みな話術で多くの一般市民から不正な方法で多額の資金を集めていました。犯罪捜査官のキムはチンの部下で天才ハッカーのパクに司法取引を持ちかけます。そこから隠しマイクやカメラを使ってチンとキムそしてパクのお互いを出し抜くような情報操作合戦が始まるのでした。
 冒頭の大会場で会員を前にスピーチして洗脳する場面が宗教の教祖のようで客観的には怪しさいっぱいです。ところが会員たちは疑いもせず大金を投資してしまうのです。キムに追い詰められるとチンは警察、司法、検察とそれぞれの人脈を駆使していきます。時にはさらに犯罪行為をしてまですり抜けるのでした。同じようなことはきっとどこの国でもあることなのだろうと思うと、「うまい話には毒がある。」「額に汗して稼ぐ。」などと己を戒めることが大切ですね。 
 カーアクションあり、爆発あり、ドンパチあり、頭脳戦と娯楽性も高い作品です。
 なお、エンドロールの始まりが映画の終わりではありません。場内が明るくなるまで席を立ってはいけませんよ。最後まで落ち着いて鑑賞しましょう。
 タバコは、悪役のイ ビョンホンが葉巻を数回吸いました。☓☓ですが、悪役でマイナスイメージなので(☓)のおまけです。

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アトミック・ブロンド

2017-11-02 | 2017外国語映画評


「アトミック・ブロンド」 R15+ デビッド リンチ監督 米 ☓☓☓☓☓

 「マッドマックス 怒りのデスロード」のシャーリーズ セロンが1989年のベルリンを舞台に大奮闘する女スパイを演じます。
 冷戦が終了しつつあるベルリンで西側に極秘情報を流そうとしていたM16のスパイが殺され、ある重要なリストが盗まれます。そのリストの奪還と二重スパイを始末するためM16のスパイ、ローレン ブロートン(シャーリーズ セロン)が派遣されます。各国のスパイのリストをめぐる争奪戦が始まるのでした。
 肉体がぶつかりあい傷だらけになるアクションながらも不死身のヒロインが見どころです。スパイ映画の定番で裏の裏があるので最後まで真実は明らかになりません。
 シャーリーズ セロンはアクションも凄いのですが現れるたびにおしゃれなファッションを見せてくれます。アクションがリアルなことに比べると、「あの服はどうやって用意したのだろうか?誰が用意したのだろうか?」とちょっと現実的な疑問が湧いてしまいました。
 タバコは、久しぶりの「タバコ宣伝映画」でした。冒頭からタバコのアップとライターの「カシャッ」という音で、ヒロインがほとんど常に喫煙していました。まわりにいるスパイたちもみんな喫煙者でその部分にも非常に疑問を感じました。ニコチン依存症でスパイができるのでしょうか。それが原因で「R15+」になったのでしたら納得できますが・・・。


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ブレードランナー 2049

2017-11-02 | 2017外国語映画評


「ブレードランナー 2049」 PG12 ドゥニ ビルヌーブ監督 米 ☓☓

 1982年に公開されたSFの名作リドリー スコット監督の「ブレードランナー」で描かれた世界の約30年後を描きました。
 レプリカント(人造人間)と人間との闘いから数年後、生き延びている反抗的な旧式のレプリカントを追うブレードランナーK(ライアン ゴズリング)は自分自身の生い立ちの記憶がはっきりしないものの唯一「木彫りの馬をいじめっこのグループから追いかけられてもなんとか隠し通した」という思い出がありました。実はK自身新型のレプリカントなのですが、人間に有用なので警官の一人として仕事をしていたのです。そしてある旧式レプリカントを始末した場所に謎の人骨が隠されていました。その人骨からレプリカントが出産をしたのではないかと期待されました。奴隷のように労働させることができるレプリカントが自ら繁殖してくれれば製造会社は楽に利益が上がるからです。その子どもを探すことがKの仕事になりますが、一方Kは自分自身の身の上について考え始めます。
 いわゆるディストピア(暗黒未来)の作品です。地球は汚染され貧しい人類はスラムのようなところで生活しています。経済的に恵まれた人々はすでに地球外へ逃げ出していたからです。農業は成り立たずプロテインとして昆虫を養殖しているほどでした。しかし、移動手段は発展し空飛ぶ車が一般的になっていました。そして人間と変わらない人造人間が支配しているという未来の世界には多くの示唆に富んでいます。現実的に台風が大型化したりハリケーンやサイクロンで毎年大きな被害が出たりし、その対策に経済的負担が各国に重くのしかかってきています。その上、万が一大国の愚かな指導者が核などを戦争に使ったら・・・。この映画で描かれている世界が現実化しそうです。
 タバコは、あり得ない世界ですが、なぜかレプリカントでさえ喫煙し、灰皿や吸い殻がありました。(☓☓)この作者が描く2049年は人間はまだ愚かなままらしいです。現実の2049年の世界でリバイバル上映された時「タバコなんてもうありません。」という未来になって欲しいものです。

