試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3300形モハ3325[3328F] 新赤電色 (側面窓セル修復,床下機器配置変更,側面行先表示器基準幕化施工) ※TOMYTEC製

2019-09-24 21:40:10 | 京成線:3300形
運転台撤去車。

側面窓への銀色印刷侵出が目立つTOMYTEC製京成3300形3328F新赤電色(3,4次車:3328F)は薄め液式印刷消去試行対象となった。
薄め液式印刷消去試作車となったモハ3327新赤電色(3328F)だが窓サッシ印刷を失っただけで側面窓の印刷消去は達成できなかった。
銀色塗料と薄め液の相性が良くなかった模様で運行番号表示器印刷消去とは全く別の方向へ進んでいる。


京成3300形モハ3325 3次車 新赤電色(3328F)。
※TOMYTEC製。

溶解しない銀色塗料に加え側面窓の変質を呼び込む最近では稀と言える大失敗事例であった。
当然の如く薄め液式印刷消去は中止に追い込まれ曇った側面窓の透過率向上へ重点が置かれる。
その状況から側面窓セル窓サッシ印刷修正も打ち切りとなりモハ3327は今ひとつ冴えない側面見附のまま竣工となった。
3328Fの第二次整備で主軸に据える予定だった側面窓セル窓サッシ印刷修正が宙に浮いてしまったため入場順を変更する。
結果次第でモハ3327との同日竣工も有り得たモハ3350(3328F)は余り状態が芳しくなく先送りとした。
モハ3328,モハ3326,モハ3349(3328F)も工程数が増加するためモハ3327での遅れを取り返せない。


入工中のモハ3325。

その結果消去法で残ったモハ3325(3328F)の先発に決定したが幸い比較的側面窓への銀色印刷侵出部が少ない車両を引き当てられた。
TOMYTEC製京成3300形では3312F新赤電色千葉線仕様(1次車:3312F-3)を含めてもモハ3325が唯一のM2'車である。
運転台を撤去した成田寄偶柱が太い特徴を有するものの基本的な造形はM1車の車体と酷似している。
よって車体関連項目はモハ3311(3312F-3)の工程からヒューズボックス,避雷器固定化を省略するだけで問題ないと思われた。
独自施工箇所となる山側への電動発電機移設もモハ3312,モハ3309(3312F-3)で試行済だったため要領は抑えられている。
ところが然程整備に時間を要さないと考えたモハ3325でも想定外の事態が待ち構えていた。


揃って折損させた側面窓セル。

モハ3325の側面窓セルはモハ3311(3312F-3)と同様の嵌合精度を持ち妻面窓セルとの噛み合わせが固かった。
そのため車体中央側扉吹寄部へ爪楊枝を差し込み側面窓セル全体を撓ませた後に別の爪楊枝にて撤去する方式とした。
ここで見落としてしまったのはモハ3325だけに採用されたM2'車専用の側面窓セルである。
太くなった偶柱により妻面窓セルとの嵌合代を確保するため成田寄側扉吹寄付近の成形が変更されていた。
延長方法は成田寄車端部ユニット窓セルを継ぎ足したような形状とされ凸形状になっていた。
この独自仕様に全く気付かないまま偶柱へ爪楊枝を差し込んでしまい海側用側面窓セルは呆気なく破断している。


ゴム系接着剤に変更した側面窓セル固定方式。

妻面窓セルとの嵌合都合もあり側面窓セル追加成形部に負荷が集中したと思われた。
山側用側面窓セルの撤去は予め上野寄偶柱部から嵌合を解き1箇所へ圧が掛からない方式へ変更される。
しかしこの変更でも追加成形部を折損に至らせモハ3325の第二次整備は波乱の幕開けとなった。
側面窓セル窓サッシ印刷補修は軽微に留まり爪楊枝式で側面窓の塗料はみ出しを除去した。
但しモハ3327の側面見附が思わしくなく剥離の進まない箇所は見切っている。
折損させた側面窓セルは片側支持のため上野寄の支持箇所が存在しない形状へと変わってしまった。
接着固定しか対処方法が無く上野寄側面窓セルは両端側扉吹寄部にゴム系接着剤を塗布した。
成田寄車端部ユニット窓も凸形成形部を接着固定とし妻面窓セルとの2点支持に持ち込んでいる。


