中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

社員の幸せ、職場の幸せを基準に経営を、社風を変えたいと本気で思っている社長さん・人事担当者の方へのエールをあなたへ!

「さとのば大学」に学ぶ 日本の未来を変えていく新しい学習コミュニティ

2023-12-22 12:28:58 | 地域貢献
2023年11月3日、"日光街道太陽のもとのてらこや"オープニングセミナーで行われた「さとのば大学」発起人・信岡良亮さんによるセミナーに参加しました。

地域を旅する大学・さとのば大学では、地域をめぐり暮らしながら学ぶ「越境学習」として、自分で選んだ地域を1年毎に地域留学する取り組みをされています。


関西出身の信岡さんは、東京でITベンチャーでの経験を経て、会社を軸にするのではなく自分の力で働くことの大切さを学んだそうです。その後2年半ほどWebのディレクターとして働き、大きすぎる経済の成長の先に幸せな未来があるイメージが湧かなくなったことを機に25歳で島根県の海士町に移住。



都会での生活はお金を稼げば生活がまわり、社会と接続しなくて良い。一方で海士町では贈与経済でなければ暮らしが回らなかったといいます。移住して何を行うかと言うと、島のコンテンツを発見する冒険から始まるとのこと。何かが当たり前にある暮らしではなく、ないから探すところから始まるのだそうです。

信岡さんは海士町に移住し、「自治」を身近に感じる機会が増えたといいます。
「等身大の社会課題をまちという単位で改善してくプロセスが楽しい」その言葉が印象的でした。
都心に近いとまちの単位が大きく、「自治」がどこか遠くのことのように感じられますよね。
「未来のコミュニティを一緒に作っているのが楽しい」という信岡さんの言葉にあるように、自分が関わることで未来が変わっていくという期待値が人を動かす原動力になっているように感じました。



地域を越えて交流する「越境学習」により、日常では何も変わらなかった景色に彩りが加わります。
さとのば大学で地域留学をするとまず自分が行った地域で、「あなたは何をしにきたの」という問いから始まります。「私、何者だっけ」と365日問われます。1年その地域に住み、慣れてきた頃にまた新たな地域での留学が始まることで、1年目に考えていた「何がしたい」がより芯のあるものになっていき、意志を持って行動することができるように。

自分にとって慣れ親しんだ環境、コンフォートゾーンを飛び出していくことで良質な問いが生まれます。
会社で働いていると、「〇〇銀行の〇〇」と名乗ることになり、肩書があることで「あなたは誰か」という問いに向き合う必要がなくなります。肩書がある安心感とともに、肩書があることでコンフォートゾーンを知らぬ間に作っているように思います。



さとのば大学では4つの地域を交流することで、4つの地域のアイデンティティをもらえます。
アイデンティティは自分だけに拠るものではなく、お裾分けすることもでき、アイデンティティは地域を旅した関係性の中で育まれていきます。
「イントラパーソナルダイバーシティ」信岡さんから出た、その言葉は、「自分の中の多様な一面を知り、自分自身を膨らませていくこと」。
良いビジネスモデルもいいけれど、学び続ける文化を作ることの大切さについて語っていました。

学びは、成長や変化できる余白のことを指し、学びが楽しいのは自分の未来に希望を持てることを指すそうです。自分のアクションの先に、自分の描いた未来に繋がっていくと思えたら、学びが格段に楽しくなりそうですね。



「誰かが良くしてくれたらいいな」で終わらず、やる人を育てるためにも、全ての資源に誰かが手をかけていく仕組みづくりが大切とのこと。
さとのば大学では、定性的なものを評価していくのは難しいけれど「さとのばWay」があり、それも含めて独自の指標で自己評価して対話しながら成長実感を持たせていくことで、学習コミュニティとして循環するエコシステムが構築されているようでした。



中学生が職場体験に来てくれました!

2023-12-19 22:21:30 | 教育
皆さん、こんにちは!
(有)人事・労務の白川です。

先日、白鷗中学校2年生3名が、弊社の職場体験に来てくれました。
毎年この時期に受け入れをさせて頂いていますが、学生たちの姿から学びを頂くとともに、改めて弊社の働き方や、多様な"つながり"を振り返る機会を頂いています。

今回は、12月始めに弊社のコミュニティカフェ・田心カフェとして出店した「江戸まち食通マーケット」での表現物の作成をゴールとして、実習を行いました。
ただ作成するのではなく、弊社メンバーや地域の方へのインタビュー、フィールドワークを通して、地域に暮らす方々や地域を舞台にハタラク大人たちに触れながら、その集大成として1つカタチにするということで3日間を過ごして頂きました。

