ドクトール隆の日常日記(秋田県大館市 伊藤内科医院)

日常診療とプライベイトに思う・・・

ケトン体質とは!?

2017年01月29日 07時19分54秒 | 診療&トピツクス
 TVニュースで日本代表サッカー選手である永友選手が”自分の体をケトン回路にしたい!”
との発言で一躍注目を集めているケトン体ですが、元来人体を構成する各組織細胞は生きていく
ためのエネルギーが必要で、人体の主要エネルギー源は①脂肪酸-ケトン体システム②ブドウ糖-
グリコーゲンシステムに大別されます。現代人では十分な炭水化物を摂取できるため、通常は②
のシステムが優位に作動しています。食事後2時間くらいは食事性のブドウ糖をエネルギーとし
て使用していますが、肝臓由来のグリコーゲン分解で出来たブドウ糖が利用されます。さらに2
~3時間経つとグリコーゲンが休止(枯渇)して、肝臓での糖新生に切り替わります。この時点で
心筋や骨格筋などほとんどの細胞のエネルルギー源は脂肪酸-ケトン体に移行しています。理論上
肝臓のグリコーゲンはせいぜい100g程度で400kcalほどしかないことが分かっています。
一方、脂肪細胞由来の脂肪酸とグリセロールは体重にも左右されますが60kgで体脂肪20%
の方では脂肪12kgで総カロリーは10.8万kcalにも達し、絶食下で水さえあれば1~2ヶ月
以上もつ備蓄エネルギーに相当します。では具体的にケトン体質になるにはどうすればよいのか?
考えてみると、炭水化物(糖質)制限の実践や短時間でもダッシュ激しい運動(無酸素運動)などが考
えらえますが、程度はいろいろですが準絶食療法も有効かと思います。たとえば、食事回数を1日
1~2回に減らすことであります。8時間以内の食事(16時間ダイエット)も有効とされています。
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