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樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

森の逆襲 2

2008-06-06 | 森林と樹と人
消費者のニーズだとぉ。

山も守れだとぉ。

手入れができてないだとぉ。

植えすぎた だとぉー

と 山の人は 怒ったりしない。
自分たちも 悪かったと思っているし
そう 思わされているからだ。

でもね もう 山の人を責めるのはやめにして欲しい。

恩恵を受けてきたのは、日本の川下の消費者だ。

これ以上 コストダウンとか 安定供給だとか
努力が足りないとか 言ってはいけない。


後 数年したら 
植えすぎて生態系を壊したとか
そのせいで花粉症になった とか 言っている
悪行にされていた 戦後の大造林が もう少し長い目や
更に悪くなっている地球の環境を思えば
感謝する日もくるのではないかと 思っている。

日本の森林の半分は、個人の山だ。

すでに 山がなくったって生きていける人が大半である。

うちの山がどうなろうと かってでしょと言われればそれまでだ。


上から ものをいう事だけは ほんと やめようね。

どうしても言いたい人は、真っ当に 日本の樹を使って
植林なり 手入れなりできる対価を払ってからに
しましょうね。


と 言っても そんな 具合にいかないのが
今の世の中である。

しかし 山の人にだけ しわを寄せるわけにはいかない。

と いう事で あーしたい こうしたい こうなればなぁと思っていたことが
ここにきて パタパタっと 動き出してきたの。

森林の逆襲 1

2008-06-06 | 森林と樹と人
daizusenseiに コメントを頂いていながら
お返事が できませんでした。

すみません。

私たちは、これから 生物多様性にも配慮しながら
森林と共存していくことを考えなければなりません。

日本人が 森林資源を使わせてもらうつもりがなければ
何もしないで そのままにして 自然に任せればいいですし
災害が起こっても 「まっ しゃーないわな」と
あきらめればすむことではあるのです。

先日、山をほんと一生懸命守って 何か変えなくてはと
プレヤーとして動いている若手の方と話をしました。

皆さん ご覧になりましたか?

