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男性ばかりの刑務所にたった一人拘留された女ギャングの末路

2021年07月05日 16時30分21秒 | 事件と事故


男性ばかりの刑務所にたった一人拘留された女ギャングの末路

国内    社会        2017年9月22日掲載

 平成14年、当時32歳の亜弓さん(仮名)は、ある人物に対する殺人未遂という重大な容疑で全国指名手配となった。盗難車で逃亡するも徳島県のホテルに落ち着いたところを捜査員に踏み込まれ逮捕される。徳島地裁で殺人未遂とは別件の覚せい剤使用の罪で実刑判決を受けた。その身柄は徳島刑務所内拘置区に移され、そこで引き続き取り調べを受けることとなった。しかしそこは重い刑を受けた凶悪犯ばかりが入る男性用の刑務所だった。



■小向美奈子、1年3カ月の刑務所生活を語る 「バイセクシャル申告で独居房に」


最凶の刑務所「LB級」とは
 刑が確定した受刑者は法務省が指定する「処遇指標」によって、収監される刑務所が決められる。亜弓さんが拘置された徳島刑務所は「LB級」という指標にあたる。

〈処遇指標〉
A指標 犯罪傾向の進んでいない者
B指標 犯罪傾向の進んでいる者
W指標 女子
F指標 日本人と異なる処遇を必要とする外国人
I指標 禁錮受刑者
J指標 少年院への収容を必要としない少年
Jt指標 少年院への収容を必要とする16歳未満の少年
L指標 執行すべき刑期が10年以上である者
Y指標 可塑性に期待した矯正処遇を重点的に行うことが相当と認められる26歳未満の成人
M指標 精神上の疾病又は障害を有するため医療を主として行う刑事施設等に収容する必要があると認められる者
P指標 身体上の疾患又は障害を有するため医療を主として行う刑事施設等に収容する必要があると認められる者
 D指標    拘留受刑者


「女子」で「初犯」であればWA、「外国人」で通訳などが必要な場合はF、などのように分けられ、その処遇に合った刑務所に収監されるわけだ。
 そしてLB級となると……「刑期が10年以上」(中には無期懲役も)で、犯罪を繰り返してきたり、より悪質な犯罪で有罪を受けた「犯罪傾向の進んでいる」受刑者たちの刑務所、ということになる。

 殺人やそれに近い犯罪に手を下してきた受刑者が当然多い。亜弓さんは自身が題材となったノンフィクション『組長の妻、はじめます。―女ギャング亜弓姐さんの超ワル人生懺悔録―』のなかで、中の様子をこう語っている。

「拘置区に行くと、女子刑務所とは違う一種異様な雰囲気がありました。これが男性のLB級刑務所かと改めて思い知らされました。とてつもなく威圧感を感じましたから(LB級刑務所は、しょーもない犯罪で初入(初めての刑務所入所者)のヘタレ男性受刑者なら、お漏らしするくらい怖いところですよ)」

 亜弓さんが殺人未遂を起こした相手は、実は警察官だった。その容疑で亜弓さんはこのLB級刑務所内で22回にわたる取り調べを受けた。
『組長の妻、はじめます。』
 廣末 登 著

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囚人たちに襲われる恐れも
「取調室がある処遇部屋に行くには刑務所内の運動場をぐるりと迂回して行かなくてはならないのです。ですから、LB級の男子受刑者ともすれ違います。
  そこで、私は、水戸黄門のご隠居のように刑務官に取り囲まれて移動しました」
「喧嘩では女に負けたことがない。酒では男に負けたことがない」と猛女ぶりを豪語する亜弓さんは、いくらなんでも大袈裟すぎると思い刑務官に不平を漏らすと、「以前、お前のように若くはないが、ここで女性刑務官が囚人に襲われたんや。自分の身が大事やったら、窮屈でも我慢せいや」と刑務官が言った。

「確かに、いつも受刑者の視線を感じましたし、彼らが運動などをしている時間に出くわしますと、彼らの視線が痛いほどでした。何より眼光の鋭さやイカツさが異様でした。そりゃあ、私もこの時は初入じゃありませんから、大拘(大阪拘置所)などで男性の被疑者を見ていますが、ここの住人は悪の貫録が違います。

