goo blog サービス終了のお知らせ 

ニュースなはなし

気になるニュースをとりあげます

【生命の起源】地球の生命誕生、雷が「火付け役」か 米英研究

2025年07月28日 22時00分13秒 | 科学のはなし
 
地球の生命誕生、雷が「火付け役」か 米英研究

【AFP=時事】原始の地球に十分な量のリンをもたらし、生命の誕生を後押ししたのは雷だったのかもしれない──。

 このほど発表された研究論文で、生命の誕生に対する従来説とは異なる説明が示された。

 リンは、細胞構造やDNAとRNAの二重らせん構造などを形作る、生命にとって極めて重要な構成要素だ。

 数十億年前の原始地球では、リンの大半は不溶性の鉱物中に閉じ込められていた。

 だが、鉱物の一種「シュライバーサイト」は反応性が高く、有機分子を形成可能なリンを生成する。

 地球にあるシュライバーサイトの大半は隕石(いんせき)に由来しているため、地球上での生命誕生は地球外の岩石の飛来に関係していると長年考えられてきた。

(以下略、続きはソースでご確認下さい)

 AFP=時事 3/23(火) 10:33 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なぜ人類は〈神〉を生み出したのか? 

2025年07月20日 03時01分03秒 | 科学のはなし
 
なぜ人類は〈神〉という概念を生み出したのか? 著者は認知科学、考古学、歴史学などの最新知見を踏まえて、その難問に挑んだ。

  考察の出発点には、進化心理学が唱える「心の理論」が据えられている。それは人類が進化の過程で獲得した、人やモノ、出来事の背後にある意図や動機を推察する能力だ。
神のイメージ
 
 『人類はなぜ〈神〉を生み出したのか?』(レザー・アスラン 著/白須英子 訳)文藝春秋
 なぜ人類は〈神〉という概念を生み出したのか? 著者は認知科学、考古学、歴史学などの最新知見を踏まえて、その難問に挑んだ。
 考察の出発点には、進化心理学が唱える「心の理論」が据えられている。それは人類が進化の過程で獲得した、人やモノ、出来事の背後にある意図や動機を推察する能力だ。
米国のクリスチャンが描く神のイメージ
 
「人類は宗教的衝動を持つことで子孫を残すのに何かしらの優位性を得たはずだ、という前提に立って、学者たちは200年以上に亘って、宗教の起源を探ってきました。しかし、認知科学者、進化生物学者は、宗教的衝動は子孫を残すのに何らの優位性ももたらさないどころか、資源とエネルギーを浪費するので不利に働く、という結論に達しました。ゆえに多くの専門家は、宗教的衝動は人類が進化の過程で得た『心の理論』などの能力から偶然生まれた副産物であるとするのがベストの仮説だと考えています」
 
 
「心の理論」がもたらす能力によって、人類は天変地異、巨木、巨石、森で出遭う動物など身の回りのありとあらゆるものの背後に意図や動機を感じ取り、それらを擬人化する。それらが自分たちの集団に恩恵や災厄をもたらすものだと認識され、共有されれば、崇拝や畏怖の対象となっていく。〈精霊〉が生まれ、やがては〈神〉が出現することになるだろう。
 
 
 本書は定住と農業と宗教の関係についても驚きの考察を展開する。
「長い間、定住は農業を始めたことの結果だと考えられてきました。人類は穀物を育てる必要があるから定住したと。しかし、その説はまったくの誤りであることがわかりました。その強力な証拠は、農業革命よりも数千年前から存在していた大規模な定住遺跡です。トルコ南東部で発掘されたギョベクリ・テペのような神殿遺跡は、人類が宗教的理由から定住を始めたことを示唆しています。定住の結果として、人類は農耕と牧畜を始めたと考えられるのです」
 
 
 レザー・アスランさん
 定住革命以後、〈神〉の概念に革命をもたらしたのは、ユダヤ民族の離散である。その歴史的経験から〈一神教(モノセイズム)〉が生まれた。一神教の〈神〉は唯一の神であり、善と悪、愛と憎しみ、創造と破壊など擬人化された神が担っていた相反する概念をすべて引き受けるため大きな矛盾を抱えることになり、非人格化されていった。かくして〈一神教〉の世界は、偶像崇拝と偶像破壊、擬人化され親しみやすい〈神〉と非人格化され親しみにくい〈神〉の間で揺れ動くことになった。この葛藤を見事に調停したのが、キリスト教だと著者は語る。
 
