いきなり!? ロードバイク

ママチャリにも乗らなかった40代働く主婦
何故かロードバイクに乗る羽目に…
今日はどちらへ?もちろんおもしろい方!

富士山一周~フィニッシュ~

2008-03-27 22:00:02 | ブルベ
長すぎますね、ごめんね。
200km走って一番文字数多いのはきっとワタシでしょう!
という訳のわからない自慢。


さて、日が暮れてきた。
もう後は下るだけだ。35kmほど。
完走出来れば充分と、時間を全く考えなかったけど…
うまく行けば7時に戻れるんちゃう?
ちょっと欲が出てきた。
ホントは、暗くなってきたのでちょっと焦ってきた。
暗い時間に走った経験があんまりなかったから。
でももう町に出た気がするので、後は簡単でしょ

勢いに乗って下り始める。
下りならワタシの不似合いにでかいアウターをまだ使える。
かなりのスピードで二人下っていく。
ヒロさんはPC1でアイウェアを壊して裸眼だった。
こんなスピードで大丈夫かなぁと心配するが、
すぐに町中で夕方の渋滞に捕まる。
道幅が狭いので、すり抜ける事は出来ない。
あぁ~7時は無理やなぁ…

やっとすすみ始めると、ヤビツ峠のアネキが数人で、狭い歩道でコロッケ食ってる
ぎゃお!コロッケポイントあったのかぁ!
くぅぅぅぅ~知ってたらコロッケ食べたかったぁ~!
い~いにおいしてるぅ
「お先ぃ~っ!」手を振って、めっちゃ残念だけど通過する。
休憩したいが、あと30kmだ何とか頑張ろうと焦る。

渋滞を抜けた頃、とっぷりと日が暮れてしまう。

もううしろになって、見えなくなった富士山の代わりに、
正面の山の向こうに大きなオレンジ色の満月が登る。
うふふふっ、またこれもいい感じだ。
自分で走り始めた頃、いつも月とおしゃべりしながら、よちよち走ってた。
富士山より現実的で親切で気まぐれ。
でも今日は光を差し伸べてくれる。


大きな国道に出る。
暗いが、外灯と通る車のヘッドライトがあるので、何とかここで時間を稼ぎたい。
路肩が少ない車道で、高速道路やん~と思えるほどのスピードで車が走る。

そっかぁ!
おいちゃんさんが反射ベストを貸してくれたのはこのためやったんやなぁ。
やっとその意味がわかった。
さすがにSRの思いやりは深いな。
心細くなった日の暮れに、親切にしみじみと感謝した。
おそ~っ

なので、もう車が怖いなんて言ってられない。
かなりのスピードで車と競争するように下っていく。

と、前を行くヒロさんが何もないところで急に合図して止まった。
GPSが細かい交差点をチェックしないらしいとヒロさんは言った。

つまり…曲がり損なって行きすぎたって事。

どこ?ここ?

たぶん…。

え”~っ! たぶん~っ?


暗い外灯の下、地図を全部引っ張り出して、ここはどこだか考える。
「戻ろうか…」
というが、かなり下ってきたので、アレまた登るのぉ
振り返ると…ぎゃあ!もう登りたくないよ~っ

またしばらく地図を睨む。
「お!解った!」とヒロさんが叫ぶ。
歩道橋を渡って、最後の力を振り絞って激坂を登る
…やっぱり登るんかい

あっさり元の道に戻れた。
よかった~っ
大阪とは違って関東は広いよね。
下っても下っても町中には出ないんですね。

やっと取り戻したルートは…
外灯もない真っ暗な山道?
うそ~っ
こわ~っ

ウチもたいがい田舎だけど、こんなに真っ暗な道は見たこと無い。
まだ7時にもならない時間だろうけど、暗いとはこういうことなんだ。
今まで暗いと言うことを知らなかっただけかも…

ヒロさんのライトは2灯、ワタシは1灯。
ラストは下りの30kmで日が暮れるけど、町中を走れるから大丈夫だろう。
という安易な予測でワタシは1灯なのでした。
ヒロさんは念のため2灯付けてた。