 『なるほど、この人らは何年も、ことによるとこの先一生女に触れることもないんやな。そりゃ、懲罰覚悟のハレンチ行為に及びたくなるのも仕方ないな』などと考え、生唾を飲み込み、水戸黄門に納得したものでした」

女子刑務所との違い
 女子刑務所入所経験のある亜弓さんにとっては、男子刑務所の食事でのご飯の量の多さや超ガッツリ系のメニューが驚きだったとか。また、女子向け食事では日常のデザートが無かったり、逆に運動会などの行事の際に出るお菓子の量が女子の5倍ほどだったことも印象深いという。


 女子トークがある程度許される女子刑務所とは違い、入所者との交流は一切なかったから、房にやってくるクモやヤモリに話しかけて退屈を紛らわせたとか。
 大阪の裏社会でその名を「知らない奴はモグリや」と囁かれたほど極悪だった亜弓さん。
 「古今東西、我が国の女性の被疑者で男性のLB級施設に拘置されたり、グレーのナッパ服着せられ、被疑=被告=受刑者として刑務作業したのは、私くらいではないでしょうか」高級車窃盗団女ボスとして50人以上の手下を率いていたという亜弓さんをしても、LB級のイカツさには感じ入るところがあったということだろう。

デイリー新潮編集部




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新型コロナ抗体検査 陽性で免疫ある証明に? 医師の見解

2021年07月05日 15時30分27秒 | 医療のこと
4月17日の会見で、加藤勝信厚労相が「具体的な段取りを調整し、早期に取り組む」と表明した新型コロナウイルスの抗体検査。対象は無作為に選んだ数千人で、4月中にも開始する予定だ。

一方で、まだまだ始まったばかりの検査。何がわかるのか、今まで散々叫ばれてきたPCR検査と何がちがうのかなど、わかりにくい部分も多い。

そこで、3月より先駆けて抗体検査を導入している、ナビタスクリニック理事長で内科医の久住英二さんに、まずは基本知識を解説してもらった。

「PCR検査は、いま現在、体内にウイルスがいるか調べるもので、抗体検査は過去に感染したことがあるのかを調べる検査です。ウイルスに感染すると、体内では抗体が作られます。抗体検査では、血液中に含まれるこの抗体を検出します。抗体の有無を判断するのに必要な時間は15分ほど。作業自体も病院などで採血をして、検査キットに血液をごく少量たらし、さらに試薬を加えるだけと簡単です」(久住さん・以下同)

気になるのは検査で陽性、つまり“抗体あり”と判定された場合だ。体に新型コロナウイルスに対する免疫ができていると考えていいのだろうか。

「病気によって、抗体でウイルスを無力化できるタイプと、無力化できないタイプがあるので、必ずしも抗体がある=感染しないとは言い切れません。ただ、新型コロナウイルス感染症は、おそらく無力化できるタイプだと考えられています。中国の症例では、感染歴のある人の血液を治療中の感染者に輸血したところ、症状の改善効果がみられたという報告があります。つまり、感染して治った人たちの血液に含まれる抗体には、新型コロナウイルスに対抗する力がありそうだということです。“抗体があれば絶対に再感染しない”とまで証明されたわけではありませんが、免疫が獲得できている可能性は高いと考えています」

久住さんの言葉を裏付けるように、アメリカのニューヨーク州では、経済活動の再開に向けた判断材料とするために、4月20日から抗体検査を開始。約14%の人に抗体が確認された。イギリスでは抗体検査で陽性とされた人に“免疫証明書”を発行し、免疫を獲得した人から外出制限を緩和していく計画も検討されている。