「キリスト教が世界史において最も広がり、成功した宗教となりえた理由がここにあります。キリスト教は〈神とは何か〉という問いに最もシンプルで多くの人を納得させる方法で答えました。〈神とは完全な人間である〉と。それは心に響く答えであるだけでなく、元来、人類の脳に組み込まれている思考法なのです。私たちは無意識のうちに人間に引き寄せて神を考えるように仕向けられています。つまり、擬人化された神を唯一の〈神〉として心に思い描くように」
 
 今、世界では宗教を持たない人々が増える一方、宗教紛争も絶えない。人類と宗教の関係は今後どうなっていくのだろうか。
「確かに人類は宗教に関心を寄せなくなっています。しかし、それは宗教を通して自分が何者であるかを確かめなくなっただけで、〈スピリチュアリティ〉と言われるものへの関心は高まっています。人類はやはり〈宗教的動物(ホモ・レリギオスス)〉なのです」
 
Reza Aslan/1972年、テヘラン生まれ。カリフォルニア大学リバーサイド校創作学科終身在職教授。イラン革命時に米国に亡命。カリフォルニア大学で宗教社会学の博士号を取得。著書に『イエス・キリストは実在したのか?』など。
 
 
05102021
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タイムトラベルって、結局できそう?

2025年07月15日 10時03分47秒 | 科学のはなし
 
よくSF映画に出てくる、あのタイムトラベルです。
 
21世紀に突入してもうしばらく経ちましたが、まだ実現のメドは立っていません。べつに恐竜をひやかしたり、第二次世界大戦を未然に阻止するために過去へ行きたいわけじゃないんです。数週間前の自分にアホなことをしでかさないよう説教してくるだけで充分。それか、次の何ヶ月間か、何年間かを瞬時にやり過ごして、コロナから完全に解放された輝かしい時代にワープできたらいいのに。
 
もちろん今はそんなことできません。でも、いつかできるようになるんでしょうか?
遠い未来への行き方はふたつある
 
Natasha Hurley-Walker(カーティン大学国際電波天文学研究所上級講師)
まずはじめに、当たり前のことを指摘しておきますね。タイムトラベルはすでに可能です。私たちは皆、時間の流れに飲みこまれて容赦なく未来へ、未来へと旅しているのですから。
 
 
人やモノは、空間においては全方向に自由に移動できますが、時間の流れは常に一方向です。これらの違いがあるにしろ、空間と時間はどちらも「時空」という、かのアインシュタインが100年以上も前に「特殊相対性理論」において打ち出した4次元上のコンセプトと密接に関わっています。
 
特殊相対性理論によれば、あなたが空間を移動するスピードが速ければ速いほど、あなたの時間と静止している観察者の時間との間に誤差が生じます。これがあの「双子のパラドックス」ですね。双子のかたわれが地球に残り、もう一人が光速に近い猛スピードで宇宙旅行に出かけたとします。旅する双子が地球に帰還した時、彼女の時計は地球でお留守番していた双子の時計よりも進んでいないことになります。もし遠い未来へ行って地球の行く末を確認したいのなら、めちゃくちゃ速い宇宙船を開発して地球を一旦離れ、戻ってくればいいだけの話です。
 
 
アインシュタインの更なる洞察は、重力が力ではなく、物質による時空のゆがみであると「一般相対性理論」において数学的に導き出したことでした。この理論を極限にまで再現したのが映画『インターステラー』です。物理学的なことはおおむね正しく反映されていて、映画の主人公たちは長きにわたって重力のるつぼにハマっていたために、時間の経過がほかの人よりも遅くなってしまった、という筋書きになっていましたよね。
 
(唯一『インターステラー』に物申したい点は、映画に出てくる科学者たちが几帳面に数式を解いていくよりもヒラメキだの勘だのと直感的な要因から行動したがるところです。あと、1時間ぐらい長すぎたかな。)ですから、遠い未来へ旅するもうひとつの方法として、とんでもない質量を持った物体のそばでちょっと時間を潰せばいいということになります。たとえば、ブラックホールなど。もちろん、これを成し遂げるためには
 
