霊の「関東……もとい、長州ウォーキング」

「関東歩き旅」の続編で、「長州歩き旅」を始めました

赤間関街道北浦道筋(長門二見⇒黒井市)

2011年02月06日 | 赤間関街道
2011年2月6日(日)

前回と同じくマイカーで自宅を出て、長門二見駅前に駐車させてもらってから、続きを歩き始めた。
長門二見駅の少し北側から山側へ入って行く道が街道なのだが、この道に入ってすぐに分かれ道があってその先から次第に道が険しくなり、もう少し往けば下峠(しもとう)ではと思しき辺りでついに断念して、脇道から一旦、国道191号に出ることにした。途中で行き交う人もなく、また最近人が歩いた形跡もないことから、残念ではあるが仕方がない。

そのお陰と言う訳ではないが、いつも車で通り過ぎるだけだった二見浦の「夫婦岩」を、間近にゆっくりと眺めることができた。
由来によれば、この岩の背後にある馬路山に住む龍が、大時化の日にはこの岩の間を通って、沖にある壁島の龍権社にお詣りするそうな。この伝説を元に、豊漁と海上安全を祈願して、嘉永年間に注連縄を渡す神事を始めたらしい。
毎年1月2日の夜明けと共にこの神事が始まるそうだが、地元の漁師さん達の心意気がビンビンと伝わってくるような、見事な注連縄だ。



宇賀本郷駅を右に見て大専寺前の街道を往くと、民家の庭先に蝋梅がふくらんでおり、独特の香りを辺りに漂わせていた。唐梅とも呼ばれる蝋梅は、確か、普通の梅とは違う種類だと聞いたことがあって、帰宅してから調べてみたらやはりそうで、普通の梅が「バラ科サクラ属」なのに対して、蝋梅は「ロウバイ科ロウバイ属」なのだそうな…へぇ~。
そんなことを聞かされると、思わず「狼狽」するなぁ~ …ナンチッテ



宇賀小学校の手前、左手の小高い所に宇賀八幡宮が見える辺りで国道から右に逸れ、JRの踏切を渡ると、旧街道は往時の趣をよく残しており、鳥居峠と呼ばれる小さな峠を越えると湯玉地区に入る。
街道右手の善念寺入り口辺りに、写真のような「宇賀本陣板場跡」と書かれた標識が建っていたのだが、説明書きが何も無いので、折角の標識も意味のないものになっているのは、善念…ではなくて、残念。
「板場」って、現代では調理場や調理人のことなのだが、ここに本陣があった頃の「板場」って何を指していたのだろうかネ。知っている人がいたらおせぇ~てくらはいぃ~



湯玉地区の長閑な街並みを抜けると、右手に犬鳴岬が見えてくる。岬すぐ手前の広場には、九州ナンバーの車が10台近く駐車していて、確かに岬の先には多くの太公望が釣り糸を垂れているのが見える。

福徳稲荷の下を過ぎ、クリーンセンター響(清掃工場かな?)の入り口も過ぎたその先に、右手に旧道があるはずなのだが、国道からの分かれ道が分からない。
ならび松海水浴場が見える所まで来ると小さい脇道があったので、JRの線路を無理矢理渡って旧道に出て、再度もと来た道の方向へ戻ってみたが、300m位先で道が無くなっていた。これでは国道からの分かれ道が分からない筈だ。

後浜海水浴場の入り口を過ぎた辺りで見かけたのが下の白梅で、10本位あった梅の木の中で此の木だけが綺麗に花を咲かせていた。ちょうどこの場所はすぐ北西側に小山があるので、冷たい季節風が直接あたらないのではないかと思う。
しかし毎年のことながら、寒風が吹き荒む中でも梅が咲き始めるのを見ると、体はまだ冬真っ盛りでも、心の中で春をほんの少しだけ感じることができるのは、とても嬉しいもんだ。



小串も、JRよりも西側(海岸側)に旧道が残っており、小串海水浴場や小串駅や豊浦済生会病院などを過ぎるともう川棚地区に入る。
ナフコの手前で国道と合流してからは、開発が結構進んだからか旧道はほとんどどこかが分からない。市役所支所の横から旧道らしき道を抜けて、吉永八幡宮へ立ち寄ってみた。
下のように、拝殿から裏へ回ってみると、なかなか立派な造りの本殿に出会える。材木の寄せ方や、ほんの小さな彫刻まで、実に丁寧な造りが見事だ(…と思う)。



この、吉永八幡宮を出たところで出会ったお爺さんに赤間関街道のことを聞いたら、これがとんでもなく詳しくて、萩から歩いてきたオイラの道程を、注釈を交えながら全部事細かにコメントしてくれた。
何でも、このお爺さんも親から聞いた話では、明治時代の後半までは宇賀から先(北側)は荷馬車が通れる程の道が無くて、舟で荷物を運んでいたそうな。
つまり、赤間関街道とは言いながら、人馬がようやく通れる程の細い道でしか無く、物資の運搬は海上輸送が頼りだった訳だ。長門二見からの山道が、えらく細かった訳がようやくこれで分かった。

このお爺さんにこの付近の街道筋を教えてもらい、更に南下して黒井市へ向かう。
黒井市のほぼ中程には、よくある庚申塔にこれまた見事な注連縄が架けてあった。この街道筋で見かけた数十の注連縄の中では、デザイン・ボリューム共にピカイチだ。今日の無事を、心から感謝しておいた。



今日はここまでにして、安養寺の先から黒井村駅に戻り、山陰本線に乗ってスタート地点の長門二見駅へ向かう。いつもより少し短めで、4時間半の31,307歩であった。

次回は、黒井村駅からスタートして、終点の亀山八幡宮前まで一気に行けるかな?


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