試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3700形3751[3758F] 3次車 後期仕様 後期リニューアル工事施工車 通電系統整備,台枠直結式スカート化試行

2018-08-24 22:22:22 | 京成線:3700形
段階的。

グリーンマックス製京成3700形3751元中期仕様(3次車:3758F)の改修は2日目に突入した。
初日で完了したと思えた車体改修は富士川車輌工業製[西馬込]ステッカーの交換が残る。
直ぐに取り掛かれる作業ではあったが台枠直結式スカート化試行を優先させる。


京成3700形3751 3次車 元中期仕様(3758F)。

3758後期仕様リニューアル工事施工車(3758F)での第二次台枠直結式スカート化試行は上々の答に至った。
台枠へスペーサーを追設しただけながら第一次試作車の3728,3721中期仕様(1次車:3728F-1)を凌ぐ安定感がある。
ただTNカプラーSPはTOMIX製スカート取付台座が撤去された加工品であった。
スカート付SPフレームTNダミーカプラー装着車には採用可能だが今後に繋がる期待は持てない。
原形のTNカプラーSPでスペーサー追設代をどの程度稼げるかが課題になっている。


入工中の3751。

工程順は導電板及び台車集電板再研磨→台枠直結式スカート化→[西馬込]表示交換とした。
台枠直結式スカートへの変更はTR-180床板を組み上げた状態ではないと行えない。
そのためには通電系統の再整備を先行させる必要があった。
導電板表面と台車集電板は以前の入場時にグリス除去を済ませており時間は要さないと考えた。
手早く進行させ台枠直結式スカート化の第三次試作に取り掛かる。


役目を終えるスカート付TNカプラーSP。

3751はスカート取付方式変更第二次試作車の3791現行仕様(4次車:旧製品)が種車である。
改番後も装着し続けていたスカート付TNカプラーSPを確認すると支持方式はフレーム依存になっていた。
スカート取付脚跡周囲は原形に近い。
TNカプラーSPのTOMIX製スカート取付台座と支障する要因になっており詰めの甘さが見られる。
ここでスカート取付脚周囲の成形に踏み切っていれば納得出来る形態に達していただろう。
しかし支持をTNカプラーSPに頼る方式には変わらず何れ廃止される運命にあったと思う。


整備前のTR-180床板。

台枠への加工は無く更新は無用である。
以前施工した導電板,台車集電板の整備はクリーナーで拭き上げる簡易式だった。
グリス除去には十分だったが全体的に曇りを帯びている。
一部には酸化が生じており研磨にて輝きを取り戻す。
導電板表面の整備で打ち切られた理由は3758と同じく床下機器部品取付用のゴム系接着剤流出であった。
当時は固定式と考えたらしく無理に手を出さなかったらしい。
グリーンマックス製TR-180床板装着車の通電系統整備を重ねた現在では問答無用で剥離している。


グリスと接着剤痕が残る導電板裏面(山側)。

研磨用のラプロスは#4000とした。
導電板裏面にはグリス及びゴム系接着剤の痕が残っている。
山側表面の酸化も黒ずんだ面積が広がりつつあった。
二度目の通電系統整備はラプロス#6000を用いる機会が多い。
しかしラプロス#6000でこれらを一気に除去するには時間が掛かると思われた。
初回清掃が拭き上げに留められており導電板の磨耗に気を払う必要は無くラプロス#4000を使用している。


研磨を終えた通電部品。

台車集電板は断面の清掃まで行き届いていなかった。
導電板や車輪との通電性能維持には集電板断面の状態が鍵を握ると考えている。
前回措置ではグリス除去に主眼が置かれたためか漠然と拭き上げたままにされていた。
細部まで入念な研磨を施し真鍮色に戻した。
まだ前尾灯のちらつきは発生しておらず事前対策と言える。
この後ウエイトを固定した後に台枠と組み合わせた。
ライトスイッチの廃止は3758と同一名目である。


