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映画 あわれなるもの③

2024-03-17 12:13:59 | 日記

映画 あわれなるもの③

 この映画の意味を何度も考えているけどなかなか分からない。ただ若い女性に支持されて名作とされているから、なんらかの世の中の変化を象徴していると考えられる。しっかり考える必要がある。社会の大きな変化にはうまいこと乗って行かないと、損しそうな気がする。

 いい悪いは別にして昭和の女性は、働きのいい男を見つけることが人生の勝敗を決めた。良い馬を見つけて乗りこなすことである。可愛く振る舞うのはよい馬を見つけるための作戦である。次に厚生労働省の労働人口増大(によるGDP増大)の陰謀にうまうまと乗せられて男と競ってばりばり仕事をするようになった。これで幸せを感じるヒト半分そうでもない人半分だろう。 しかしここで行き過ぎがおこって、女が男を家畜(この場合は羊)にする勢いになったというのがこの映画の主張するところではないか。男はウマからヒツジに格下げになった。ウマも辛いがヒツジはもっと辛そうである。(この映画には臓器移植をする男がでてくるがこれは神と呼ばれていて、男のうちに入れてはならない。)

 

 真偽は定かでないが、ギリシアの昔多くの都市国家がお互い競合したという。アテネは交易、スパルタは軍事、バッカスは酒と歌によって、アマゾンは女性だけの連帯と狩りや他の部族との闘争によってそれぞれ覇を競ったという。(ここにバッカスの路線が分かりづらいが今のフランスに似た芸術の力をもって戦うの意味と見ることができる。)最後はアテネが制覇するから交易によって栄えるのが一番宜しいという意味の寓話とわたしは思っている。

 ここでこの映画のようになると、われわれは行き過ぎになってアマゾンみたいになりそうな気がする。これではかえって社会全体の力を削ぐことになる。アマゾンは多くのポリスの中で早くにダメになったのではないか。最後まで残ったのはアテネとスパルタと聞いている。

 我が国でも、室町末期までは出雲の阿国の例もあることだし女性も大いに働き活発であったと聞き及ぶ。それを多分江戸幕府の天海和尚だろうが、策を弄して女性が家の中にいるようにしむけてしまった。この呪いを解かねばならないというのは良いことだが、呪いを解き過ぎてちょっとやりすぎというのがわたしの考えである。右に振れた振り子はあまりにも大きく左に振れる。ほどほどにしないと却って社会全体の発展する力を削ぐことにならないか。



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