初日は田心カフェに出向き、カフェに立つメンバーから出店への想いを聴いた後、実際に販売するみかんやリンゴジュースを試食・試飲。
「生産者と売り手の2つのこだわりが感じられた」という感想もありましたが、表現する上で、まずは自分たちが見て、味わって、体感すること。
その大切さが伝わっていたら嬉しいなと思います。
また、偶然常連のお客さまがいらっしゃり、“なぜカフェに来てくれるのか?”“ご自身にとってのカフェの存在”について、お話頂くことができました。
お客さまの生の声を聴きながら、カフェの存在意義を感じることができ、私たちにとっても有難く嬉しい機会を頂きました。

2日目はカフェの大家さんに、インタビュー。
このまちのことや、ご自身の背景について語って頂き、意外なお話も飛び出しながら、皆刺激を受けたようでした。
その後、フィールドワークと称して、出店会場の上野駅や上野桜木の八百屋「OKATTE」さんに足を運びました。
八百屋の店主さんが熱意溢れる方で、お野菜の魅力や知識、お客さんとのコミュニケーションについて、丁寧にお話頂きました。

そんな2日間を経て、表現物の作成・今回の出店の目玉である、りんごとみかんのポスター作りに取り掛かりました。

作成にあたり、903シティファーム推進協議会大学生メンバーとオンラインでつなぎ、アドバイスをもらいました。
自ら旗を上げてパンを開発、田心カフェの共同オーナーとして共に活動するメンバーです。
歳の近い存在がいきいきとハタラク姿に刺激を受けたのか、その後、皆の心持ちや表情がぐっと変わったように感じました。

完成後、弊社メンバーの前で発表会。
「どうしたらお客さんに伝わるか・わかりやすいか、配置が難しかった」
「色々な話を聴いた中で、取り入れるものと取り入れないものを選択する難しさがあった」
それぞれに大変さを感じながらも、作品を前に、皆堂々と話してくれました。

中学生の皆が作成してくれたポスターは、ブラッシュアップをして、実際の出店で使わせて頂きました!
4日間店頭に掲げられ、彩りを添えてくれました。

体験期間のうちほとんどは、903やカフェにまつわることをやって頂くという、一見コンサル会社や社労士事務所の仕事とはかけ離れているように感じられます。
中学生の皆も、始めはそのような思いを持ったかもしれません。

しかし、私たちの掲げる「未来のはたらくワクワクをコンサルティングする」を実現するためには、はたらく人やその集合体である会社や組織と真摯に向き合っていくこと、様々な働き方を知っていることが大切です。
このように“はたらく”を探求していく中で、私たちの今のあり方や、多様で多層的な実践があるのです。
「信頼関係という言葉が心に残った」
「つながりを大切にしているからこそ~(中略)~信頼関係が生まれ、良い関係を築くことができている」
「思っていた職場体験とは違ったけれど、はたらくことに少し近づけた」
中学生から、そんな言葉を頂きました。
この実習を経て、少しでもこの先の自分のはたらく姿を想像したり、はたらくことの可能性を広げることができていたら良いなと思います。
いつまでもワクワクを忘れずに、はたらくことを楽しむ大人になってくれたらと願います。

「大きくなったらまた遊びにおいで!」そんな想いと共に実習を終えました。




しまうまラジオ(テーマ:自己組織化ダイアログ)を聴いて

2023-10-25 19:47:38 | 組織開発・社風改革
インターンとして人事・労務にお世話になっております、横浜市立大学国際教養学部1年生の森愛里です。10月のしまうまラジオの収録を見学させていただきましたので、私の感じたことや学んだことをお伝えできればと思います。



自分自身がまだ学生であるということもあり、「はたらく」ということをあまり身近に感じられない部分がありました。けれど、田原さんとの対談で話題に上がっていた組織づくりについての話はとても興味深く、私の日常生活(学校や部活などのコミュニティ)にも深いかかわりがあることだと感じました。



生命体として組織を捉えるなどといった話も印象的でした。組織について考える時、どうしてもそこに所属する一人ひとりにしか意識がいかずに組織全体を多面的な視野で見ることは難しかったり、逆に全体として大雑把に見すぎてそこに所属する一人ひとりの思いや行動を見られなくなったりしてしまいがちです。でも、一人ひとりが違和感を覚えたときにためらわずに声をかけることができ、組織全体としても生き生きと活力があるということはとても大切だと感じました。



