ヨーロッパの限りない大地

ヨーロッパの色々な都市を訪問した思い出をつづっていきたいです。

世界遺産の大聖堂(ブールジュへ)

2006-03-20 23:35:55 | フランス物語
冬のある日、パリからブールジュの日帰り旅行に行こうと思い立つ。
ベルギーに似た名前の名所があるが、それはブルージュと日本語では表記している様だ。
ブールジュを選んだのは、ここに日帰りでも行ける、世界遺産のカテドラルがある、という理由だけだった。
限られた期間で、行き先を選ぶ時、やはりユネスコの世界遺産という基準が参考になる。
前日、パリ市内の駅に行き、券売機でカルトブルーを使い往復チケットを買っておく。
禁煙の2等席で、席は窓際を指定した。

翌日、9時頃、オーステリッツ駅を発つ。
天気はあまりよくなかったが、これは時期的なものもあり、しょうがない。
途中、VIERZONという駅で乗り換える。
今となっては、途中の情景はほとんど覚えていないが、なぜかこの知られていない街の小さな駅で乗り換えた後、車窓から見たさびれた駅の景色は頭の中に浮かぶ。
今となっては、こういう何気ない、ささやかな記憶がいとおしくてしょうがない。あと電車での記憶では、パリに帰るとき、夕陽に当たる景色を見ながら、晩飯を何にしようか、などと考えている時のことが懐かしくなる。

2時間ほどでブールジュに着く。
駅からまっすぐ進み、途中小さな川を渡る。
まずは、お目当ての大聖堂、まで進んでいく。
最初にそれを見たい、というのは勿論だが、一方この近くに観光案内所が目当てでもある。
シーズンオフだと、日曜の場合特に、開いている時間が限られているからだ。
手持ちのガイドブックでは、10時から12時半のみ営業とあった。
まっすぐな道を抜けて、旧市街の曲がった道に入っていく。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

霧に向かった迫力(ブルーデル美術館)

2006-03-19 00:19:20 | パリの思い出
1月の霧のパリ、この日は昼からブルーデル美術館に行く。
場所はモンパルナスの一角にある。小さな美術館だ。
中に入り、受付で入場料を払おうとしたら、この時は無料だった。一応Gratuitと書かれたチケットは発行してくれた。
最初の部屋に入る。
白い壁の、天井の高い部屋だ。
ここに、「弓を引くヘラクレス」や「瀕死のケンタウルス」のような作品があったように思う。
馬に乗った兵士の巨大な作品などもあり、それらの迫力に圧倒される。
続いて、庭を通り過ぎ、アトリエだった部屋に行く。
ブルーデルはここに23歳から死ぬまで住んでおり、一生懸命制作に励んでいたらしい。ちょうど田舎の木造の校舎という感じであった。
裏庭のようなところもあった。日当たりが悪そうな感じで、季節のせいもあり、「苔むす」という日本語を思い出してしまう。

美術館内には、何体もの「ベートーベン像」がある。ベートーベンの頭部の作品である。
スヌーピーのマンガを思い出す。
ベートーベンの頭像の前で一心不乱にピアノを弾いているシュレイダーに対し、かんしゃくをおこしたルーシーはそれを壊してしまった。その後彼は何事もなかったかのように、倉庫の中に山と詰まれた頭像を取ってきて、再び演奏に没頭していた。
もちろん、それに比べて髪型といい、顔つきといい、はるかにたくましい。
ベートーベンこそ、ブルーデルの作風に最も適した実在の人物かもしれない。

二階にも回った後、レンガに囲まれた庭園に出る。
植物の間に、ここにも彫像がある。
巨大な馬の後ろに回って空を見ると、ちょうどモンパルナスタワーがある。
しかしこの日は霧のため、その威容は見えなかった。
黒い馬は白い霧の中に吸い込まれていく建物の前で、一歩踏み出そうとしていた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダイアナの彫像(グルベンキアン美術館)