1) ほかの天体と融合しつつあるブラックホールには近寄らないこと(致死量のガンマ線を浴びたくないかぎりは)、
 
2) 自分が生きている間にブラックホールに到達し、そこから地球に帰ってくること、
 
3) ブラックホールの潮汐力に引きちぎられないよう、慎重に軌道を選ぶこと、
 
この3点が重要になってきますね。言うのは簡単、やるのはそう簡単ではないかもしれません。
 
 
ここまでは、冒険心あふれる旅人が二度と会えない友人や家族を地球に残し、たった一人で遠い未来へと旅立つことを想定してきました。ですが、わたしたちが通常タイムトラベルに望んでいるのは時間の中を自由に進んだり、戻ったりすることですよね。相対性理論はここでは役に立ってくれません。時間をさかのぼるということは、光の速さよりもさらに速いスピードで移動することを意味し、その時点であなたの質量は無限大になり爆発してしまうでしょうから(洞察をありがとう、アインシュタイン)。
 
さらに、時間を逆戻りする行為は熱力学の第2法則に反しますから、ありとあらゆる時間のパラドックスに悩まされ、そのパラドックスのせいでひどい頭痛にも悩まされることでしょう。
しかし、物理学というものはそもそも私たちの頭に苦痛を与えることを得意としていますから、そんな頭痛を乗り越えて、ワームホールをくぐり抜けさえすれば光が時間をさかのぼることが理論的に可能になると導き出した勇猛な同僚たちもいることはいます。
 
個人的には、人間原理に基づいて、こんなことを思うんです。「もしタイムトラベルが可能だったら、すでにタイムトラベルしてきている人がいるはずではないのか?」ってね。タイムトラベルが可能になるかどうかファイナルアンサーが欲しいなら、世間がもうちょっと理論物理学の研究にも資金を投じてくれたらうれしいなって思うのですけれど。
 
 
タイムトラベルに関する量子力学的な考察
 
Seth Lloyd(マサチューセッツ工科大学機械工学・物理学教授)
本当のところ答えはまだ誰にもわかりません。しかし前置きとして、タイムトラベルは物理学の法則とつじつまが合いますし、アインシュタインの一般相対性理論とも矛盾していないことをまずお伝えしておきます。
 
2008年に、当時取り組んでいた量子コンピューティングの研究がヒントとなり、私はあることに気づきました。量子テレポーテーション、そしてブラックホールに関する量子論を組み合わせれば、量子タイムトラベルが可能になるのではないかと。
 
量子力学をやっている人は、もしブラックホールに吸い込まれたとしてもボロボロになりつつなんとか脱出する方法はあると考えます。もちろん試してみることはおすすめしませんし、私だってそんなことにチャレンジする最初の人類になりたくありませんから、確かめようがありません。ただ、もしも仮にブラックホールから脱出できるとしたら、その時の速度は光速を超えていることになります。そしてアインシュタインの特殊相対性理論によると、光速よりも速く移動できれば過去に信号を送ることが可能になるのです。
 
 
万人にその信憑性を認められている相対性理論がタイムトラベルは可能だとしていること、そしてその相対性理論に量子力学的な考察を交えてもなおタイムトラベルが肯定されることから、やはりタイムトラベルは理論的に可能なのではないかということになります。そして物理学の世界においては、もしなにかが理論上可能であれば、それは必ず実行することが可能なのです。
 
そこで、実際に量子テレポーテーションの実験をラボで行いました。実験の目的は、光の粒である光子を10数億分の1秒だけ過去に送ることです。実験を通じて、タイムトラベルに関するいくつかのパラドックスについても考察したかったのです。たとえば「祖父殺しのパラドックス」。もし過去に戻った旅行者が誤って(もしくは故意に)自らの祖父を殺めてしまったら、自分は生まれなかったことになり、過去にも戻れなかったことになります。しかし、そもそも過去に戻っていなければ祖父を殺すことはできなかったことになりますよね。この矛盾を解明するために、我々の実験でも光子に過去の自分を殺してもらわなければなりませんでした。
 
実験はこのようなかんじでした。光子がタイムマシンに乗り込んだら、ドアを閉めます。もしタイムマシンの赤いライトが消灯したら、光子が時間を逆行して過去に戻ったことを意味しているので、一体どのようなことになったのか確かめることができます。ところが、実験は成功しませんでした。何度試してみても、光子が過去の自分を殺すことはできなかったのです。
 
