goo

東日本大震災 その2

 

 

『いてうの実』

「僕なんか落ちる途中で眼がまはらないだろうか」 1つの実が云いました。

「よく目をつぶって行けばいいさ」 も1つが答へました。

「さうだ。忘れてゐた。僕水筒に水をつめて置くんだった」

「僕はね、水筒の外に薄荷水を用意したよ。少しやらうか。

旅へ出てあんまり心持ちの悪い時は一寸飲むといいっておっかさんが云ったぜ」

「なぜおっかさんは僕へは呉れないんだらう」

「だから、僕あげるよ。おっかさんを悪く思っちゃすまないよ」

さうです。この銀杏の木は母さんでした。

今年は千人の黄金色の子供が生まれたのです。

・・・・・

「さよなら、おっかさん」「さよなら、おっかさん」

子供らはみんな一度に雨のやうに枝から飛び下りました。・・・

 

宮沢賢治の

世界観は

動物も植物も

自然も宇宙も

人も

平等一枚の世界

 

梅原猛先生は

宮沢賢治の

この世界感が

たいせつだと

いわれます

 

震災一周年がすぎ

先生は

これから人は

仏教の

「草木国土悉皆成仏」

という考えかた

つまり

人間と

自然を分けないという思想

そして

人間はおごりをすて

欲望を制限する

「小欲知足」

の精神を大切にしなくては

ならないといわれます

 

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )