ネタバレ無し
良かった、個人的にとっても良かった。イッキに三日で読んでしまった
泣き虫なんで、メチャ泣きました。
次の日は職場でウルウルしてました(爆!
私はお勧めです。是非。
第二次世界大戦、神風特攻の話です。
内容的にはフィクションなんですけど、
その時代の背景や逸話に関しては事実が描かれています。
ですので、半フィクションかな。
坂井三郎氏や西澤氏、岩本氏や笹井氏と言った有名所のエピソードが
書かれています。主人公の置かれた立場やなぜそのような事態になったのかを
説明する為にいろんな史実が描かれています。
いろいろ賛否両論出ていますが、私はこの書籍がベストセラーになった事を
非常に嬉しく思っています。
個人的には神風特攻について、ほぼ強制だった物と認識しています。
それは鹿屋航空博物館にて今は亡き本物のゼロパイロットだったK氏と
直接話を伺う事が出来、その心情から確信していました。
それが、いつの間にか『御国の為の志願兵』という美化談話になってしまって、
(※そういう事実も有りましたが・・・・・)
自分的にはちょっとソコが納得できない部分であり、
実際はそんな奇麗事じゃ無かったんだよ!!
と、声を大にして言いたかった事が詳細に書かれています。
誰だって死ぬのはイヤだし、愛する人や大事な人もいる。
今すぐ側に行って会いたい、一緒に居たい人って居るわけですよ。
両親だったり、妻だったり自分の赤ん坊だったり、可愛がった弟や妹だったり、
自分が居なくなったらどうなるだろうって思う人が居るんですよね。
そしてその元凶、大本営のアフォぶりと暴走や、戦争の悲惨さが描かれています。
学校では、そんなこと教えないんだよね。「悲惨でした」と教えられただけ。
それに普通の人は、あの大戦にそんなに興味も持たないのは当たり前な事なんですよね。
自分を含め平和ボケしてるし。
だから今回この『永遠の0』が大ヒットした事で、あの戦争が何だったのかという黒歴史の
一部が明るみに出てきて、多くの人にそれが知らしめる事が出来た事は、
日本の社会にとって、物凄く貢献した事だと思う。
物語の中で、特攻があの911のテロと同じだっていう馬鹿で愚かな事言う
新聞記者が登場してきますが、しかし今の世の中ってそういう考え持った人実際にいますよね。
それに対してもこの『永遠の0』ではちゃんと答えを出しています。
冒頭説明:(適当要約)
時は現在、主人公は26歳のニート、姉はフリーライター。
おばあちゃんは既に6年前他界。ある日優しいおじいちゃんが爆弾発言
「私は本当のおじいちゃんでは無い。お前達の本当のおじいちゃんは特攻で亡くなったんだよ」
主人公:『いまさら言われてもなー実感ないしぃ』。。みたいなノリ
おじいちゃんは、おばあちゃんや母、自分らをとても愛してくれてたから全然ノープロブレム!
