現在抗高脂血症剤として広く使用されている薬剤「スタチン」。正確にはHMG-CoA還元酵素というが、日本では7種類が使用されており、世界的にも約3兆円以上の売り上げを上げている人気商品である。実はこの薬剤の発見には日本人研究者”遠藤章”氏(現東京農工大名誉教授)の偉大なる功績があったのだ。遠藤氏は6000種類のカビを丹念に調べて、抗コレステロール作用のある物質”コンパクチン”を世界に先駆けて発見した方であり、三共と共同で新薬の開発に挑んだが、副作用などで途中断念。その頃、米国メルク社がコンパクチン類似物質を発見、87年にロバスタチン(商品名メバコール)の商品化に初めて成功した。それから遅れること2年後に三共でもメバロチン(プラバスタチン)を商品化した。この薬剤は水溶性で副作用が少なく、安定したマイルドな薬剤である。その後、強力なスタチン系剤が続々と発売され現在に至っている。話は前に戻るが、実はコンパクチンは京都の米屋で見つかった”青カビ”から取ったものだそうで、”何処に妙薬の原石”が転がっているか?解りませんネ!「それにしても素晴らしい仕事をしましたね~!」感心致しました。
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