試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3300形モハ3327[3328F] 新赤電色 (側面窓セル修復,走行部品組込,側面行先表示器基準幕化施工) ※TOMYTEC製

2019-09-23 21:46:35 | 京成線:3300形
大失敗。

TOMYTEC製京成3300形3312F新赤電色千葉線仕様(1次車:3312F-3)の側面窓セル窓サッシ印刷修正規模は比較的小さかった。
窓サッシモールドからはみ出した銀色塗料の除去は爪楊枝で擦る方式としたが如何せん時間が掛かり過ぎた。
尚且つ一部では側面窓に擦過痕を生じさせてしまいこれの補修にも追われる展開になっている。


京成3300形モハ3327 3次車 新赤電色(3328F)。
※TOMYTEC製。

第二次整備に着手するTOMYTEC製京成3300形3328F新赤電色(3,4次車:3328F)は3312F-3よりも窓サッシ印刷水準が低かった。
至る所で窓サッシモールド下部両端のはみ出しを抱えており側面見附が劣るように感じられる。
しかも3312F-3に対し入場車が2両増えるため効率の悪い爪楊枝式印刷剥離はいまいち気乗りしなかった。
在籍中のTOMYTEC製京成形式では3500形3592F現行色晩年仕様(6次車:3592F-2)を皮切りに運行番号表示器印刷消去を行っている。
3500形3556F朱帯色後期仕様(3次車:3556F)での失敗はあったが一応成功例が上回る結果を残していた。
先のモハ3312,モハ3309(3312F-3)でもそれなりに纏められたため薄め液で窓サッシ印刷を剥離する方法が急浮上した。


入工中のモハ3327。

3328Fの第二次整備第一陣に起用したモハ3327は全6両の中でも側面窓セル窓サッシ印刷の状態が悪い車両に属する。
薄め液での消去を試行するには銀色印刷がはみ出した面積の広い個体が相応しく思えた。
仮に薄め液式が当たってくれれば窓サッシ印刷補修へ充てる時間は大幅に短縮されるはずである。
運行番号表示器とは異なる銀色塗料だが十分通用すると考えモハ3327を薄め液式窓サッシ印刷消去試作車に抜擢した。
側面窓セルは3312F-3に続き両端嵌合爪先端湯口跡の整形が甘く除去には撤去を要する。
嵌合精度の個体差は折り込み済であり予めニードルと爪楊枝2本を用意して分解に取り掛かった。


折衷式となった側面窓セル撤去(成田寄)。

3312F-3はモハ3311モハ3310での個体差が大きく各々爪楊枝式,ニードル式にて側面窓セルを取り外した。
モハ3327の側面窓セルは海側,山側とも両車を足して2で割ったような嵌合具合を示していた。
殆ど撓みの無い側面窓セルはモハ3311に近い一方でモハ3310と同じ様な妻面窓セルとの噛み合わせを持つ。
直接偶柱部へニードルを差し込むには若干余裕が無く先に中央側扉吹寄部へ爪楊枝を滑り込ませた。
これにより側面窓セルと妻面窓セルには隙間が生まれニードルを差す猶予が確保される。
妻面窓セルは妻板と共に抑えながら少しずつニードルを進入させ撤去まで辿り着けた。


薄め液の影響で曇りが生じた側面窓。

早速細綿棒へ薄め液を浸し窓サッシモールドからはみ出した銀色塗料に当てる。
ところが先に窓サッシ印刷が剥離してしまい肝心な窓サッシモールド下部は筆で払っても除去できなかった。
筆では圧が不足すると考え細綿棒で直に側面窓を擦る作戦に切り替えた。
これも空振りに終わり最後には先端を鋭角に切り落とした爪楊枝まで持ち出している。
思うような結果が出ず各種試行を続けているうちにセルの変質を招き側面窓は激しい曇りが生じてしまった。
早くも薄め液式印刷消去は無力と判り中止されると共に側面窓の修復が主工程へとすり替わった。


