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シルバー年齢のサイクリング記録です

自転車運転、頭守ろう

2011-01-17 17:47:44 | Private Cycling


 米系の大手自転車メーカーが、自転車用のヘルメットを無償で配り始めた。自転車の事故で亡くなる人の6割が頭部を打っているのに、乗車時にヘルメットをかぶる人は1割に満たないからだ。

 東京都目黒区にあるウェブサービス会社「はてな」東京本店。昨年12月、「自転車通勤をしている方々へ」と新品の自転車用ヘルメット5個が届いた。スポーツタイプの自転車や関連商品の製造販売で世界的に有名な米スペシャライズド社の日本法人からだ。馬場誠社長(55)は「頭は命にかかわる。しっかり守って安全な運転を」と話す。

 警察庁によると、2009年に自転車の関係する事故で亡くなった人は695人。数は減る傾向だが、自動車を含む交通事故全ての死者での割合は約14%で、年々高まっている。死者の63%が頭部に損傷を受けていることに注目した同社は、インターネットを使って約300人の自転車通勤者に調査した。すると、ヘルメット着用者は10%以下だった。

 調査では、5人に1人が「通勤中に事故にあった」と回答。一方で、自動車も運転する人の約4割からは、「ヘルメットをかぶっている自転車の利用者のほうが視認しやすい」との答えも得た。

 同社によると、欧米と比べて日本では自転車に乗るときにヘルメットをかぶる大人が少ない。理由を調査したところ、「面倒」「暑い」「髪形が崩れる」「格好悪い」が大半を占めた。日本で流通しているヘルメットの多くは欧米向けで、頭の横幅が広い日本人にフィットしにくい。このため大きいサイズを選ばざるを得す、結果として装着感が悪い――と同社はみる。

 そこで同社は日本人の頭にあうヘルメットを開発。「まずは無料で配って『食わず嫌い』を解消し、習慣づけてもらおう」と考えた。昨年9月下旬から自転車通勤に熱心な企業から希望を募り、3社に45個を贈ることにした。

 真っ先に応募したのが、はてな。01年の創業当初から環境活動に力を入れ、自転車通勤者に月2万円の手当を出している。十数人いる社員のほとんどが自転車通勤者だ。国土交通省などが自転車通勤を促すために創設した「エコ通勤優良事業所」にも認定された。

 ヘルメットを受け取ったはてなの田中慎樹執行役員(36)は「学生時代、転倒してヘルメットに救われた。社員にも使ってもらい、安全でエコな自転車通勤の輪を広げてゆきたい」と話す。

 スペシャライズド社は利用者からかぶり心地や安全への意識をアンケートし、今後の普及・販促に役立てる方針。一方、日本人向けのヘルメットを生産してきた「オージーケーカブト」(本社・大阪府)は、「ここ数年で利用者は増えている。周りの利用者を見て『意外に格好がいい』と考えて、ますます普及してくれれば」と期待する。(佐々木学)

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