こちら k-603. 詩集『キリンの洗濯』
ベトナムへ持って行く本を、何にしようかと悩みました。そして、一冊の詩集にしました。
H氏賞受賞詩集で、『キリンの洗濯』、高階 杞一という詩人の詩集です。表題作を写します。
--- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
キリンの洗濯 高階 杞一
二日に一 . . . 本文を読む
こちらk-603. 人間の間引き。
ここまで書いてくると、次はどうしても人間の間引きに移行します。(今回は丁寧体)
茨城県のある博物館で、母親が生んだばかりの我が子を殺している絵を見たことがあります。江戸時代の絵です。手前に灯明、そのむこうに横たえられたあかご、その顔に濡れた布をかぶせる髪を乱した母親、その向こうの衝立に映っているのは母親の影、その影の髪の間から突き出る二本の角(ツノ)。陰惨な絵で . . . 本文を読む
こちらK-603. 一ヶ月ほど前、畑に大根や京菜(水菜)の種をまいた。
野菜を作っていていつも感じる事だが、間引きをするのがつらい。
せっかく出てきた芽をつまみ取ってしまうのは、気が引ける。
しかし、そのままにしておけば、決していい作物はできない。というより、作物にとっても、人の手によって播かれた種は、人の手によって間引かれるのを待っているように思える。
間引きではこんな経験がある。
このあたり . . . 本文を読む
こちらk-603。ベトナム戦争が終結して、ちょうど30年がたつ。
ベトナム戦争は、人が人と戦う生の戦争だった。その戦争の時を生きていながら私は何も考えなかった。30年前私は信州の片隅で、芭蕉の連句がどうのとか、バッハの無伴奏がどうだとか、児童文学の感性を磨こうとか、用の美こそ健康であるとか、そんなことを頭の中の耳の後ろあたりでこねくっていた。今でもそんな事を言っている。
あほだな。
. . . 本文を読む
こちらk-603。 六百山ができた176万年前というと、猿人が地球上に登場した頃になる。
それに比べたらつい3万年前、日本列島はユーラシア大陸につながっていて、今の日本海は、日本湖とでも呼ぼうか、巨大な湖だった。しばらくして(といっても1万年から2万年たってから)、アイヌの人々の祖先や琉球の人々の祖先が日本にやって来たようだ。
そして、縄文時代になる。今から1万年ぐらい前の事だ。
1万年と簡単に書 . . . 本文を読む
こちらK-603。3000mも地面が陥没したら、どうなると思う?
およそ176万年前、一周すると40km以上になるだろうか、地面にすき間ができて、そこから1000℃以上のマグマが吹き出た。そして、あたりに1500mもの高さの噴出物の堆積を積み上げながら、地下が空っぽになったため、東西6km、南北16kmの周囲がどすんと3000mも陥没した。その時の堆積物の名残が槍ヶ岳や穂高だ。このときの火山灰は、 . . . 本文を読む
こちら、K-603。六百山は上高地にある。
六百山は、北アルプス上高地にある標高2449.9m(あと10cmぐらいおまけしてあげてほしい)の山だ。
多くの人は、明神や穂高の雄姿に見とれ、時間つぶしに梓川の右岸に渡った時初めて、「ああ、こんなところにも山があった」と思うが、記憶には留めない。
もちろん、そんなことには頓着無く、六百山はそこにいる。
江戸時代、松本藩がこの山から木を伐りだし、その数が六 . . . 本文を読む