どうにか体裁を整えた側面窓セル。

もう銀色塗料のはみ出しに構っていられる状況ではなくどの様に側面窓を元に戻すかを考えるだけで精一杯となる。
側面窓には途中で持ち出した爪楊枝の痕跡と思われる擦過痕まで走っており完全復旧は放棄せざるを得なくなった。
中段窓サッシモールドと平行に走る擦過痕の隠蔽策は側面窓を薄くするしか手段が思い浮かばずラプロス#6000で擦った。
更にラプロス#8000を当て大凡の平滑化まで持ち込んだが側面窓は曇り硝子同様と化してしまった。
透過率の改善は事務用消しゴムを強めに擦り続けて対処し何とか著しい曇りから脱出させている。
この失敗で消失した中段窓サッシ印刷は全面的に油性メタリックマーカー再現へと変更された。


ヒューズボックス位置調整中に脱落したクーラーキセ。

失策が積み重なり全く手応えを得られないまま側面窓セル窓サッシ印刷の補修は打ち切られる。
諦めて屋根上機器の固定化へ移行したところヒューズボックス位置を整えている最中に今度はクーラーキセが脱落した。
この症状は第一次整備時のモハ3328と同一で屋根板表面が垂直より下へ向くと嵌合を保てなくなる。
元々クーラーキセの溶着固定は第二次整備工程に組み込まれていた。
しかし側面窓セル窓サッシ印刷補修に失敗した直後でもあり落胆は大きかった。
加えて成田寄クーラーキセ裏面の湯口跡整形処理が不十分だったため修正を行った後に溶着している。


台枠から浮き上がる座席部品(上野寄)。

一部車両で見受けられた座席部品の反りはモハ3327が最も激しく現れていた。
座席部品は全体がU字形に湾曲しているが台枠へ嵌め込むと上野寄だけ大きく浮き上がる不可解な現象が発生する。
取り敢えず発生品の転用は最終手段として温存しモハ3327用座席部品を矯正する作戦に打って出た。
袖仕切を目安に山側と海側を見比べると中央側扉以外が撓んでおりこれが反りの原因だと判明した。
先ず海側と山側で段差がある両側側扉付近床面を捻り枕木方向の左右嵩均等化まで進める。
そして座席部品両端裏面から車体中央へ向けてへ字形に圧を与え直線状へと修正した。


完成したモハ3327用床板。

これで台枠と座席部品は無事接するようになったが強引な手法故に床板一体化の強度不足が懸念された。
在籍するTOMYTEC製車両では両端だけを溶着する2点固定式床板一体化を標準仕様にしている。
だが座席部品は反力が働く可能性があり台枠に固定したウエイトの表面にもゴム系接着剤を塗布する3点固定式に変更した。
台枠両端への流し込み接着剤投入はダミーカプラー取付孔に加え座席部品との隙間からも行っている。
床板一体化はやや不安が残ったため固着待ちの間にKS-131非動力台車を金属車輪化した。
しばらく様子見された床板だがしっかりと座席部品が固定されており外観上の問題は伺えない仕上がりに達してくれた。




モハ3327(3328F:側面窓セル修復,走行部品組込,側面行先表示器基準幕化施工)。
※TOMYTEC製。


モハ3311新赤電色(3312F-3)。
TOMYTEC製。

ここまで側面窓セルや床板の対応に追われ側面行先表示器基準幕化がすっかり忘れ去られていた。
当初は幕間を残し[急行]幕,[成田]幕だけの塗り潰しに留めるつもりだった。
しかし窓セル再現の側面行先表示器とは勝手が異なり海側で措置に失敗し幕間を含めた基準幕化へ変更されている。
余計な試行が裏目に出て散々な目に遭いながらもようやくモハ3327(3328F)の竣工へと辿り着いた。
入場前に思い描いていた側面見附向上は未達で終わってしまい余り代わり映えのしない結果に終わっている。
なお無理矢理矯正した座席部品だったが台枠との位置関係は製品仕様を保てた模様で車体不等沈下は発生しなかった。
側面窓の擦過痕は致命傷に繋がりかねず曇り硝子まで達した状況からよく持ち直せたと思える。
半ば原形復旧が主軸になってしまったため3328Fの第二次整備は方針転換を余儀なくされると思う。
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