森友疑惑問題に端を発してにわかに教育勅語が語られている。
難しい言い回しであるから学者あるいは作家などが現代風に「翻訳」している。
出だしの部分、「朕惟フニ・・・」から始まる。
「朕」を「わたしが」とか「私が」などと言っているがそれは間違いだ。
「朕」とは天子、中国の皇帝を意味することば。つまり日本でいう天皇の自称であり、
それは国民を下に見た言い方。国民は臣民であるという発想。
もっと平たく言うと臣民は自分の家来である。
もっと厳格に言えば「朕」のために命を投げ出すことをいとわない民草である。
最後の段に出てくる言葉。
「 一旦緩㥯アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ・・・」
これは、天皇の存在を脅かすことが起きたなら、臣民であるお前たちは命を投げ出して
神武天皇から始まる天皇の地位を守れ。
と、命令していること、
間に書いてある、親孝行しろ、兄弟は仲良くしろ、友達とも仲良くしろ、などはすべて天皇のために
存在するのだからその体を大切に扱え。兄妹・友達と争って体を粗末にしてはいかん。
と、まあ、こんな感じかな。
昔、てれびCMで「人類は家族・・・」だったか?
そんなことを言っていた。
もちろん、兄弟であろうが友達であろうが仲良くすることに異論を唱えはしまい。
だから、稲田朋美なんかがその部分だけを取り上げて絶賛している。
だが、最初に触れたように、すべて天皇のための命だから粗末にするなということ。
全体の流れを見ずして耳障りのいい所だけを誉めそやすのは、
教育勅語の本筋を理解していっているのか?