『ま、どうでもいいよ』みたいな展開。
母:『でも、どんな人だったんだろうねェ』
姉:『戦争について記事書く事にした。』
姉:『いい機会だからおじいちゃんの事調べて見よう』
『私忙しいから、後、よろしく』
姉は暇をもてあそんでいるニートの主人公に金で釣って調査をさせた
おじいちゃんの本名、宮部久蔵。
主人公は当時の宮部久蔵を知っている人に片っ端に連絡とってインタビューしていく。
宮部は妻と生まれたばかりの娘がいました。
それは亡くなったおばあちゃんと、主人公の母です。
宮部は『自分は絶対に死にたくない。生きて妻と娘の所に帰る』と公言し
異常なまでに生に固執した人だった。。。(普通はそうなんだけどね(==;;
でも当時は臆病者、軍の恥さらし、卑怯者と罵られ、
周りが特攻に志願しても宮部一人だけはなにがなんでも絶対に特攻には志願しなかった。
戦闘スタイルにもそれが如実に出ています。
フラシム的に言うと、戦闘が始まると戦闘領域から離脱し、高度を取って
上から悠々と眺めているんです。
で、たまにはぐれて出て来た敵単機をぱくっと食うみたいな・・・・・(^^;)
アルトモンキーって奴ね。ファイターエースでも言われまくってたね。
戦争事態には貢献度が微々たる物で、自分の為だけで戦闘しているからリソースのバランス
を考えると邪魔な存在になる。
FPSで言うと後方でイモってる奴や後方でキャンプしてる奴。
例えば1チーム10人までというゲームの場合、戦いに参加しない奴がいると、
事実上10対9になりチームの状況は不利になる訳。
実際の戦争だと、可動出来るゼロ戦の上限数は決まっているから、その中で
戦闘しないパイロットがいると、そいつのゼロ戦は戦力外となる。
当然、そんなパイロットは邪魔でウットオシイ存在になる訳。
ランチェスターの法則って有りまして、例えば戦闘で10対9になるとその戦力差って
1機分じゃないのよ。反比例的な放物線を描いて戦力差って拡大するんです。(これ本当の話)
なので、当時の宮部を知る人からケチョンケチョンに言われる訳ですよ。
主人公:『あーあ、カッコ悪ぃ、だから俺もそんな血が流れているわけね』。。。。。なノリ(=_=)
でも、冒頭でもあるが、宮部は特攻で亡くなるんですよ。
????話のつじつまが合いませんねぇ、謎です。
宮部がどんな男だったのか少しづつ見えてきます。
実は彼は西澤も唸るほどのスーパー凄腕パイロットなんです。
そりゃ、開戦から終戦間際まで現役ゼロパイロットだからそりゃ相当ですわね。
機体コンディションにも気を配り、さながらエアトン・セナです。
しかし、威張らず見栄も張らず部下であろうと誰にでも優しく丁寧な男なんです。
いろんな逸話が出てきます。
物語の終盤では私ことJapanCatは宮部久蔵という男に凄く惚れてしまいました。
久しぶりに相当物語に入り込んでましたね。
。。。。。そして最後は「あぁ、そういう事か・・・・・・」という感じでブワーッっと泣いてしまいました。
自分的にはあのヤ○ザの話しでも泣けました。そしてその件でも後々・・・・
「そうだったんだねぇ。。。。」と又ブワーっっと泣いてしまいました。
実写映画化ですね。
このCMのワンシーン、ワンシーンが、あのシーンなんだなぁっと思えます。
原作中戦闘シーンが多いです、話は会戦から終戦までゼロファミリーの衰退も
描かれているし、反対にアメリカの新旧型の登場も多い。
内容のボリューム多いし、実写で取ると2時間じゃ収まらないはず。
大丈夫かなぁ・・・・・
内容がしょぼかったら怒りそうだ。
いろんな自分も知らない逸話も多く有り、その部分でもポイント高い。
ただ、思ったのは
特攻で亡くなった方やその遺族に日本は責任取ったんだっけ?
個人的にはあの戦争は否定しない。
当時の状況を考えるに戦争するしか無かったと思う。
あまりに白人支配は酷すぎた。
当時の日本の上層部の馬鹿ぶりって今日の日本と本質は
変わってない気がするよ。残念だけど。
活字の物語にコンだけ入り込んだの久しぶり。
ベストセラーになるのも納得出来てしまう内容。
今の戦争を知らない若い人達が、あの戦争が何だったのか、何があったのか・・・
なーんて事に興味を持つことはあまり無いからね。
でもこの小説を通して多くの人が何かを考えたら、それは大きな貢献だと思うなぁ。
あの戦争で命をかけた方々にもっと敬意を示さないと。
そして、我々は彼らが命を掛けて守ってくれた日本をもっと元気にしないとね。