アマゾンの部族の人が 飛行機に矢をはなっている写真。

あの矢は、私たちにむかっているなと思いました。

東南アジアの熱帯雨林も含めて 建築業、製紙業は
みな ここの森林を壊してきました。

そして それは 日本の国民のニーズに応え 
しばらく 大きくなるまでは使えない 日本の森林を
守る為でもあったのではないでしょうか。

その上に 今の消費者である国民の豊かさがある。

今は、日本の森林や林業を犠牲にして である。


「ねぇ あの部族みたいに 矢を放ちたいと思ったことない?」
と 聞いてみた。

「たまに いっぺん ばっさり山の樹を全部伐ってしもたろかと思うことがある。そうなってみな みんな わからへんのや


やる気のある人は、めいっぱい矢を引いている。
後は 手を離すか もう少し 持ちこたえてくれるか。

すでに もうええわとあきらめた人は 「放置」している。

桜峠の 白藤

2008-04-21 | 森林と樹と人
これは 4年前の4月22日に撮った写真です。

多賀町梨の木から佐目に向かう 桜峠に
ある 白い藤の花。

今年は、まだ ひと房だけ 少し開花。


はじめて 藤の花の蕾を見ました。


ちょうど 道をワープさせた工事の時に
お地蔵さんがあるので 残ったのですが


ひどく 傷んでいたのを 
びわこ銀行さんの 緑の基金で助けて頂きました。
上の写真は 4年前のです。



樹医さんに お願いして 
折れているのを こうやって 持たせて頂いて
いるのですが、トタンも割れてきています。

藤棚も作ってありますが
4年前と比べると ちっと いや かなり
ボロボロになっています。

桜峠の名に ふさわしいように 平成19年度は
この藤棚の横に 山桜を植林して頂いたようです。



でも ちょっと 土が掘れていたので 
もう一度 ちゃんと 植えてあげないと。

明日 スコップ持って また 寄ろうかしら。



わらび と こごみ の お昼

2008-04-21 | 森林と樹と人
前回のブログで紹介した わらび を
今日のお昼に頂きました。

わらびに灰をかけて、その上から熱いお湯をかけ
あくを抜き お湯が冷めたら きれいに洗って
更に 一晩 水につけておきます。

ニシンと一緒に 炊いています。



前回 かっこぜんまい と 書きましたが
一般的には こごみ の 三種モリ です。

少し甘めのみそ和え と おひたし と から揚げ。

別名というのは おもしろいですね。

ぜんまいの格好をした 別のもの という
意味なんでしょうねぇ。

はつもの わらび

2008-04-20 | 森林と樹と人
最近、お昼に実家に帰ると
毎日 違う 春の山の幸が頂けます。

近所の色々な方から頂くようで
今日は わらび でした。

灰をかけて 熱湯であく抜きをします。

ふきのとう から始まり ウドや
蕗 カッコぜんまい 等々



これは、いたどりのお味噌汁と いたどりのお漬物
蕗の葉の炊いたのものです。

いたどりは、ニシンと煮ると とても おいしい。


あっ そうそう 毎年 4月1日に ピタッと
つばめがわが家にやってくるそうなのですが
今年は 近所にも 来ていないそうです。


何か あったのでしょうか…。

心配です。



トゥルートゥリープロジェクト

2008-04-09 | 森林と樹と人
ぼちっと、新しいプロジェクトのいくつかが
動き出しました。



写真のクリックで 出来立て 未完成のブログに飛びます。

True Tree Project

材木屋にとっては、ただのゴミの樹のけずりかすが

たまに、このブログに登場する matu にとっては
とても魅力的なマテリアルらしく

サクサク 色々なものが彼女の手から
生まれてきます。



きれいでしょ。。。
近江の森で育ったモミとスギです。

酒屋さんのラッピングになりました。

彦根のさざなみ酒店

おっさんの感覚では、理解しがたいのですが
( たまに、私も…)