1灯じゃ全く見えない。月明かりも届かない真っ暗闇の下り。
小さな1灯は路面と山肌の闇に吸い込まれる。


ワタシの役に立たない1灯を数メートル先のヒロさんのライトの焦点に合わせる。ヒロさんは3灯分の明るさ。
ワタシに見えるのは前の自転車とおしりだけ。他にはすべて闇の中。
裸眼でコースとGPSを見つめる超慎重派のヒロさんと、
下りを過信した身の軽いワタシだからこんな事やれるんだろうな。
「任せた、命預けるよ。」という大げさでなくホントにそんな感じ。
絶対急に止まらないでよ。
ぴったり後ろに付けて真っ直ぐトレースして走るから。

疲れている上の暗闇。
相当な緊張。
かなりのスピードで呼吸を合わせるように下っていく。
感じるのは、見えない路面のごつごつした感触と、風の音、あとは闇。

いつか誰かがブログで、見えてはいけない女の人が立ってたって書いてたなぁ。
ここだったのかな。ぞっとするよう記憶が頭をよぎって鳥肌が立つ。
きょろきょろしてると危ない、前だけに集中すりゃそんなの見えないんだよ。
集中して。


突然、ガツン。と衝撃。
ぎゃあ!なに!
真っ直ぐトレースしてるつもりだけど、アスファルトの窪みに落ちたみたい…
あははっ。だって見えてないもん
でも大丈夫!バランスをかろうじて保つ。

数キロ相当緊張して下って、やっと暗闇から抜けた。
少し明かりのある町へ出た…ほ~っ
明かりってありがたい
緊張がほぐれた。

あと5kmほどだろうか。



はい、次ひだりぃ…。

 ・ ・ ・ ?

工事中?通行止め!?

うっそ~っ!

キューシート古いの?
コースまちがえたの?

何が違ってたのか今でも解らないけど、GPSが正確に示す道は
黒とオレンジのしましまフェンスと車止め。


また地図を出して調べる。
川向こうに渡る道がなかなか見つからない。
細かい住宅街に道を探す。
「戻って、右行って左行って左行って…解った?」とヒロさん。
「いや、ワタシに道は無理

ヒロさんが呆れたように、一度畳んだ地図をまたバッグから取り出してぶつぶつ暗唱しながら地図を睨む。
「行こう、駅はもう近くのはず。」

真っ暗な農道らしい道へはいってしまう。

「戻って、右行って左行って左行った」
…はずなのに、はい!またまた行き止まり~っ!


…迷路やん。

だんだん悲しくなる。
ヒロさんはこういう時、動物的嗅覚でいつも道を探し当てる。
…と、自分自身に言い聞かせて、無口になって付いていく
がむしゃらに走り回り道を探す。

やっと道を見つける…

ほっとして、どっと疲れた

あと3km。
7時30分も無理になったけど、間違いなく時間内完走出来るな


見慣れたマックスバリューの交差点。
後からどんどん他の参加者がすっごいスピードで抜いていく。

え?最後、ここでゴールスプリント??

いまさらぁ~っあはははっ
もうそんな元気残ってへんで、ゆるく行くで

残り1キロほどで10人ぐらいは抜いていった。



確かな道を…
楽しい一日と美しい富士山が名残惜しくて、名残惜しくて、
この旅を終わらせるのはなんだか、寂しいなぁ…
そんな気持ちで、のろのろとフィニッシュ


「7時35分です!」
ゴールスプリントの人たちと共に言い渡される。

お~終わった~ぁ!


おいちゃんさんが迎えてくれた。
ヤビツ峠のアネキもいた。
スタッフの方々も迎えてくれた。


終わった!
忘れられない、いい一日だった!
書かなかったけど、声をかけて関わって下さった方も何人もいらした。
そんな人もきっと忘れない、楽しさと完走する力をくれた大切な人たちでした。

富士山!神奈川の皆さんホントに楽しい一日をありがとう

ブログで完走と富士山が見えるように祈って下さったみなさん!
ホントにありがとう



翌朝…。
力尽きたようにFELTはパンクしていた。
窪みに落ちたときにリム打ちしたんだろうな。
さらに大阪に戻ると、息子のママチャリもパンクしていた。
どうやらパンク大魔王も一緒に元気に帰宅したようです


富士山一周200kmレポート 完!






今日の自転車通勤の方は、とりあえず峠の1つくらいは超えてみました。
走行距離【35.6】km Avg18.9km/h Max53.7km/h 1時間53分