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JBCF JapanProTour 現:eNShare Racing Teamアテンダントのちゃりんこ日記

魂の福島県営復興公営住宅

2013年07月02日 | Weblog
最近取り組んでいた仕事の成果。原発事故で出遅れた感があるが、やっと福島県営住宅が動き出す。
本県営住宅のコンセプトは、将来的にも良質住宅ストックを確保し、凸型標準躯体モジュールを形成し、其処に1LDK~3LDKまでの可変可能プランを設定すると言うものである。
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=36552
実は、過去10年前に一度採用されていたのだが、その後特に大きな日の目を見ることは無かった。
しかし、この時既に標準設計として詳細なレベルまで多方面から検証を行っていたのである。
標準躯体、可変プラン、土地の形状により凸型モジュールを組み合わせて対応、躯体長寿命、リニューアル可変可、補修性、断熱性、遮音性、コスト、合理性等々。
福島県は近いうちに3,000戸を整備する計画である。
建築は全て一品生産に近く、施工業者もそのまんまの手作り感に近いものがあり、合理化とは程遠いものであった。
また、他県で問題となっている災害公営住宅の地区別毎にプランが幾重にも存在し、標準設計化出来ない問題点を根本から解決するものである。

一般的に、RC構造躯体としては、以下のような特徴がある。
1)壁構造→構造的には壁量で対応。リニューアルしようにも壁の制約・壁量の問題で大胆なリニューアルが出来ない。
2)耐震壁付ラーメン+在来スラブ→一般的に小梁付在来スラブであるが、遮音性確保の為スラブ厚を上げると躯体重量が増える。小梁も邪魔。施工的には小梁付在来スラブは一般的かも知れないが、実際は小梁型枠のやくものが12㎡/日/人しか出来ないし、ワイドスパンになると途端に小梁断面が大きくなる傾向があり、コンクリート量もそれなりに必要になる。
3)耐震壁付ラーメン+無梁版工法→2)を改良する方法。バリアフリー対応可能。スラブ遮音性も上がる。見た目スラブ厚は厚いが配管の小梁貫通が無いので階高を詰める事も可能。将来的なリニューアルも対応できる。思ったほどコストは掛からない。
4)厚肉床壁構造(TWFS工法)→3)の更に発展型。復興としてお金を使うなら、入居する居住者の事を考えて性能の良い合理的で良質な住宅ストックを確保すべきである。

正直言うと、他県の仮設住宅入居者を早く災害公営住宅へ入居させて、将来的なリニューアルも考えず、30年経過で滅却しようなんぞの考えとは対極を行くものだ。
入居者の魂を軽んずることなかれ。

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