2006-03-18 05:35:29 | ヨーロッパ旅行記
ポルトガル最後の日、ホテルをチェックアウトする。この日はよく晴れていた。
リスボンは昼過ぎに発つ。
あまり時間が無いこともあり、市北部にある、グルベンキアン美術館に行く事にする。
地下鉄を降りると、バス乗り場もある、がらんとしたところに出る。
地図を頼りに美術館に行くが、まだ開いていなかった。あたりをうろちょろする。
この美術館は、グルベンキアンというアルメニア人が、石油で成功し、その財で美術品を収集した。
そのコレクションをポルトガルに寄付したということだ。
イスラム・東洋美術からヨーロッパ美術、その他陶器や銀器のコレクションもあった。
開館時間が来たので中に入る。
幸いこの日は日曜ということで無料だった。
ここにはロダン作など、フランスの彫像もたくさんあった。
その内、気になったのはHoudonによるDianaの像だった。
普通の女性のヌードの彫像なのだが、ほんの少し普通のものとは違う。
しかしながら、そのほんの少しの違いのため、作品発表時には大きなスキャンダルになったとのことだった。

美術館を出た後、再び地下鉄に乗り、ポンバル侯爵広場まで行き、そのあたりから黄色い空港行きのバスに乗った。
まもなく空港に着き、空港内の店などを覗いた後、チェックインし、日当たりのよいゲートで飛行機を待つ。
飛行機に乗る。欧州最西端での日々を回想しながら、東へ戻る。またここまで来れる日は来るのだろうかなどと考えてしまう。
途中、窓からボルドーからナント辺りの、フランス大西洋岸が見えた。パリも近い。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポルトガルステーキの夜

2006-03-12 22:28:41 | ヨーロッパ旅行記
みんなを乗せたバスは夕暮れと共にファティマを離れ、一路リスボンに向かう。
ポルトガルの自動車道を走っていく。もうすっかり日は暮れ、暗闇の中を進んでいく。
ところどころにポツンポツンと灯火が見える。
その灯火がだんだん増えてくる。リスボンに近づいたようだ。

街中に入り、ホテルごとに客を降ろしていく。
時には狭い路地で、バスが立ち往生する時もあった。
自分のホテル辺りは後回しだったので、街中の時間がかなり長く感じられた。
やっと近くに着く。「ありがとうございます」とともにバスを降る。

夕食の場所を探す。また大通りに出て、ずっと南に下っていく。
ロシオ駅よりも更に南に行ったところで、入りやすそうなレストランを見つける。
ここで、ポルトガル風ステーキを注文する。また、最初はビールとばかり、ジョッキを頼む。
ステーキは、どこがポルトガル風なのかよく分からなかったが、まあおいしかったのでよしとしよう。
追加でやっぱり赤ワインを頼んでしまう。
最後はコーヒーで締め、合計23ユーロくらいだった。
少し酔い、店を出て、ロシオ広場のあたりを通りホテルに向かう。
この日がポルトガル最後の夜だ。
明日でいよいよここを離れなければならない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

祈りの中のファティマ

2006-03-11 23:19:24 | ヨーロッパ旅行記
バスはバターリャを離れ、最後の目的地ファティマに向かう。
途中、結構大きい土産物屋さんに立ち寄ったあと、ファティマに到着する。
ここは、1917年、3人の子供たちの前に、聖母マリアが現れたと言う事で聖地となった。
もともとは荒地だったらしいが、現在では広大な広場が整備され、巨大なバジリカが建っている。
その建物は夕陽を受けて輝いていた。そして正面には、子供のうち2人の大きな写真が飾っていあった。

広場に入って左手に、出現の礼拝堂という小さな建物がある。
ここで聖母マリアを祭っている。
広場には、バジリカに向かって、二本のまっすぐ続く通路があった。途中メッセージが書かれた壁を抜けて進めるようになっている。
これは祈りの人たちがひざまずいて進んでいくための通路になっており、実際、熱心にひざまずきながら進んでいく人たちがいた。

バジリカの中に入り、広場を歩いてぐるりと巡った後、バスの発車時間まで、そばの粗末な土産物店兼カフェで休む。
昼をまともに食べていないので、カステラのようなお菓子とコーヒーを買い、席まで持っていこうとしたら、お菓子がコロンと落ちてしまった。
こりゃしまったと思ったがしょうがない。
すきっ腹に濃いコーヒーがしみる。
日も落ちかけてきた。みんなバスに乗り込み、リスボンまで戻る。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする