近畿200km-ゴールへ

さてブログの方もゴールを目指しましょう。


通過チェックを出たのは17時半すぎた頃だったでしょうか。
「GPSのバッテリーが切れた。」とヒロさんが言う。
「もうここからやったら何度も通ってるから道解るやん。」
あとから考えたら電池交換して復路雄の山峠のログ取った方が良かったが、
細かいことはおいといて先を急いだ。


残りの距離は20kmほど。雄の山峠の上まで約10km。
あと１５分ほどで日が暮れる。
登り始める頃にはまだ薄明るいかもしれない。
必死で前を急ぐ。
数人の参加者と一緒になる。

ライオンズマンション越えたあたりで、北海道のよしださんと一緒になる。
わーいとうとう一緒になりましたねぇ～！
少しお話ししたけど…
暗くなる雄の山峠が気になって気になって、
愛想が悪くて申し訳ないわぁ…と思いつつ先を急ぐ。


で、かなり暗くなったが、空はまだ薄明るい時間。
例のミラーの写真をゲット。
よし！何も写ってない！
ほっ
前にあんな事書いたので、これでちゃんと落とし前付けた


もう写真ええやん～
恐いしぃ～早よ行こ～

かなりな半べそのワタシも記念写真撮られる。

「そんなところで写真撮ってると何か写りますよ～！」と言って、
あはあは笑いながら他の参加者の皆さんが通過する…


ほんまや～やばい～
ぎゃ～逃げろ～！！
例のトンネルは明かりの全くないしみだらけの口を不気味に広げている。
目をつぶるように覚悟して飛び込む。
記憶よりずっとずっとトンネルは長い。

わ～ぎゃ～こわいよ～
自分の声が響いて怖さ倍増。

自分で書いた雄の山峠トラップに完全に自分で引っかかっとる。

はっ！お地蔵さんや！
おっここにも！
なんぼあるねん！
こわいよ～逃げろ～！！

見えもしないモノから、必死で逃げた。
心臓ばぐばくばぐばく…



が…

本当に恐いのはここからであった。





雄の山峠の復路終盤に一カ所だけ急角度で折れあがる場所がある。
滑り止めの為か、注意を促すためか、その一帯は黄色に塗られている。

初めてここを通ったときには、軽トラが急角度に折れあがった内側に入ってしまい脱輪というよりタイヤをきゅるきゅる空転させて登りきれないでいるのを目撃してしまった。短いけどなかなか無いような激坂、難所と言える。
狭くてヘアピンに折れ上がっているので難しい場所だ。
斜度にしてどれくらいあるんだろうか？最大瞬間斜度は20%前後あるんだろうか。
その前後も結構な斜度がある。


そこに更に難問が追加されている。
外側の路肩工事中のために、元々狭い道なのに更に車線減少して、
その折れ上がるすぐ手前10mか15mに工事用片側通行の為の信号が設置されているのだった。


１８時は過ぎただろう、日も暮れて暗くなってしまったが、
一番交通量が多い時間帯だろうか。
ブルベの参加者が何人かその信号で止まっている。
遠目に２分の待ち時間表示が見える。

ワタシには無理や…。

狭い車道では車が数台信号で並ぶ。
路肩はブルベの参加者が５，６人信号待ちをしている。


車と自転車の渋滞の中で青で坂道発進できる？？

ワタシには無理や…。

この斜度ではビンディングが入るまでにふらつくかもしれない。
狭い車道で車も自転車も渋滞で、ふらつくと車や後続の人と接触するのは目に見えている。
ここで転んだら大きな迷惑を掛けるだろう。
いや迷惑を掛けるだけでは済まないかもしれん。

絶対無理や…


信号のすぐそばで、ヒロさんが並ぶ。
ワタシが信号まで行かず、坂の下で止まってしまったので、
振り向いて心配そうにしている。
車のエンジン音で声は届かない。


次々に後から登ってくる参加者は一人途中で止まってしまったワタシを気にしながらも先に進み信号前に並ぶ。
「どうしたんですか？なんで前に行かないんですか？何かあるんですか？」
今年デビューの参加者らしい。
雄の山峠の復路の怖さを知らないんだ…

「うひひひ、あそこの信号の向こうの斜度はすごいですよ、ここでちゃんとビンディングはめて様子を見ながら登ろっかなぁと思って…足が非力なもんで、頭つかってみました」



３秒２秒１秒　０！
信号が青に変わる。

前の自転車も車もぞろぞろと進み始める。

少し様子を見てから…
ゆっくりビンディングはめて、ギアを慎重に選ぶ。


信号の横を過ぎる。
すぐに黄色に塗られた道にさしかかる。


少し前を走っている人が突然自転車から降りる。
うわ。怖っ！

続いてその後の人も降りる。
うわ。怖っ！

続いてその後の人も降りる。
うわ。怖っ！

なんのこっちゃ。みんなどうしたんや、がんばれ。
ワタシは意地でも降りん。
…っていうかクリートのロード靴であの斜度を自転車押して登れるとは思えない。


車をやり過ごし、歩く人を避け、マージンを充分取って、
思い切って車道のど真ん中を慎重にゆっくりダンシングで進む。
大丈夫行ける！ギアが軽すぎるくらいや！


歩く人が目でワタシを追っている。

よっしゃー！作戦勝ちっ！
心で小さくガッツ石松。


ふぅ…恐かったぁ…
やっぱり見えるか見えないか解らないような人より、現実の方がよっぽど恐い


峠上でウィンドブレーカー着よう。
…とヒロさんと言い合わせていたので、ホッとして峠上へ。

そこから指切りグローブだけには厳しいダウンヒル。
深夜と違って、車が多いので結構明るくて快適。

そして後は信号だ。

おぉ～！！ジャスコが開いてる！
いつもくらいから倉庫かと思ってたら、やっぱりでっかいショッピングセンターやったんか！
寄り道した～い！
が、ゴールが先かぁ。




もう何度かここを通ったが今日もまた見知ぬ風景だ。

ビルの窓には…
が・ん・ば・れ・あ・と・も・う・す・こ・し
一つの窓に一字ずつ張り紙がしてある。

うふふ

翌日ここでマラソンがあるらしい。
その応援なんだろうな。


ステキやわぁ。

がんばれあともうすこし！

これまで一度も聞いたことないと思うほど、新鮮で心地の良く響く言葉。


「がんばれあと400km！」や「がんばれあと1000m登れ」ではない。
折れそうな心をねじ伏せる応援ではないのだ。


イージーでお気楽で脳天気で無計算ばんざいな言葉や。

もうなんの計算をする必要もないゴールは目の前。
あともうすこし。



ゴールがおしくて写真撮ったりぐずぐずしていると、しのさん、クロさんペアもこれまたのんびり追い越していく。

彼らも口から出る言葉は少ないが…
「楽しくってもったいなくってゴールできへん」って顔に書いてある。
なんや変ににやけたええ顔してはるわぁ




ちょうど７時頃ゴール！

ゴール地点も渋滞で、記録は数分遅れたが。

でへへ～っ
今年もなんだか楽しく幕が開きました。


スタッフの皆さんいつも本当にありがとう




ブルベ　BRM214近畿200kmレポート　完！



今日も通勤は清滝峠で　走行距離【35】km