ABARAGER AKO!の真相は?
電話口での短い会話だったため、少し違っていたようです。その晩にかみさんから詳しく聞いた結果、大使館内で危うくパスポートを盗まれるところだったようです。
娘をダッコしてのパスポートコピー。最近目新しいものには素早く手を出す娘が、コピー機にも手を出すので、てんてこ舞いでコピーをして、窓口へもっていった。原本も見せてと言われた。
そこで初めて、コピー機の上にパスポートを忘れたことに気がつき取りに行った。その間5分ぐらい。コピー機には人が並んでいて次から次へとコピーをしている。急いでコピー機へ戻り、ここパスポートがなかったかと聞いたが、誰もしらないと言う。隣のコピー機にもないと言われた。大使館内に向かって、大声で誰かしらないかと聞いたが誰からも返事はない。そこでかみさんは子供を抱いたまま大声で喋りながら探し始めたそうです。まあフィリピン人ですから結構プラスティックで(冷たく)はないので、いろいろ世話をしてくれる人たちもいて、アテ鞄の中見て、ズボンのポケットは、洋服の何処かに入ってるんじゃないとか言ってくる。大げさに鞄の中身をイサイサ(1つ1つ)取り出して見せて、洋服も脱ぐぐらいの勢いではたいて見せて、後はパンティしかないわよという感じ。コピー機に並んでるときに話をしたフィリピン人には貴方が間違って持っていったんじゃないと、相手はかなりガリット(怒っている)だったので、まともに見せようとしない。そこで、かみさんはフィリピーナは怒らせると頑固になるからマガンダじゃない(良くない)と踏んで奇抜な行動に出た。
一人でコメディーのようにみんなにいろいろ問いかけたり探し回ったりし始めた。恥ずかしいし、ロカロカ(頭がおかしい)に見えるけどもしょうがない。
アノ バ カヨ!(どうしたのよ!)
フィリピーナス タヨ デバ! (私たちフィリピン人でしょ!)
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みんなが口々に言うにはアテ(姉御)、ロスパスポートにしなよ。窓口はもう少し待ってみてと。ロスパスポートにして再発行すると、フィリピン経由のため非常に時間がかかる。帰化の書類は今年中と言われているので、間に合わなくなる。かみさんはなんとしても出てくるまでと、さらにいろいろ大声でしゃべり始めた。
そして、まず入り口に2人のフィリピン人のガードマンがいるので、でる人は一人一人チェックしてと犯人の退路を奪った。
娘は親切なフィリピーナに預けて、泣き叫んでいる。40分大声で話し歩き回り、もうお昼も過ぎてあきらめかけたとき、一人のフィリピーナがかみさんがコピーした方とは別のコピー機でコピーをしようとしたら、パスポートが置かれたままになっているのを見つけた。アテ(姉御)もしかしてこれではと。まさにそうだった。
今まで長蛇の列でコピーしていたコピー機であれだけかみさんが騒いでいるのに誰も気がつかないわけがない。かみさんの行動で外に出ることを封じられた犯人が人影が少なくなったコピー機にしかも反対側の機械にこっそり置いたようだ。
それを見つけたフィリピーナが前の人はコピーしている様子もなく、出っていったと言っていたとのことなので、間違いなさそうだ。
パスポートが見つかったとき、そうこれこれ、私のパスポートよと大使館の真ん中でおどけて見せたそうです。大使館をでるときも、あくまでもコメディーぽく、「ありがとうフィリピンの同胞たち」と大げさに声をかけてでていったようです。
かみさんは普段から映画を相当数見ているので、その中からヒントを得たんでしょうね。ABARANGERではなくて、ACTRSSだったようです。ただのロカロカに見えたのかな?
しかし、日本にあってもフィリピン大使館内はやはり「フィリピン」だということを思い知らされました。