底面の修正を施したクーラーキセ。

固定前の脱落が相次いだクーラーキセだったがモハ3325では発症せず一息付けると思われた。
だが上野寄,車体中央に搭載されたクーラーキセは屋根板との隙間が発生していた。
両方とも上野寄から斜めに嵌まり込んでおり湯口跡整形部が原因だと即時判明する。
湯口跡を全て均せれば何の不都合も無い作業であるが生憎クーラーキセは成形色ではない。
不用意に切除するとクーラーキセの塗装を端がしてしまうため少しずつ削るしかなかった。
屋根板との干渉箇所は湯口跡前端に位置しておりクラフトナイフで整形を進める。
この際は屋根上見附が崩れないよう都度現物合わせを行い最低限の調整代に留めた。
整形した2台のクーラーキセは無事違和感を抱かない程度に屋根板と接しそのまま流し込み接着剤で固定した。


分割された床下機器部品。

続いて電動発電機を山側へ移設する床下機器配置変更へ取り掛かる。
更新修繕前に冷房改造が行われたモハ3325は元々成田寄M2車だったためモハ3309(3312F-3)と同一機器配置になる。
都合4点で構成される床下機器部品だが加工を伴わない2点の床下機器部品は先に台枠へ溶着した。
残された床下機器部品は電動発電機とその対を成す床下機器を切断し相互交換に備えた。
単独部品となった電動発電機は原形のまま山側への取り付けが可能である。
ただ台枠の床下機器部品取付口が緩く平行を維持する観点から台座部ごと溶着させた。


狭幅化した嵌合爪。

一方電動発電機の代わりに追設される床下機器は位置都合により無加工で装着出来ない。
加えて元の位置へ復する床下機器部品も嵌合爪が1箇所へ減少し安定性に不安を抱かせる要因となる。
この床下機器部品は塩梅良く中央部に嵌合爪が来てくれるため台枠固定時の目安とした。
流し込み接着剤は床下機器部品台座へ先行投入し固着後に嵌合爪と台枠の溶着を行っている。
電動発電機移設箇所へ挿入する床下機器部品は嵌合爪の狭幅化にて取付猶予を確保した。
原形の嵌合爪は切断した床下機器部品中央から偏位しており左右を等幅に揃える。
台枠床下機器部品取付口の左端が原形での取付を制限する基だが失敗確率を考え無難な床下機器部品への細工とした。


床下機器配置変更を終えたモハ3325用床板(山側)。

唯でさえ台枠との接触面積が少なくなった上にモハ3325では床下機器部品取付口の緩さも追い討ちを掛ける。
床下機器部品取付口は360度の回転を許すほどで平行合わせに手間取った。
位置基準は台枠側面としどうにか取付方向の調整を行い床下機器部品台座もろとも溶着させている。
座席部品の湾曲はモハ3327ほど酷くなく車体中央側扉床面へ圧を与えただけで直線状に戻せた。
台枠からの浮き上がりも発生せず床板一体化は2点固定式で十分だと思われた。
念のため座席部品中央部を抑えながら流し込み接着剤を投入したが特に問題ない仕上がりへと達している。




モハ3325(3328F:側面窓セル修復,走行部品組込,床下機器配置変更,側面行先表示器基準幕化施工)。
※TOMYTEC製。


モハ3309(3312F-3:床下機器配置変更試作車)。
※TOMYTEC製:M2車。

モハ3325でも側面行先表示器基準幕化が失念され竣工直前になって青マッキーで塗り潰しを行った。
どうにか復旧まで漕ぎ着けたが入場直後の側面窓セル折損で大きく動揺した模様である。
まさかM2'車専用の側面窓セルが用いられているとは予想もしていなかった。
事前確認が足りず自爆と言える結果になったが竣工したモハ3325(3328F)は失策を感じさせない側面見附に至ったと思う。
床下機器配置変更もモハ3312,モハ3309(3312F-3)での現物合わせから脱出し仕様標準化に目途が立った。
ただ2両続けて工程変更に迫られる嫌な展開は今後へ向けての不安要素でそろそろ断ち切りたいところである。
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