分解されたスカート付TNカプラーSP。

TR-180床板の整備を終え本題の台枠直結式スカート化試行に入る。
初陣を飾ったスカート付TNカプラーSP試作品は各々に分離され長年の務めを終えた。
スカートは取付脚周囲を斜めに整えTNカプラーSPとの競合を防ぐ形状に変更した。
一方TNカプラーSPは現状のまま流用する。
この形態は今後の基本形状と言え台枠直結式スカートの本格採用に向け検討に入った。
再び台枠に取り付けスペーサーの接着代を確認した。
原形のTNカプラーSPはTOMIX製スカート取付台座の張り出しが広く想定以上に余裕が無い。
台枠へマーキングを施しTNカプラーSPを撤去すると接着代に相当する箇所は極限られた面積になると判明している。


極小だったスペーサー接着代。

台枠裏面とTNカプラーSPの空間は0.6mmを切る。
車体裾との段差を埋めるにはt0.6mmのプラ板が有効だが残念ながら挿入できない。
取り敢えず台枠先端の余裕を計りスペーサーの寸法は2.5mm×1.5mmに決定した。
そして取付方向は3758の線路方向から枕木方向へ変更する。
ところが裁断したプラ板をゴム系接着剤で仮固定したところ十分な固着力に達しなかった。
スペーサーが安定しなければ本末転倒である。
そこで流し込み接着剤を追加投入し台枠へ溶着させた。


枕木方向に改めたスペーサー。


スペーサー方向の異なる3758用床板。

溶着によりスペーサーは最低限の強度を得られた。
追設したスペーサーとスカートの固定には引き続きゴム系接着剤を用いる。
嵌合支点を失ったスカートは位置調整が避けられない。
万が一の破損交換も考慮しなければならず流し込み接着剤の使用は見合わせた。
スペーサーにゴム系接着剤を塗布しスカートの仮設置を行い床板を車体に嵌合させる。
この際はライト基板集電脚の位置にも注意を払った。
溶着面積を思うように稼げなかったスペーサーだったが特に偏位や剥離は起きなかった。


旧スカート付TNカプラーSP(元3751用:試作品)。


第三次台枠直結式スカート試行後のスカート。

固着後のスカートは元3751用スカート付TNカプラーSPに類似した形態となった。
しかし支持をTNカプラーSPに頼らなくなったためゴム系接着剤の塊は殆ど伺えない。
スカート取付脚周囲は上手い具合にTNカプラーSPのTOMIX製スカート取付台座を避けてくれた。
入場前に比べスカート取付位置が連結面側に寄り車体との一体感は増している。
基本的な構造は3758に倣っており強度不足も感じられなかった。
台車撤去を要するもののTNカプラーSPの撤去も可能になっている。


スカートを台枠に残したまま取り外せるTNカプラーSP。

TNカプラーSPは導入コストが高く連結機会が無い3400形,3700形Mc2車の運転台側には起用し難かった。
そのため順次SPフレームTNダミーカプラーへの交換を進めてきた。
進捗に反比例しSPフレームが捻出出来なくなり現在は中断へ追い込まれている。
灰色成形密着自動式TNカプラーSPは手持ちの余裕が少ない。
よって運転台付車は転用を考慮する予備品を兼ねていた。
兼用対象外となるスカート付TNカプラーSPの廃止は長年の懸案であった。
台枠直結式スカート化でTNカプラーSPの単独撤去が行えるようになり予備品確保の可能性は広がると思う。


再貼付した富士川車輌工業製[西馬込]ステッカー。

次なる工程はドット欠けを生じさせた[西馬込]表示の交換となった。
富士川車輌工業製フルカラーLED行先表示ステッカーも残数に限りがある。
3700形のプロトタイプ変更は行先表示器部品ごと入れ替え対処する機会が大半を占めていた。
そのため各編成とも行先変更が相次いだ割にステッカーの減りを抑えられている。
上り1号線直通系統の行先表示を解禁したのは比較的後年だった。
まだ未使用の[西馬込]表示が残っており交換に結び付けられている。
同じ失策を繰り返さないよう慎重にステッカー断面を塗り潰した上で再貼付した。