世界中で始まった抗体検査だが、その精度はどうなのだろうか。

「世界中で需要があり、数々の検査キットが開発されています。ただ、それぞれのキットがどのくらいの感度なのかは、まだわかっていません」

ナビタスクリニックで導入しているのは、中国メーカーが製造し、日本のクラボウが輸入販売している検査キットだという。

「別のウイルスの抗体に反応しないことがチェックされた製品で、基本的には新型コロナウイルスの抗体にのみ反応します。同じキットを使って国立感染症研究所が、PCR検査で陽性とされた患者で、抗体の有無を調査していますが、発症から13日以上経過した患者では約97%の陽性率だったそうです」

つまり、発症から約2週間が経過した患者なら、ほぼ抗体を検出できるということだ。

 「ただ、この調査はPCR検査が必要とされるほど症状のある人を対象にしています。軽症や無症状の人では、作られる抗体の量が少ない可能性があり、このキットで検出できるのかという未知の部分もあります」


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新型コロナ、現場医師が迫られる「命の選別」~あまりに重い決断

2021年07月05日 14時00分18秒 | 科学のはなし
新型コロナ、現場医師が迫られる「命の選別」~あまりに重い決断

医療現場で働く医師たちにはいま、巨大な負担がのしかかっている。なかでも医師たちに大きな精神的負荷をかけているのが「命の選別」だ。発売中の『週刊現代』がその実情を特集する。

【写真】 死ぬ瞬間はこんな感じです。死ぬのはこんなに怖い

 スペインの首都、マドリードにあるインファンタ・レオノール病院は、大混乱に陥っている。

 「マスクもガウンも薬も、何もかも底をつき、人工呼吸器も酸素タンクも足りない。そもそもマドリードでは遺体置き場も足りないため、アイススケート場を遺体安置所にしています。

 何より辛いのは、医療設備さえあれば救える命を、見捨てなければならないことです」

 本誌記者にこう語るアナ・ヒメネ医師は、普段は小児科医をしている。しかし今は非常事態だ。ヒメネ氏は、新型コロナの対応に忙殺されている。

 病院では患者を寝かせるベッドも足りず、あぶれた患者は椅子に座らされている。今やその椅子さえ足りなくなってきており、通路にも10人以上の患者が横たわっている。

 「人工呼吸器の数も限られるため、重症の患者が運ばれてくると、誰を助けるか決断しないといけません。スペイン政府のガイドラインでは、回復する可能性が高い若者を優先的に治療することになっています。

 もし持病がある人や、高齢者が運ばれてきても、治療もできず、見殺しにするしかないのが現実です」(ヒメネ氏)

 スペインでは4月1日時点で新型コロナの感染者数が10万人を超え、死者数も9000人を超えた。24時間以内の死者数も864人で過去最多を更新している。

 新型コロナの感染爆発が起き、医療体制が崩壊したスペインやイタリアでは今、現場医師たちが過酷な状況に立たされている。医師にとってもっとも辛い「命の選別」を迫られているのだ。 まず東京から始まる
 
 医療機器の数が足りなければ、すべての患者を助けることはできない。そうした状況では、少しでも助かりそうな人を優先的に治療していくことになる。

 誰を助け、誰を見捨てるのかを判断し、優先順位をつけていく。非常事態における医療現場でのこうした判断は「トリアージ」と呼ばれる。

 '95年の阪神・淡路大震災でこの言葉を知った人も多いだろう。最近では、'11年の東日本大震災や'16年の熊本地震でもトリアージが実践された。済生会熊本病院循環器内科部長の坂本知浩氏が、熊本地震の時の体験を語る。

 「地震が発生したのが夜9時半ごろで、私の勤務する病院に患者が運び込まれてきたのは、1時間~1時間半経った頃でした。

 救急車や自家用車で次々に患者さんがやってきたので、病院の玄関先で、今すぐ治療が必要な人と、すぐに治療しなくていい人を分けました。

 その後、病院の中で患者さんの血液中の酸素の濃度をはかったり、意識レベルを見たりして、優先度をつけて治療をしていきました。診察は、朝5時まで続きました」

 ケガ人が続出する災害時は、なるべく多くの人を救うために、やむにやまれず「命の選別」が行われる。

 しかし、新型コロナの場合、事態はより深刻だ。

 「地震などの災害であれば、病院に来る患者はだんだん減っていくものです。ところが新型コロナのような感染症の場合、患者が増え続けて、限られた設備や人員のなかで医療現場はどんどん疲弊していってしまう」(ごとう内科クリニック院長・後藤浩之氏)