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ありがとう、トニ・エルドマン

2017-10-30 | 2017外国語映画評


「ありがとう、トニ・エルドマン」 PG12 マーレン アーデ監督 独オーストリア ◯ ☆

 おふざけが好きな父親と仕事一筋の娘の心の交流をユーモアたっぷりに、そしてちょっとシリアスに描きました。
 愛犬が死んだヴィンフリート(ペーター シモニスチェク)は娘イネス(サンドラ フラー)が仕事をしているブカレストを訪れます。仕事人間のイネスの生活を体験した父親はとりあえずドイツへ戻りますが、今度は下手な変装をして「トニ・エルドマン」と名乗り再びイネスの周囲に現れるのでした。「人生に大切なものはなにか。」という問を娘に向けイネスは反発をしつつも少しずつ今のままでいいのかと考えはじめ、時には突飛な行動をとったりもするのでした。はたして父娘の関係は改善されるのでしょうか。
 父と娘の関係を縦軸にヨーロッパ社会が抱える格差社会の現実や移民の問題などを織り交ぜ見ごたえのある作品となっています。(☆)
 タバコは、なし。無煙です。クラブやレストラン、パーティーの場面もありましたが、タバコはありませんでした。ただし、隠れて薬物を吸う場面はありました。
 

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バリー・シール アメリカをはめた男

2017-10-27 | 2017外国語映画評


「バリー・シール アメリカをはめた男」 タグ リーマン監督 米 ☓

 民間航空会社のパイロットがCIAにスカウトされ、さまざまな物の運び屋になって荒稼ぎしましたが・・・。実在の人物がモデルです。
 優秀なパイロットのバリー(トム クルーズ)はCIAの運び屋となります。運ぶものは「麻薬」や「武器」といった非合法なものです。しかし、巧みな操縦技術で警戒網をすり抜け、そのうち一人では間に合わなくなりグループでチームを組んで対応します。手数料はバッグいっぱいのドルキャッシュで屋敷中置き場がないくらい札束に囲まれた生活になってしまいます。ところが疫病神のような妻の弟が現れてから少しずつほころびが広がっていくのでした。 
 レーガン大統領の時代、民間人を活用しての武器の密輸出などで南米の各地で「革命もどき」を発生させ、その上麻薬まで取引して稼いでいたアメリカ社会の裏を描きながらもブラックコメディとして娯楽映画にしました。操縦が得意なせいかトム クルーズが妙に生き生きと演じています。彼の代表作になるのではないでしょうか。命を狙われているときには車のエンジンをかけるたびに爆発の巻き添えにならぬよう周囲の人を遠くに行かせていたのがバリーのひととなりを表現するいい場面でした。
 タバコは、疫病神の弟が何回か喫煙していました。(☓)