カワイイが好きな ロハスなんかを
意識している乙女たちには
とても 好感触なの。


さざなみ酒店の男前のオーナーとは、色々なパーティーでお会いしてはいたのですが こんなご縁ができるとは。

ベルギーとかの マニアックなビールもお取扱いです。


鹿の被害と広葉樹

2008-03-01 | 森林と樹と人
鹿が、山里に増えたのは 
針葉樹を植えて おまけに間伐をしていないので 
餌になる下草がないからだと言われたりする。

が 昨日 山のおっちゃんに新しい話を聞いた。

広葉樹が 更新していないからだという。

もちろん 原因はそれだけではないだろうけど

大きくなった木は、鹿さんの身長では
葉っぱまで 届かないからだ。

昔は、炭や薪にするのに30年位で伐って
又 その伐り口から新しい芽が出て…。
という 萌芽更新が行われていた。

すんごく 納得した。
目からウロコが・・・。

植林したての杉やヒノキの若芽を食べちゃうのも
鹿にとって ちょうどいい高さだからなのね。

昨年に 家を建てるのに伐り出した山で
植林を お施主さんと一緒にした時
炭窯跡の横に もう一つ穴があった。

鹿用の 落とし穴の跡 だそうだ。

人間は、落ちても這い上がれるけど
鹿は 脱出できない微妙な深さなのだろう。

昔の人の鹿対策。これも、目からウロコでした。

灯油が高くなったので 安い薪ストーブが
売れているという。

おっちゃんは、これで広葉樹が使われるように
なったら 山が救われる と 
実は 灯油の値段が上がるのを喜んでいるという。

お金儲けじゃなくて 山の為にね。

昔、彦根の荒神山(里山)では ノコギリを持ってもよい日が
決まっていたという。

「持続可能な森林」の為の 取り決めだ。

森林の状態が以前と変化している中で
伐採してもよい量やルールを そろそろ決める時期が
来ているのではと 感じている。

植林した杉やヒノキの対策だけでなく
昔、人が手を入れた( 多賀の場合は ほとんどの山)
自然林・天然林だと思われている場所にも
目を向けなくては…。

近江の森の樹のおしながき

2008-02-22 | 森林と樹と人
以前から 気になっていた道路沿いからみえていた
「樹の博物館」の看板。

名前はちょっと違ったかもしれないけど
すごく そそられたので寄ってみた。

いやー ほんと すごい。

色んな種類の板が置いてある。

ほんとは 材木屋さんなんだけど 珍しい木を
揃えるのがお好きなようで 今まで見た事のない
木の木目をいっぱい見せて頂いた。

もちろん天然乾燥。

山桜は ほんとイイイロをしていた。

イチョウの木が 何かに使えるなんて思ってもいなかったが
用途があるらしい。
ちゃんと 滋賀県のどこの樹かが書いてある。

私は 博士と呼びたい。

イチョウは3億年前からある樹で 二酸化炭素の濃い
時代も生き抜いてきたから これからも大丈夫!
と おっしゃっていた。

もっと もっと近江の森の樹を活かせることは
いっぱいありそうだし 勉強しなくちゃねと
思ったしだいです。

いやー 近くにこんな人とめずらしい材木があって
ほんとに うれしい。

クリスマスツリーではありませんが・・・

2007-12-22 | 森林と樹と人
あー とても久しぶりのブログです。
アドレナリン出まくりの ハードな1週間でした。

この写真は、先日植林した杉の木に赤い木の実で
jimiki の仲間のBANさんのお嬢ちゃんが
飾り付けてくれたものです。
山に子供の笑い声がするというは いいものです。

この山は、以前のブログに書いた ご先祖が植えられて
お父様を含め丁寧に手入れされてこられた
ご自分の家の山の木と 滋賀県の柱100本プレゼントで
建築された お施主さんの山です。

jimoki(ジモキ)というのは、多賀を中心に 地元の木を
循環させたり こっちとこっちで繋がっていなかった
人や物や活動を ちょいと 小さな歯車をかますことで
動いて行くといいなーという感じで ボチボチ活動している
仲間の集まりです。



お施主さんと お父様とjimokiの仲間
私もそのメンバーなのですが、基本的に森林ボランティアと
いう組織ではないのです。

建築やデザインや木に携っていても、山の事や森林の事は
ほとんど知りません。だから、勉強の為や実際の事を知る為に
たまたま、植林を手伝わさせて頂いているという感じです。

私個人としては、「植林」する事が企業の森林貢献として
イメージアップに使われている風潮をあまり良く思って
いません。日本の山は、伐らないと植えられません。
伐った木が製品になり、誰かが使って それに対して
お金を出してくれて それが再び山に還らないと
本当の森林の持続ある循環は出来ないからです。

企業に責任がある訳ではないですが
環境の取組という事で「木材製品」が排除されてきました。
今 日本の森林の為に一番必要なのは「使う」事です。
使いもしないで、植林とは何ごとぞぉーと
チビッと思う訳です。

が 実際に生まれて始めて植林してみて
実に 気持ちよかったです。

みんなが 植林 植林という気持ちがわかりました。
ハハハッ。

植林の間隔は、かなり広めです。
お父様が 近くの山で拾ったどんぐりをご自分で
育てていらっしゃって 混合林にされたいと
お持ちになりました。

すごいですよねぇ。山を伐採する予定もない頃から
育てていらっしゃったのだと思います。


これは、自ら コナラか何かを植えておられるお父上。
元気に育ってくれるといいのですが…。

多くの父と息子がそうであるように、そう簡単に
父親の言うことを聞かないのが常ですが
お父上の流儀の植林の仕方を私たちの横で聞いておられて

たぶん、施主である息子さんは 今まで山に関心は
なかったのではないかと思いますが一生懸命植えておられました。



「 よし ! 世代がつながった ! 」

jimoki の存在する意味が 少し見えてきた一日でした。


でも 反省もあります。それは、又 後日に。

しかし、リアルな山の話や実情はとても勉強になり
書きたい事が山ほどあります。

そうそう、この林道を使って山の木を搬出されたのは
初めてだそうです。息子さんは、この林道で小さい頃
スキーをされていたそうです。確かにおもしろそうなコース。



森林貢献 「CSR」と「三方よし」

2007-12-05 | 森林と樹と人
「 CSR 企業の社会的責任 」

(きぎょうのしゃかいてきせきにん CSR: Corporate Social Responsibility)は、持続可能な社会を目指すためには、行政、民間、非営利団体のみならず、企業も経済だけでなく社会や環境などの要素にも責任を持つべきであるという考えのもとに成立した概念である。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