 冒頭で見たスペインのほか、イタリアやフランスではすでに、新型コロナの脅威によって、「命の選別」が行われている。

 パリにあるサン・タントワーヌ病院の集中治療室長、ベルトラン・ギデ氏はこう語っている。

 「われわれは戦争状態にある。戦場では、手の施しようがないと判断された重度の負傷者は治療しない」

 現場医師は戦場のような病院で、自分の身を危険にさらしながら命の選別をし続ける。同様の事態が日本で起こらないとは言い切れない。

 東京都の場合、新型コロナを受け入れる感染症指定医療機関の受け入れ可能患者数は140人だ。ところが、入院中の感染者数は4月1日の時点で531人にものぼる。あふれた分は、民間病院が引き受けている。

 現時点では民間も含め、新型コロナの患者のために確保できているのはたったの620床で、パンクするのは時間の問題だ。

 感染者の増加に対応し、東京都は病床数を計4000床まで増やす予定だ。ところが、国の試算による入院患者の予測数は、東京ではピーク時で一日2万500人にものぼる。

 もし国の試算通りに新型コロナの感染が拡大すれば、まず東京都内から「命の選別」が始まるだろう。

  地方では、感染症に対応できる病院が少ないため、用意できるベッド数が限られている。静岡県では4月1日時点で、13人が感染しただけで、新型コロナウイルスに対応できる病床がすべて埋まってしまった
人工心肺装置も足りない
 
 足りないのはベッドだけではない。深刻なのは、重症者の治療に欠かせない人工呼吸器と人工心肺装置の不足だ。前出の坂本氏が語る。

 「日本臨床工学技士会の調べでは人工呼吸器は日本全国で約2万8000台ある。またECMO(エクモ=体外式膜型人工肺)は約1400台です。今後、感染者が増えれば、圧倒的に足りなくなる可能性が高いのです」

 ECMOというのは肺機能が低下した患者の血液に酸素を送る装置で、亡くなった志村けんさんも装着していた。人工呼吸器でも救命が難しい重症患者に使われ、新型コロナ治療の「最後の切り札」とされている。

 ただ、東京にはECMOは約200台しかない。しかも、ECMOを用いた治療には専門の医師と看護師、臨床工学技士が必要で、そうした人材の確保も極めて難しい。

 そのうえ、今あるECMOをすべて新型コロナ感染者のために使えるわけではない。

 「これらの機器は、ふだんは重症の細菌性肺炎や間質性肺炎、重症の心不全や心筋梗塞など緊急性を要する病気の患者さんに使っています」(坂本氏)

 新型コロナ患者を救うためにECMOを使えば、今度は別の病気の患者が犠牲になってしまう可能性があるのだ。

 坂本氏は続ける。

 「患者数の増え方から分析すると、いまの東京は感染が爆発的に増え、ロックダウンとなる前のニューヨークと似た状況です。東京でも、ここから感染者が急増することも視野に入れるべきです」

 ニューヨーク市の新型コロナ感染者数は3月末に3万6000人を突破している。東京も、感染爆発となって医療崩壊が起きるかどうかの瀬戸際にいる。

 命を選別せざるを得なくなったとき、日本の医師は大きな決断を迫られる。「誰を助け、誰を見捨てるか」という明確な判断基準がないからだ。

 「イタリアでは『60歳以上は、人工呼吸器をつけない』というシンプルな基準を設けた地域もありました。非情にも思えますが、無いものは無いため、どうしようもないのです」(前出・森兼氏)

 目の前の患者を救うという、医者として当たり前のことができない。その苦悩のなかで医者たちに残された選択肢は少ない。致死率の高い持病持ちの60代・70代は後回しに。そう自分を納得させるしかないだろう。

 中国疾病対策予防センターのデータによると、感染者全体の致死率は2・3%だが、不整脈など心臓や血管に疾患がある人は10・5%と約5倍も致死率が高くなっているのだ。糖尿病、喘息、高血圧などの持病がある場合も、致死率は高まる。