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猿の惑星 聖戦記 グレート・ウォー

2017-10-25 | 2017外国語映画評


「猿の惑星 聖戦記 グレート・ウォー」 マッド リーブス監督 米 ◯

 シリーズ最新作です。エイプ(猿人)のリーダーであるシーザー(アンディ サーキス)とエイプをケダモノとして扱う愚かな人間との闘いです。
 猿たちが平和に暮らしている森へ軍隊が制圧にやってきます。人間は新種のインフルエンザで多くが亡くなり生き残った人間たちが襲ってきたのでした。指揮を取っている大佐(ウッディ ハレルソン)に妻子を襲われたシーザーは仲間たちを安全な地域へと移動の旅に出し、自分ひとり復讐に向かいます。途中病気で話せなくなった人間の少女ノバ(アミア ミラー)や動物園にいたという「自称バッド エイプ」(スティーブ ザーン)が同行しそれぞれが危機に活躍し、なんとか大佐と出会いますが、シーザーは大佐に捕まってしまうのでした。
 毎回期待を裏切らない面白い作品です。人間の愚かさを見せつけられます。今作でも終盤の大掛かりな爆発を伴う戦闘シーンでは、気候変動の本を読んでいる筆者には「二酸化炭素を出し過ぎなのではないでしょうか。」と危惧したらその次の瞬間自然からの容赦のない成敗がくだされました。知的でエコなエイプたちだけの惑星になる前に、人類がこの惑星に住み続けられるよう何かを始めなければならないものだ。と考えさせられました。(ちなみに今読んでいるのは「資本主義VS気候変動」ナオミ クライン著 です。)
 タバコは、なし。無煙です。
 

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残像

2017-10-19 | 2017外国語映画評


「残像」 アンジェイ ワイダ監督 ポーランド ☓☓

 ソ連の影響を強く受けていた時代のポーランドで、反体制の実在の芸術家の姿を描きました。ワイダ監督の遺作です。
 スターリン主義が体制を占めるポーランドでは「真の芸術」を説く美術大学の前衛画家ストウシェミンスキ(ボグスワフ リンダ)は邪魔な存在でした。芸術を利用しようとする権力側は教授の仕事や美術会員の会員証まで取り上げてしまいます。会員証がないと絵の具すら手にはいらないのでした。その上、食料配給券もなく食べることすら叶わなくなるのでした。権力側は転向を促しますが彼は決して屈しませんでした。しかし、離婚した元妻の死と、最愛の娘までもが権力に利用されていく姿は彼をどん底へと追いやるのでした。
 民主主義の日本ですら、例えば自治体主催の催しに「反原発」「護憲」といった現政権がめざすところと異なる意見の団体を「忖度して」締め出したりしています。社会主義、民主主義を問わず権力の暴走や横暴に屈してはならないということをこの作品は教えてくれます。ストウシェミンスキの姿は決して他人事ではありません。
 タバコは、主役が喫煙者で度々喫煙していました。娘から何度か「吸いすぎよ。」と言われますが、意に介しません。結局結核になり死を迎えます。(☓☓)


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サーミの血

2017-10-18 | 2017外国語映画評


「サーミの血」 アマンダ ケンネル監督 スウェーデン、デンマーク、ノルウェー☓☓☓

 1900年代のスウェーデンで、虐げられながらもひとりの人間として生きようともがいた少数民族サーミの少女を描きました。
 エレ マリャ(レーネ=セシリア スパルロウ)はサーミの集落からスウェーデン人に同化させるための学校に通っています。指導は厳しい上に非人間的な扱いも受けます。それでも成績は優秀で、進学を希望します。しかし、理解ありそうな教師ですら「サーミ人の脳は小さく難しい学問にはついていけない。」と拒否するのでした。
 ある夜、スウェーデン人たちのダンスパーティーに紛れ込み恋に落ちます。恋人を頼って町へ出て進学を試みるのでしたが・・・。
 遊牧を生業にし、自給自足で、テントで暮らすサーミ人の暮らしはアイヌの人々と変わりません。そして辿った歴史的な差別も地域は違うのにほとんど同じです。特に民族差別と女性差別のダブルで辛い思いをさせられる場面には心からの憤りを感じます。私たちもアイヌの人々と真の和解をするために何をしたら良いのか考えさせられました。スウェーデンには先を越されましたが、森を走る爽快なアイヌ人が主役の映画が見たいものです。(「ゴールデンカムイ」のアニメ映画化はできないものか。)
 タバコは、冒頭で年老いたエレ(クリスティーヌ)が喫煙します。何回か喫煙しました。若い頃恋人に出会う場面でもタバコを「吸ってみる?」と言われ口にしています。過去の場面では未成年の若者たちが喫煙していました。(☓☓☓)


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