9月16日 金曜日
昨日7時間の車の旅を経て、夜遅くに到着したグロスターシャー。
バイオダイナミックアグリカルチャートレーニングの2泊3日のセミナーに参加するためです。
このバイオダイナミックアグリカルチャートレーニングは2年構成のプログラムで、各研修生はイギリスにある各バイオダイナミック農場で師につき、経験を積みながら学びを深めていきます。
2年を通して約15のセミナーがあり、それぞれはイギリス国内の各地バイオダイナミック農場で行われます。
研修生はその各セミナーに参加するのも研修終了の単位になっているため、そのセミナーに参加するためイギリス国内各地にその都度集まるのです。
今回の農場はとあるコミュニティー内の農場。
この施設もいとえが滞在している村と同じく、キャンプヒルコミュニティーの1つで、学習障害の方々と生活を共にするコミュニティーです。
100人くらいの、いとえの滞在している村(コミュニティー)の約3分の1の大きさです。
今期第1回目のセミナーは、「イントロダクション(導入、手引き、入門)」的な要素が強い内容になっています。
今日1日のプログラムは
・他己紹介、トレーニングプログラム説明
・バイオダイナミック農業の歴史
・農場見学
・ランドスケープ観察
・Make Camp
昨夜、この施設に到着したものの、今期の研修生たちと顔を合わせるのは今朝がはじめて。
毎年5~10人程度の研修生が、今期は15人スタート。
これからまた数人が途中から加わってきます。
今までにない大人数だそうです。
バイオダイナミック農業の歴史については日記の最後で触れる事にします。
もちろん、今いとえが向き合っていることだから、みんなにも知って欲しいとは思いますが、歴史って、興味の無い人には全く不要ですもんねf(^_^;)
気が向いたら読んでくださいまし☆
さて、写真たっぷりに農場見学のご紹介☆
なんだか、入ったとたんから「アトリエ」のような雰囲気があるこの施設。
案内板の文字。
いとえはこれを「シュタイナーフォント」と名付けています。
どこの何を開いても、たいがいシュタイナー関係の書物のタイトル、施設の看板、団体名など、このフォントなのです。
なぜなのかは、不明です、、、、。
大きなビニールハウスの中で真っ赤に実るトマトたち。
この子たちはメインの茎と、わきから伸びるわき芽を1本残し、2本仕立てになっていました。
節なりキュウリのこの子たちも同じく。
2本仕立て。
農場に大きく広がるフリース(不織布)。
担当の方のお話。
「ウサギ、シカ、ハト。この3つのコンビネーションで農場は空っぽ。それに加えて最近はアナグマがひどい!!!」とのこと。
農業はやはり動物との戦いです。。。
そして、ニンジンフィールド。
ちょっ!!!!!!ちょっと!!!!
ニンジンから変なの生えてるんですけど!!!!(笑)
これはシバムギと言う雑草。
土の中で横に根をグングン伸ばし、すばらしい勢いで成長する防除に困るやっかいな奴。
すばらしい勢いすぎて、ニンジン貫通!!!
ちょうど真ん中を通るなんて!やっかいな奴だけど、感動しちゃいますね☆
そして、堆肥の説明。
4月末に牛糞の上に麦わらを敷いて、熟させているこの堆肥。
麦わら不足で覆いきれていない部分が、、、。
その覆われていない部分の堆肥(牛糞)がこれ。
もう匂いはしないものの、まだまだしっとりねっとりとした感触。
そして、きちんと覆われていた部分がこれ
ふんわりフカフカ程よい湿度。
堆肥は上を何かで覆って熟させるのがやっぱりミソのようです。
農場見学を終え、マグカップで具だくさん野菜スープと自家製パンをいただき、
ランドスケープ観察。
少し移動して他の場所からも。
あ。ちなみにこれは伝統的なコッツウォルズの石壁。
そして、移動した先がここ。
眺めがよくランドスケープ観察にいいのはわかるけど、お墓って、、、、f(^_^;)
新鮮な授業です。
ちょこっと他の農場にも寄り道。
ブタ~。子ブタ~~。
ブヒブヒ。かわゆす。
研修生全員、ブタを眺める後ろ姿☆
そして最後のプログラム。
Make Camp。
なんじゃそりゃ?といったところですよね。
この施設にはこの過去最大人数の研修生を泊める部屋はなく、
プログラムの持ち物には
「テント、マット、寝袋」との記載があったのです。
なので、みんなでお庭にテント作り。
実はいとえはテント宿泊人生初(のはず)!!!
うきうき♪わくわく♪♪♪
テント睡眠初夜でございます☆☆☆
さて、最後に。
バイオダイナミック農業の歴史をさっくり、ざっくり。
1924年6月にドイツ、コーベルヴィッツで行われたルドルフ・シュタイナーによる「農業講座」がはじまり。
ルドルフ・シュタイナーは、この世界には物質的、物理的なもの、5感で感じる事ができるものだけでなく、精神的なもの、いわゆるスピリチュアル的なものが存在し、なりたっていると考える科学者・哲学者の一人。
その彼の「科学」を彼自身で「人智学」と提唱し、生涯にわたって多くの講義をおこないました。
講義の内容は多岐にわたり、教育、医療、看護、芸術、宗教、建築などがあり、その講義には多くの農業関係者も参加していました。
そのころ(第一次世界大戦後)、ヨーロッパでは多くの化学肥料、殺虫剤が研究開発され、使用されていました。
それに疑問をいだいていた農業関係者の「今後のあるべき農業の新しい見識を!」とのリクエストによって、1924年6月7~16日に8回に分けて「農業講座」は行われたのです。
その翌年にはルドルフ・シュタイナーは亡くなっていますが、この「農業講座」に基づく研究グループが発足し、急速な勢いで広がり、発展し続けています。
1928年:ドイツで「DEMETER」というバイオダイナミック認証団体設立。
1937年:オランダでバイオダイナミック協会設立。
1938年:アメリカでバイオダイナミック農業園芸協会設立。
1944年:イギリスでバイオダイナミック農業協会設立。
1945年:ニュージーランドでバイオダイナミック協会設立。
1950年代:オーストラリアでバイオダイナミック農業協会。
1950年代:カナダでバイオダイナミック農業園芸協会・バイオダイナミック農業協会設立。
などなどヨーロッパ各国のみならず広がりをみせ
1984年:南アフリカでバイオダイナミック協会設立
そして、日本では1984年に初めてバイオダイナミック農法が実践され、
2009年:日本バイオダイナミック協会が設立されています。
簡単にはそんな感じ マル