 持病がある60代以上の人は、人工呼吸器を使っても助かる見込みが低い。ならば助かる可能性が高い若者を優先することを、誰も咎められない。

 頭ではそうわかっていても、それで現場医師の苦しみが小さくなるわけではない。

 「もともと医師は患者を治すという使命感に燃えて仕事をしています。医療崩壊さえ起きなければ助けられた命でも、治療をしないことを自分で選択しないとならない。このプレッシャーとストレスは体験した者しかわかりません」(前出・坂本氏)

 さらに「訴訟リスク」も懸念されている。

 「なぜ自分の家族は見捨てられなければならないのか」「なぜあの人は治療を受けられてこの人は受けられないのか」。患者側は当然、こうしたやりきれない思いを抱く。

 「重症患者が爆発的に増えれば、現場医師は最悪1~2分で誰を助けるかを判断しなければなりません」(帝京大学大学院公衆衛生学研究科教授・高橋謙造氏)

 責任も曖昧なまま患者が亡くなれば、残された家族から訴えられるリスクもあるのだ。

 医療崩壊が起きれば、「命の選別」は避けられない。そうした状況にしないために、今、何が出来るのか。

 「少し不安だからといった軽い気持ちで検査を受けに病院に行く。そうした行動が、医療崩壊の引き金となります。イタリアでも軽症の人が病院に殺到して医療資源が枯渇し、医療崩壊を起こしました」(前出・上氏)

 いつ自分が命を救う側から命を選ぶ側になるのか。そう悩む医者たちの前に、今日も多くの患者が列をなしている。

 発売中の『週刊現代』ではこのほかにも『ワイドショーで解説する医者・専門家を見て思っていること もっともらしい正論への違和感』『院内感染 本当のところ 永寿総合病院のいま』『PCR検査は命がけ 医者と看護師の「うつされる」恐怖』などの内容で、新型コロナについて特集している。

  「週刊現代」2020年4月11・18日合併号より





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IOCやNBCにナメられる日本人…東京五輪があぶり出す「NOと言えない国

2021年07月05日 13時00分00秒 | 社会のことなど


 彼らは喉元過ぎれば何とやらとタカをくくっているのではないか。

  15日、IOC(国際オリンピック委員会)のコーツ副会長が来日。大会組織委員会などと開催に向けた最終調整にあたり、五輪閉幕まで日本に滞在する。


 コーツ副会長は日本が新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言下でも、五輪開催について「答えはイエスだ。我々が示している対策を実行すれば安全安心な開催はできる」と発言して波紋を呼んだ張本人だ。 

 バッハ会長も「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」とコメントしている。  

14日にはIOC最大のスポンサーで、総額1兆円超という巨額な放映権料を支払っている米NBCユニバーサルのジェフ・シェルCEOが、イベントでこう発言したという。 

■「問題を忘れて楽しむ」 「私は(2012年のロンドン五輪のとき)ロンドンに住んでいたが、人々は交通問題に不安を抱えていたし、前回(リオ五輪)はジカ熱の問題があった。だが、開会式が始まると、すべての人々がその問題を忘れて17日間を楽しんだ。今回も同じようになる」 

 何が何でも五輪を開催するというIOC幹部たちの発言はいかにも傲慢だし、NBC幹部の発言にしてもコロナ禍で深刻な日本の国民感情をないがしろにしたものだ。 

 これまで散々、五輪の危険性を指摘してきたテレビや新聞などのメディアも、彼らにかみつくどころか、いまや「五輪モード」に突入。15日のテレビは早朝、来日したコーツ副会長がカメラに向かってにこやかに手を振るシーンをタレ流していた。 

「要するに日本人はナメられているのですよ」と、作家の吉川潮氏がアキレ顔でこう言った。

 ■手のひら返しのマスコミ 

「いまはコロナで大騒ぎしているが、いざ、五輪が始まればメダルだ、すごいと熱狂する。熱しやすく冷めやすい日本人の特性を知っているからこそ、彼らは言いたい放題なのではないか。コロナ禍は命にかかわる問題です。米テレビ局幹部の発言はもちろん聞き捨てならないし、

