わたしは六百山

サイゴンでの365日を書き直す 

二人の未来に 鍵

2005年10月23日 | できごと
こちらk-603. 恋しあう二人に鍵をかける。
これはもう、誰もが知っている現象なのかも知れない。
平塚の湘南平という相模湾を一望できる山の上に、テレビ用(今は使っていない?)の鉄塔が建っている。この鉄塔は誰もが自由に上ることができる。そうなると、ここで事故が起きたら行政は管理責任を問われる。だから、けっして観光客が落ちないように、じょうぶな金網が張りめぐらされている。その金網に、おみくじの願掛けよろしく、ごらんの通りだ。まあ、千や二千じゃない、無数と言いたいくらいの鍵がぶらさがっている。
この鍵、安いもんじゃない。1000円以上もするはずだ。中には見たこともないような1.5cmもの厚さの頑丈な特注品らしきものもある。
鍵には、ふたりの名前が書いてあったりする。
絵馬に書くような→やっくんとずっと一緒にいたいchu!← なんていうのもある。いやそんなのばかりだ。鉄塔の上の段の東側など、外が見えないくらいぶらさがっている。こうなると、真っ昼間なのにあたりは暗くなるし、もうお化け屋敷だ。
ゆっくり鍵を見ていたら、次から次に指をからませたふたりがあがってくる。狭い通路で私がじゃまなはずなのに、けっしてじゃまだとは言わない。動けなくてもいいのだ、ふたりだけの世界がある限り・・・。
かくして、また、一個、じょうぶな鍵が吊される。
えっ? そんなに鍵、かけられたいの? この鍵5、60年は、はずれないよ。
こういう鍵をカッターで切る快感というのも、ある。
でも、これだけ多いとうんざりして、だれもやらないよね。
湘南平の入り口で、商売しませんか、『二人の鍵はずします』って看板で・・・。

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