早速活かされた側面窓セルへの加工。

3751の窓セルは3761後期仕様(3次車:3768F-1)からの転用品である。
相互交換する際に運転台側側面窓セル上端を斜めに切り落とし行先変更への備えとした。
行先表示器部品単独撤去可能化はあくまで将来的な対策だったが自らの失策により早くも機能している。
製品仕様の行先表示器部品は側面窓セルに押さえられ天井側から引き抜きし難い。
これまで着脱に成功した事例は殆ど無く本来であればライトユニットの取り外しから着手するはずの工程であった。
補修した[快速特急]種別表示ステッカーも剥離を迫られ再用が厳しくなっていたかもしれない。
追って出場予定の3768F-1は3758Fの窓セルを転用するため既に加工がなされている。
従って突発的な事情が生じても十分対応可能である。


3751 [55K 快速特急 西馬込]:車体改修,窓セル交換,行先表示類変更,第三次台枠直結式スカート化試行。


3758 [55K 快速特急 西馬込]:3758F(第二次台枠直結式スカート化試作車)。


3721 [61K 快速 佐倉]:3728F-1(第一次台枠直結式スカート化試作車)。

3751での重要項目だった第三次車体直結式スカート化試行は一応の成功を収めた。
入場前に偏位していると思われたスカートは経年劣化ではなく構造上の問題だった。
TNカプラーSPのTOMIX製スカート取付台座と干渉しなくなり従前よりも連結面側に位置する。
スカート取付位置試作編成だった名残は姿を消し他編成と見附を揃えられた。
但し正式採用までには至っていない。
台枠の接着代が狭過ぎスペーサーは追設に手間取った。
第四次試作ではプラ板をt0.6mmより薄くし台枠とTNカプラーSPの空間へ差し込める形状を探る。
3768,3761(3768F-1)はTR-180A床板装着車で3758,3751とは基本構造が異なる。
この際はTR-180床板装着車との共通化も図りたい。




3751 点灯試験[55K 快速特急 西馬込]:前照灯(電球色LEDライト基板化,通電系統整備施工)。


3751 点灯試験[55K 快速特急 西馬込]:前照灯(電球色LEDライト基板化,通電系統整備施工)。


3761 点灯比較[A17 特急 成田空港]:3768F-2(電球色LEDライト基板,TR-180A床板装着車)。

9割の改修を済ませ点灯試験を行った。
ライト基板集電脚は上手く導電板に接触してくれた模様である。
座席部品への細工は今後の課題とする。
集電脚の角度を気にせず床板の嵌合が行えれば台枠直結式スカート化も幾分容易になるだろう。
相変わらず電球色LEDライト基板化の効果は大きい。
黄色発光LEDライト基板とは差が有り過ぎ逆に気になる程である。
入手次第となるが何れは在籍する3400形,3700形全編成から黄色発光LEDライト基板を廃止したい。


[3751]:海側。

最終工程は海側車両番号板の再転写となった。
先に山側の修正を済ませたが海側もずれが酷かった。
残るジオマトリックス製[3751]車両番号板インレタは1枚しかない。
ただ仮に失敗しても現状と大して変わらないと思われ剥離に踏み切り[3791]へと戻した。
多少のずれは諦めるしかなくとにかく平行維持だけに力を注ぐ。
この開き直りが作用したのか[3751]インレタは[3791]印刷と大凡同じ位置に転写された。
海側[3757]と山側[3751]は線路方向に偏位させたが最後の最後でようやく狙い通りの結果に至った。




3751後期仕様リニューアル工事施工車(窓セル交換,黒色側面窓枠補修施工)。


3758(3758F:黒色側面窓枠補修施工車)。

3751の補修工程も2日間に渡った。
第三次台枠直結式スカート化試行の作業時間を考えると賢明な選択だったと思う。
全体的に劣化が進んでいた黒色側面窓枠も違和感の無い仕上がりに至った。
特殊な経緯で出場した3758Fは3758,3751が要注意指定車だった。
懸念されたインレタ再現の前面車両番号だったが両車とも然程崩さずに竣工を迎えられている。
しかし今後も要注意指定車である事実に変わりはなく慎重な取扱いを続ける。
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