Joe's Labo

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というか避難所。移行か?
なんか使いづらいな・・・

経済系の本の選び方

2010-06-30 18:17:02 | その他
日本経済の真実―ある日、この国は破産します
辛坊 治郎,辛坊 正記
幻冬舎

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もうあちこちで紹介されているので内容については触れないが、良い機会なので経済系の
書籍の選び方について触れておきたい。

ちょっと大きな書店に行くと、経済系の本が山積みになっていると思う。
「世界恐慌~」とか「バブル再来~」とかいうフレーズの本は、たいていいつの時代も
一定の人気がある。
不安を煽って商品を買わせるのも、「不安なんてないですよ安心していいですよ」という
お札を売りつけるのも、根っこは同じ“不安ビジネス”である。
ひどいのになると、数年前まで恐慌本出してたのに、突然「楽観本」に転向する人もいて、
その辺の人間模様はなかなか面白い。

では、本当に読むべき本はどうやって見分ければいいか。

1.出版社名でフィルターをかける。

日経やダイヤ、東洋経済等といった経済系の出版社であれば、自分たちで一定のフィルター
はかけてくれているので、極端な外れというのはあまりない。逆に無名出版社や、大手では
あっても一般書籍しか出さない会社だとこういったフィルターはまったく持っていないので
ファンタジー小説ばりの外れを引いてしまう可能性がある。

2.著者名でフィルターをかける

とはいえ、経済系の版元はだいたい本を売るのが下手なので、著者によってはあえて
一般書籍の出版社から出すという人もいる。
というわけで、著者の肩書を見て、きちんとした人であれば読んでも大丈夫だろう。
とりあえず、聞いたこと無い出版社から出ている聞いたことない著者の本は避けた方が
無難である。

さて、そういう観点からすると本書はどうだろうか?

幻冬舎という版元は1番的には怪しいが、著者の一人はシンクタンクのトップであり、
2番的にはまったく問題無い。
というわけで手に取った本書だが、非常にコンパクトに日本経済の真実を解説した良書だ。
バラマキ等の小手先の政策はツケの先送りでしかなく、潜在的な成長力そのものを高める
構造改革以外に解決法は無いというのが、本書の結論である。
とにかく読みやすいので、万人におススメできる。

辛坊さん曰く、有力政治家の中にも
「日本国債は外国人が買ってないからいくら増えても大丈夫」とか
「政府がいくらでもお札を刷れる」とか
「国民年金の未納はいくら増えても問題ない」
とかいうトンデモ本を読んで信じちゃってる人もいるそうなので、
上記の選び方を参考にして読むべき本をピックアップしていただきたい。


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26 コメント

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参考になりました!! (スキーム)
2010-06-30 18:55:00
「未納が増えると年金が破綻するって誰が言った? 」という本がありましたが、クソ本って事ですね。気をつけよーっと。
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Unknown (epi)
2010-06-30 19:16:53
>バラマキ等の小手先の政策はツケの先送りでしかなく、潜在的な成長力そのものを高める構造改革以外に解決法は無いというのが、本書の結論である。

まごうことなき王道ですね。
ただ、実際にやろうとすると、既得権者その他の反発を受ける。
政治家がどれだけ「上手に、かつ毅然と」実行できるかが問題ですね。

それはそうと、民主党内での消費税の扱いが変わってきましたね。
ま、働いてる人で昼間の街頭演説にいける人はいないから、必然的に年寄りの比率が増える。
年寄りの大多数は低負担高福祉が希望なので、政治家たちもその空気を感じ取ったのかな。
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読んだことはないのですが (ふじながたかみ)
2010-06-30 20:37:30
辛坊治郎さん(正記さんはお兄さんだそうで)は「たかじん委員会」サブMCでおなじみの読売テレビの人ですが、以前から年金に関する本を出していますので、おそらく読み応えがあるのではないかと思います。
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Unknown (nnnhhhkkk)
2010-06-30 23:46:38
その本のアマゾンのカスタマーレビュー見ると吹いてしまいます。
いったい誰の本に洗脳されたんだろう?と、考えてしまいました。
もちろん参議院選挙に出ている人なんでしょうけど。
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Unknown ()
2010-07-01 14:33:18
「未納が増えると年金が破綻するって誰が言った? 」は細野真宏氏の書いた著作・・あれは問題本ではないと思います。

細野氏の本はわかりやすさを追求した本。決して財政赤字が問題ないなどとは書いてません。

年金問題でも不正確なことを発言するマスコミに対し警鐘をならしています。
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Unknown (hikki)
2010-07-01 18:47:18
経済についての本は様々なものがあるので、本当に選ぶのが難しいですね。
先日、城さんの新刊「世代間格差ってなんだ」を読みましたが、現在の日本の状況を解説した、好著だと思いました。
また、本のチラシに7月24日の城さんの講演会の案内があったので、ぜひ参加したいと思います。楽しみにしています。
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Unknown (Unknown)
2010-07-01 21:11:50
岩本沙弓さんの
新 マネー敗戦は良い経済本だと思います。
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Unknown (くそまんま)
2010-07-01 23:28:56
はじめてコメントします。
「痴呆化する保守」は素晴らしいエントリーでした。
しかしながら、このエントリーで「出版社と著者の肩書きで中身を判断しろ」なんて発言してしまうと、あのエントリーの素晴らしさが半減です。
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Unknown ( )
2010-07-02 01:47:49
ほどほどの努力ではほどほどの幸せもつかめない!
ttp://www.youtube.com/user/LDPchannel

今の日本人は努力が足りないんですね、きっと(どこぞの党によると)
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Unknown (JFK)
2010-07-02 12:22:35
ただ、この本の隣りに三橋氏の本が積んであったりするんですが。。。
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