「 三方よし 」

これは近江商人の商業理念「売り手よし 買い手よし 世間よし」の3つのよし からきています。

私自身は、3年前の環境コミュニケーション大賞の授賞式のあとのシンポジウムで「CSR」といいう言葉を始めて聞きました。これは、欧米から始まった取組ですが、その講演の中で日本にも以前から その考え方があって…という事で「三方よし」という 滋賀県民には 馴染みの言葉が出てきて驚きました。

詳しいことは、リンクで見て下さい。

今は、企業のCSRの活動が 株価や投資にも影響してくるようになっています。

そんな訳で、最近はありがたい事に企業も森林貢献をと活動されることが多くなりました。
しかし、テーマは「森林づくり」や「森を守る」「間伐をする」「植林をする」という感じです。

何が 悪いのだと思われると思いますが、植林するにはその前に伐採をしなければなりません。中には、伐りっぱなしで放置してある所もあるので それをなんとかしようというのはありがたい事ですが、伐採した木や間伐した木はどうなっているのでしょうか。

中には 森林貢献の植林する為に伐採し、大量に木材が出て木材の市場の価格が下がって 本当に救わなければならない林業家の方にしわ寄せが行くという事もあったりするのです。

「売り手よし 買い手よし 世間よし」というのは、その本業において実践される事だと 近江で長く商売をしてきた私たちは思っています。

例えば、木を買う時も その後 手入れが出来ないような価格で買い叩くような買い方はしてはならないという思想がどこかに残っている気がします。

良く言えば 商売上手だと聞いていた私の亡くなった祖父は 父に言わせると「なんだか人をだますような商売だった」らしいです。

しかし この間 大昔に祖父が木を買いに行っていた方とお会いした時に
「そんな ええ値段で買ってくれるのか」と祖父に聞いたら 祖父は
「おー 今は いい値段で売れるしなー」と 言ったそうです。

大企業では、環境やCSRの部門と 材料を調達する部門は違います。
森林貢献して頂いている企業から「木材製品」が消えています。
今 使って頂いている木材も かなりコストダウンを要求されるので
安くて もしや 違法伐採してるかもーという外国の木を使わないと
対応できないのが現実です。

それを 防ぐ つまりは 企業の調達の合法性を証明する為に
FSC認証をとってる森林から…というのが条件になったりしています。

でも日本でそういうものが取れるところは はなからちゃんと森林経営がされていて 資金のある大きな団体です。

日本の森林環境を本当によくしようと思ったら 前日のブログに書いた日本の森林面積の半分以上を占める個人の小さな山持ちの山なのです。

私たちの身近な自然を脅かそうとしていて、なんとかしないといけないのはそういう山なのです。
そして それが出来ないのは 川下の流通価格なのです。

その人達を動かして、世話をしてもらうには 川下で日本の木を使ってもらって 真っ当な価格が山に還るようにしないと持続可能な森林は守れません。

問題は、出口です。
儲けは出なくても 最低限 世話をする資金と時間があれば
本当は、祖先からあずかった山をなんとかしないといけないと
心の中では 思っているのです。
林業だけでは 生きていけないので 働きに出ます。
ある年 何年かに何日かまとまった時間をとらないと山仕事は出来ないのですが 勤めているとなかなか そういう休みはとれません。
休日や有給だけでは ムリです。 

企業の社会的責任の森林貢献を 「使って頂く」事で評価する仕組みを作ることが 行政や山側に必要だと思いますし 企業も環境部門と調達部門が一緒に考えて頂けると とてもありがたいと思います。

そして できれば 兼業林業家である社員には 強制的に山の世話をするような 例えば 産休のようなシステムを作ってもらえるとうれしいなーと思います。
毎年 必要に訳ではありません。

人数的には、そうたいした数になりません。
そんな風な 取組をしている事が CSRとして評価されてもよいのではないかと最近 つくづく思います。

時間がないので 走り書きして読み返えせないので変な文章のまま投稿します。