ラジオ内でも話があったように、より生き生きとした組織を作り上げていくために様々なフィールドを持つこともとても大切です。私の実体験でも、それを改めて実感する出来事がありました。中学生のとき、私は学校が終わると毎日のように部活動に参加していました。部活がとても好きでしたし、その生活に不満を持ったことはありませんでした。でもある時担任の先生に生徒会役員になるように勧められました。
理由を聞くと「あなたは複数のコミュニティに所属しているほうが力を出せる」と言われました。当時はその意味が良く分からず、けれど先生に言われた通り生徒会に入りました。それから生徒会室と部室を行き来する生活が始まったのですが、それから先生の言っていたことの意味が分かりはじめてきました。まず、部活だけをやっていた時よりも何倍も楽しくてやりがいがありました。そして、二つのフィールドに所属しているからこその利点もありました。

具体的には、私が部活で得た力を生徒会活動で活かすことができた、という点です。私は放送部に所属しており、アナウンスや原稿を読むことが得意だったので、生徒会活動の一環で参加した地域の運動会や学校行事などで司会を任される機会を何度かいただきました。

そこで人に必要とされたり、褒められたりすることが私の学校生活の大きな意義になりました。反対に、生徒会活動を一緒にやっていなかったらあまり話さなかったであろう部活の友人と仲良くなれたり、以前よりも積極的に自分意見を言えるようになったりと、部活動の中でも様々な進歩がありました。田原さんとの対談を聴いて、この「複数のフィールドを持つ」ということが社会人になってからでも大切になってくるのだと実感できましたし、その後の田心カフェコーナーの中の、埼玉県行田市にある北埼菌茸センターさんへの取材のお話も、一見全く違う話に思えても実は共通してくるものだと感じました。



ただ椎茸を作るだけではなく、その奥には人と人とのつながりがあって、少しでも消費者に良いものを届けたいと尽力する作り手側とそれを実際に食べる消費者とのつながりを目の当たりにして感銘を受けました。この作り手と消費者は椎茸を通して繋がった、普段はあまり関わりのない人たちでしょうし、お互いの職場・家族・友人など、椎茸のほかにもさまざまなフィールドを持っているでしょう。そのような様々な背景をもつ人たちが一緒にはたらいたり、関わったりすることがとても素敵だなと感じました。


この度、有限会社 人事・労務から新刊「コミュニティ経営のすすめ」が発刊されました!

2023-10-10 16:57:15 | 組織開発・社風改革
この度、有限会社 人事・労務から新刊「コミュニティ経営のすすめ」が発刊されました!
今回のテーマは「コミュニティ経営」です。


本当に一人一人の個性が活かされる場って、どうやって生まれてくるのか?

社労士を20年以上続けてきて、「管理統制」「ルール」などではなく、信頼とお互いのリスペクトでつながっているコミュニティの中で、そのような場がうまれてくるのではと思っています。

理屈だけでなく、ではどのような取り組みがコミュニティ的組織につながっていくのかも、最近の事例をおりまぜながら、できるだけ盛り込みました。

実は、今回の書籍、9割がた完成というところから、1年半ほどかかってしまいました。



コロナという特殊事情がはいり、働き方が激変する中で、見えてきたものも多く、「もう少しこういったこともないように盛り込みたい」とやっているうちに、1年半すぎてしまいました。

ただ、それなりに手触り感のある内容になったのではと思っています。そんなこともあり、久しぶりにかなり思い入れのある本です。

ぜひ手に取ってもらいたいです。以下よりお申込みいただけば、オリジナルしおりを一緒にプレゼントしています!










労働新聞に『健康経営で人間性尊重「理念」表明して施策を示す』を掲載させていただきました。

2023-09-26 11:59:13 | 組織開発・社風改革
労働新聞社さんの社労士プラザに『健康経営で人間性尊重「理念」表明して施策を示す』というテーマで矢萩が文章を掲載させていただきました。
健康経営は、ややもすると会社の持続可能経営の側面の施策に偏ってしまい社員にとってのワクワク感が乏しく時機に形骸化してしまうという相談をしばしばうけます。
健康経営は、心身の健康のみならず、会社と社員の日常をつなぐ大切な試みとして社員一人ひとりの人生、生活を豊かにしていく持続的な幸福感の視点を取り入れて包括的に語られていく位置づけでとらえていく必要があると提案させていただきました。
広くは国がうちだす新しい資本主義の流れからくる人的資本経営の方針の一つでもあります。
健康経営は、人件費というコストや使えば消費していく資源とみていく旧い人材に対する観方から、創造性や企業の持続的な成長を担う源泉、人財という資本として観ていく人的資本の流れの中でますます大切になっていきます。
そして更には一步時空を広げ、社員を、職場で働く仲間という合理的に結ばれた関係だけでなく、因果を超え共に縁あって人生を豊かにする仲間という視点へと、健康経営を通して高めあっていく流れが生まれたら幸いです。