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ヨーロッパの限りない大地

ヨーロッパの色々な都市を訪問した思い出をつづっていきたいです。

フォンテーヌブローへ向かって(パリ・リヨン駅より)

2007-03-05 23:06:17 | パリの思い出
ある年の初夏、天気も悪くなかったので、パリからフォンテーヌブローに行ってみようと思い立つ。
下宿を出て、リヨン駅に向かう。そこまでは当然地下鉄を乗り継ぐ。
リヨン駅で切符を買おうとするが、それらしい窓口では買えないとのこと。
窓口が並んでいる面ではなく、そから曲がったところで買うらしい。
結局、フォンテーヌブローもバンリュー(郊外)扱いのようだ。
今改めて、フランスのガイドブックを見て、リヨン駅の構造を見ているのだが、それがどこだったのかよく分からない。
地下鉄で行った事もあり、東西南北の感覚が狂っているのかもしれない。あるいは別の機会と混同してるのかもしれない。

何とか切符を買い込む。フォンテーヌブローの駅がどんなのかよく分からなかったので往復分買っておく。
というのも、オーベルスールロワーズでは帰り、駅が無人状態で、慣れぬカルトブルーで、標示のところがいたずらされて見にくい、古い機械で切符を買ったことを思い出す。
暗証番号を3回間違えると、そのカードが使えなくなってしまうので必死であった。
たかが切符を買うのに時間を取ってしまい、予定の時刻(前もってインターネットで出発時刻は調べておいた)ぎりぎりになってしまった。
古い列車にあわてて乗り込む。
列車はパリ市内を離れ、イルドフランス郊外の林の間を、抜けていく
車窓の上の木々をかすめながら南へ進む。

パリに光る金色のドーム(アンヴァリッド)

2007-02-05 22:58:26 | パリの思い出
パリの中で金色のドームが印象的な「アンヴァリッド」
ここは軍事博物館であるとともに、ナポレオンの墓があることで有名である。
日本語訳では「廃兵院」としているようだが、これは失礼な感じを受ける。
「傷痍退役軍人院」あたりの訳が適当だと思う。

自分がここに行った時は、ドーム側から入らず、北から入ったような記憶がある。
これだとまず軍事博物館を見学することになる。
ドゴール将軍に関する展示品などを見ながら、フランス軍事史、近代史のお勉強をする。
一通り見終わった後、高い天井で、広い空間を持つドーム教会を通った後、写真のようなナポレオンの豪華な墓がある。
これは上からでも、また階段を下りて横からでも眺めることが出来る。
薄暗い中、しみじみとナポレオンを偲ぶことになる。

外に出てドームを見上げる。
金色に光る威容が眩しかった。
(ナポレオンの墓の写真は日本語パンフレットより転載したものです)

フランスリーグのテレビ中継

2006-12-09 22:29:36 | パリの思い出
今週のラジオフランス語講座応用編では、サッカーを取り上げていた。
今回は、アフリカ系の選手が、人身売買のようにリクルートされている実態を伝えていた。
アマチュアリーグのような悪条件なところで、なんの保証もなく練習しているのである。
フランスリーグも、松井選手などの活躍で、日本でもよく報道されている。
それを見ても、やはりアフリカ系の選手が多い。
フランスの旧植民地からの選手であるため、言葉のハンデは少ないものの、他の点では、日本から来る選手より、はるかに苦労が多いのだろう。
そんな中から這い上がってきた選手は、精神的にもはるかにたくましくなっているのだろうなと思う。

フランスにいた時、テレビではこのフランスリーグを見る機会はほとんど無かった。
契約の関係で、有料放送しかしておらず、そんなのに入っていない自分には、ゆがんだ映像しか見れなかった。
土曜の11時のフットボールダイジェストの番組で、ちびちびしか見ていなかった。
その一方、チャンピオンズリーグは普通のチャンネルでもやっており、そちらの方を見る機会が多くなっていた。
こちらでは必ずしもフランスのチームではなく、なおかつそんなに強くないため、出番も少ない。
フランスにいながら、フランスのチームを手軽に見れないのは不幸な気もする。
当然利潤の問題があるのはしょうがいないが、なんとかならないかと思ったものだった。


エッフェル塔物語(LA TOUR EIFFEL Cent ans de sollicitude)

2006-11-04 23:12:51 | パリの思い出
エッフェル塔物語
フレデリック・サイツ著
松本栄寿・小浜清子訳
玉川大学出版部
2002年8月5日 第1刷

今やパリの象徴とも言えるエッフェル塔
しかし建設前、そして万国博覧会後の建設後でも反対の声があった。
それに対する、賛成派はどう動いたか。
また塔の権利や実用性など。
そのような塔の100年の歴史を、スキャンダラス的なことは抜きに、真面目に追いかけている。
技術者(塔の名前の由来も技術者の名前から来る)、役人、政治家などの名前、そして公文書がよく出てくる。
かといって読みにくいことは無い。図表などもあり楽しめる。
さらに最近の、ライトアップの技術者に対するインタビューもある。
最近、歴史的建造物が、洋の東西を問わずよくライトアップされているが、エッフェル塔の場合は少し特殊である。
というのも、鉄骨を組み合わせたようになっており、普通に外側から光を浴びせ掛けただけでは、上手くいかない。
従って、内部から光をあて、上手く光が浮かび上がるように工夫されている。
昼も夜も美しく、そして時には頼もしく見えたエッフェル塔には、このような歴史と工夫があったんだなあと感心した。

パリ・マルモッタン美術館の思い出

2006-08-20 01:01:25 | パリの思い出
パリの美術館の中で、どこが一番お勧めか聞かれることがある。
もちろん、その人の好みによって違うため、どこが一番かなんて簡単には答えられない。
しかし、単に自分の好みから言うと、マルモッタン美術館と即座に答える。
16区、地下鉄の駅を降りて、公園のあいだを抜けていく。
そして小さな邸宅のような美術館に到着する。
単に作品の量からすると、ルーブルやオルセーのほうが充実しているのに決まっている。
しかし、実際全部鑑賞するとなると、かなり無理はある。
その点、マルモッタンはこじんまりとしている分、全ての作品を存分に見れる。
邸宅らしい品のよい調度品などを見た後、地下に降りる前に、あえて上にあがる。
ここでは、ベルト・モリゾなどの印象派の連中の、地味だが渋い作品を鑑賞する事が出来る。
彼女の絵画は、タッチこそ荒々しいものの、それにより何気ない家族の風景が夢の中に描かれているような気がする。
それが一室で十分に堪能できるのは、本当に幸せなひとときである。

地下に降りると、そこはモネの世界である。
自分の好みからすると、晩年のそれこそ画面に叩きつけるような筆致の庭園の絵はあまり好きではないので、その前はさっと通り過ぎる。
そんなひねくれものの自分としても、やはり「印象・日の出」はじっくり見ざるをえない。
あたかも水墨画のような絵画。
あらためて見ても、このような絵を当時の画壇に「どうじゃ!」と叩きつけた、モネの革新性に感銘を受ける。
単に自分好みとしては、モネも普通っぽい風景画が大好きである。
パリの美しい公園を描いた小品の方がいい。
地下を一通り見た後、もう一度上にあがり、あらためてモリゾの作品を見、彼女に思いを馳せる。
改めて、このような美術館がさりげなく存在する、パリが恋しくなってくる