冗談じゃないと思う一方で、悔しいかな、実際問題、彼の言う通りになる気がして仕方がない。現に世論をリードするマスコミが顕著じゃないですか。五輪中止を訴えてきたのが、手のひら返しで五輪を迎える論調に変わりつつある。

五輪が始まればテレビはメダルを獲得した選手の家族をインタビューしてよくやったと騒ぐでしょうし、新聞の1面のコロナの感染者数はメダルの獲得数に変わるんじゃないでしょうか」 

 いや、ナメられ、ばかにされているのは日本政府や五輪組織委員会も一緒だ。

言いなりにならず、もっと要求していい」


ぼったくり男爵の言いなりで、「NO」と言えない日本(橋本聖子組織委会長=右)/(C)ロイター

 発売中の月刊「文芸春秋」がバッハ会長を「ぼったくり男爵」と表現したワシントン・ポスト紙のコラムニストであるサリー・ジェンキンス氏の記事を掲載。「IOC貴族に日本は搾取されている」と題した原稿の中で、氏は「日本政府がIOC側にプレッシャーをかければいい」「譲歩を求めてもまったくおかしくありません」と言及。 

特に医療コストの負担はIOCに求めていいと思います。ハイジャック犯たちに、『東京五輪では、他国から入国する五輪関係者の治療に対する責任を負わない』と主張する権利があると思います。医療責任を負うべきは、東京ではなく、バッハ氏やコーツ氏なのです」「日本は言いなりにならず、もっと要求していいのです」と指摘している。 

 まったくだ。米紙コラムニストのビリー・デービス氏も、「コロナ禍で我々、一般家庭がそれなりの金額の給付金を手にしているとき、日本では安倍前首相がマスクを配って悦に入っていた。アメリカでそんなことをしたら暴動が起きるなって友人と笑ってたんです。

オリンピック、野球やサッカーなどの国際大会になると異常なほど興奮して大騒ぎするくせに、肝心なときにノーと言えない、おかしなことをおかしいと言えない不思議な人たちだとね」と話す。


  東京五輪は図らずも日本人の特性をあぶり出すことになりそうだ。



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セルビア選手団の感染判明で…「感染列島」「日本列島は病院船」など恐怖の声続々

2021年07月05日 12時45分31秒 | 社会のことなど
【東京五輪】セルビア選手団の感染判明で…「感染列島」「日本列島は病院船」など恐怖の声続々

東京五輪に参加するため来日したセルビア代表選手団に感染が判明し、国民からは恐怖の声が続々と上がっている。 

東京五輪に向けて3日に羽田空港に到着したセルビア代表選手団5人のうち、30代の選手1人が空港での検査で新型コロナウイルス陽性と確認された。陽性の選手は療養施設に移動し、残り4人も濃厚接触者の可能性があるため待機施設に移動した。 

 選手団はボート代表で事前合宿地の富山県南砺市に向かう予定だったが、合宿は中止になる見込みとなった。  

2人の感染者を出したウガンダに続く来日選手団の感染発覚に、国民の間には大きな動揺が広がっている。

  ネット上では「ウガンダに続き、セルビア選手のコロナ感染判明、どこまで続くのか。まだまだ外国人の感染者から日本国内に広がる変異デルタ株。甘い水際対策、検疫体制では乗り切れない! 


〝感染列島〟にするつもりか」「日本列島は病院船に…」「何を安心できて、何が安全なのだろう」と〝ウイルスの祭典〟を恐れる声が次々と上がった。

  また「国民は引き続き、強い自粛制限で対応すれば大丈夫です。飲食店関連業者も倒産覚悟で五輪を応援しましょう」と皮肉る意見も。

国民には我慢を強いているにも関わらず、五輪関係者には数々の特権を認める政府や大会組織委員会の姿勢に怒りが湧き起こっている。  

海外からの感染者が続出、このまま「感染列島」となってしまうのか。小説の世界の恐怖が現実のものとなりつつある。


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