Jazz-Rambler

Jazzの世界をぶらぶら歩き回る日記

♪'TIS AUTUMN

2013-11-10 15:53:45 | JAZZ★SAX

♪'TIS AUTUMN 1941ヘンリー・ネモ(Henry Nemo)

Autum

ここ数日の間で急に寒くなり、秋の深まりを感じます。
この曲は深まっていく秋の季節にピッタリな”秋が来たよ”というジャズ曲です。
豊かな晩秋の雰囲気が漂ってきます。

ハリウッド俳優ヘンリー・ネモの曲。時の神様「Old Father Time」をモチーフにした秋を告げる古いスタンダードナンバー。
ミュージカルや映画とは関係なくつくられている。スタンダード曲のなかでもあまり目立たない地味な曲のようですが、面白い楽しい歌詞で通には好まれている歌とのこと。

「'Tis Autumn」の詞は、「時の老人」(たぶん、季節を管理する神様)が秋を告げるところから始まり、秋の情景を淡々と語っています。
最後のセンテンスで「だから、こうして僕が君を抱きしめるのも自然なことだよ。だって秋が来たんだもの」となるのです。どうしてあんな彼と一緒になっちゃったの? だって寒かったんだもの…。なんとも心憎い表現の仕方だと思います。
ということで、恋人を抱きしめるときに「秋なんだから、仕方ないじゃない」と言い訳するテクニック(?)。これからの季節には必須。「ラディダディダディダン」と呪文を唱え、恋人と温め合いましょう。
※「'Tis」は「It is」の省略形。

作詞作曲のヘンリー・ネモは1907年生まれ。ハリウッドの映画俳優。若いころコットン・クラブで働いていて、デューク・エリントンとも親交が厚かった。「I Let a Song Go Out of My Heart」とか、一緒に何曲か作っている。演奏の合間に、オシャレでウィットの利いたお喋りでお客さんを楽しませ、それが「ジャイブ・トーク」と呼ばれた。要するに「MC」のハシリですな。この「ティズ・オータム」もジャイブ・トークを歌にしたような感じ。
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■歌詞
Old Father time checked, so there'd be no doubt
Called on the North wind to come on out
Then cupped his hands so proudly to shout,
“La-di-dah di-dah-di-dum, ‘tis autumn!'

Trees say they're tired, they've born too much fruit
Charmed on the wayside, there's no dispute.
Now shedding leaves, they don't give a hoot ?
La-di-dah di-dah-di-dum, ‘tis autumn!

Then the birds got together to chirp about the weather
Mmmm-mmm-mmm-mmm.
After makin' their decision, in birdie-like precision,
Turned about, and made a beeline to the south.

My holding you close really is no crime
Ask the birds and the trees and old Father Time.
It's just to help the mercury climb.
La-di-dah di-dah-di-dum, ‘tis autumn.

■日本語訳①
時の神は、よくよく確かめてから、北風に出て来るように呼んだよ
誇らしげに両手を口に添えて
♪ラディダーディダディダーン、秋だよー!!

木々はたくさん実を稔らせて疲れたよーと言ってるよ。
舗道の飾り付けもしたし、もういいでしょう。
そろそろ静かに葉を落としても構わないさ
ラディダーディダディダーン、秋だもの

そして鳥たちが集まり、お天気の相談ごと、
ムームー、ムムムムー
鳥なりの正確さで決定は下されて、彼らは真っ直ぐ南に飛んでいったよ

だから、僕が君を抱きしめることは、何も悪いことなんかじゃない
鳥や木々や時の神に尋ねてごらん
体温を上げる方法じゃよ、と言うよ
♪ラディダーディダディダーン、秋だもの

■日本語訳②
時の老人(季節の神様)は、よくよく確かめてから北風に出て来るように呼んでたよ
両手を口に添え、誇らしげに ラディダディダディダン、秋だよ

木々は語る、実を実らせて疲れたよ 舗道の飾り付けもしたし もう充分
そろそろ葉を落としても構わないさ ラディダディダディダン、秋だもの

鳥たちが集まり、お天気の相談ごと
鳥のように正確に決定は下されて 彼らは真っ直ぐ南に飛んでいったよ

だから僕が君を抱きしめることは何も悪いことなんかじゃない
鳥や木々や時の老人に尋ねてごらん
体温を上げる方法だよ、と言うよ
ラディダディダディダン、秋だもの
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YouTubeでこの♪'Tis Autumnのいろんな方の演奏をチェック(録音)して1枚のCDにしてみました。それを流して聴きながらぼぉーっと秋を感じている休日の午後なのです。

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'Tis Autumn

01/ Ella Fitzgerald with Joe Pass
YouTube↓
https://www.youtube.com/watch?v=lfZZcpFoLD4

02/ Nat King Cole (1949)
YouTube↓
https://www.youtube.com/watch?v=JWmPdqMmV-A

03/ Stacey Kent
YouTube↓
https://www.youtube.com/watch?v=-LbwRrbIMoQ

04/ Carmen McRae 1990
YouTube↓
https://www.youtube.com/watch?v=u8TKYyOj5ps

05/ Bobby Hackett Quartet
YouTube↓
https://www.youtube.com/watch?v=babjkyTG4uY

07/ Chet Baker
YouTube↓
https://www.youtube.com/watch?v=42K6bk_stS4

ビル・エヴァンスのピアノにチェット・ベイカーのトランペット。珍しい組み合わせ。生きるのが不器用な二人がセッションを組んで、淋しげな演奏をしている。これも秋の物悲しさ。
ビル・エバンス(!!)のクールなピアノのイントロで始まるこのナンバーはリリカルかつスィート。チェットの紡ぎだすホーンの音色はどこか頼りなげだけれど、まるでウェスト・コーストの無防備な光を思わせる清新な響きがある。

08/ Stan Getz
YouTube↓
https://www.youtube.com/watch?v=t0la9eKagEI

09/ Zoot Sims
YouTube↓
https://www.youtube.com/watch?v=VDVTLzvWcLs

10/ Carmen McRae
YouTube↓
https://www.youtube.com/watch?v=McfkHvuiB4U

11/ Lily Bee
YouTube↓
https://www.youtube.com/watch?v=x5tqWgJwkZc

12/ Fredrik Carlquist & Dave Mitchell
YouTube↓
https://www.youtube.com/watch?v=SH4xVHaPkag

バルセロナの名手!フレデリック(Fredrik Carlquist)さんの歌心溢れるテナー

13/ Bob Dorough
YouTube↓
https://www.youtube.com/watch?v=Erf6hNbjpnE

14/ Jackie Paris
YouTube↓
https://www.youtube.com/watch?v=Ppqd_04IzZ8

チャーリーパーカーとツアーもしたことがあるボーカルのジャッキー・パリス。歌うだけで幸せそうで、こちらまで微笑んでしまいます。

15/ Noteworthy performs
YouTube↓
https://www.youtube.com/watch?v=f7AJMh-86bQ

16/ Chico And Friends Quartet
YouTube↓
https://www.youtube.com/watch?v=SYg6vrT5wd8

17/ Mark Crooks Trio
YouTube↓
https://www.youtube.com/watch?v=PO4z-dQ44JI

18/ Red Garland
YouTube↓
https://www.youtube.com/watch?v=TYOu_xHyYPA
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