お察しの通り、この研究はメディアに大変注目されました。そしてそれ以来、大体月に一回ぐらいは誰かしらから「ロイド教授へ。私は時間に閉じ込められたタイムトラベラーです。助けてください。あなたはタイムマシンを持っているそうですね。それを使って私を自分の時間に戻してくれませんか?」という趣旨のメールを受け取るようになりました。
 
いただいたお便りの中でも、いくつかはとりわけ切実でした。あるイタリア人の女性は、何通もの手紙の中でいかに時間をさかのぼって過去に戻り、彼女の妹が交通事故で亡くなる前に車に乗るなと警告したいのだと訴えてきたのです。なんと悲しいことでしょう。彼女には残念ながらそれはできないと──もし過去に戻ることができたとしても、過去を変えることはできないのだと説明するしかありませんでした。
 
未来へは行けるけど、過去へは戻れない(たぶん)
Paul Sutter(ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校天体物理学研究教授)
 
通常私たちが言うタイムトラベルには、未来へ先送りされるものと過去へ舞い戻るものの2種類があります。
 
未来へ行くには、単に超超超高速で移動すればいいだけの話です。充分な大きさのロケットを開発して、光速に近いスピードまで加速できたなら、未来へポンと飛ぶことは可能でしょう。しかし、そんなに大きなロケットは私たちの時代には作れませんし、もしかしたら私たちの子孫たちにも無理かもしれません。でもまあ、理論的には可能ってことですね。
 
対して、過去へ戻るタイムトラベルのほうはちょっと厄介です。多くの人が未来よりも過去に戻ることに興味を持っているので、残念なんですが。だれかが過去へ戻る賢い方法を思いつくたびに、その方法をいとも簡単に否定する物理学の法則が必ず現れます。しかも、毎回違う法則が立ちはだかります。タイムトラベルできない理由が一つの法則に統合されているわけではないのですが、過去へのタイムトラベルはどうしても無理なんです。そしてなぜ無理なのかもよくわかっていないんです。
 
 
たとえばです、こんなタイムトラベル装置を作ったとしましょう。無限の長さを持った円筒が縦軸の方向にほぼ光速で回転しているため、時間がループする領域ができてタイムトラベルが可能になるという、いわゆる「ティプラーマシン」と呼ばれるものです。しかし、残念ながら私たちの宇宙には無限の長さを持った円筒なんて存在しませんから、ティプラーマシンは現実的にはアウトです。
 
またはワームホールを作ってみたとしましょう。ワームホールをくぐり抜ければ過去に戻ることができますが、それにはマイナスの質量を持った物質が必要になってきます。そんなもの、今のところ見つかっていませんよね。
 
こういった様々な現実が邪魔してきて、今のところ過去へのタイムトラベルが可能になる見通しは立っていません。たぶん、可能ではないのでしょうが、「できる」または「できない」と断定的に答えることは現在の物理学の領域を超えています。
 
 
時が流れるスピードは一律ではない
 
Thomas Wong(クレイトン大学物理学助教)
ここでは「時間の流れ」という概念が非常に重要になってきます。というのも、時間は流れるという性質において空間とは大きく異なるからです。空間の中だったら前にも進まず、後にも下がらずじっとしていることは可能です。しかし、時間の中でじっととどまっていることは不可能で、常に前へ前へと進んでいかなければなりません。
 
 
アインシュタインの相対性理論によれば、あなたが観察者Aに相対して移動している場合、またはあなたとAが異なる重力下に身を置いている場合、あなたとAの時間は異なる速さで経過します。不思議に思えるかもしれませんが、私たちの宇宙の仕組みを説明できるもっとも確立された理論のひとつです。
 
たとえば、GPSシステムはこの時間差を考慮しないと正しく動作しません。GPS衛星には原子時計が搭載されているのですが、地上から遠く離れているので地球の重力の影響が弱くなり、結果的に地上の原子時計とは時の進み方が変わってきます。この時間差を考慮しなければ、GPSシステムはうまく行きません。位置情報にズレが生じてしまいます。
 
もうひとつの例として、1970年代に行われたある有名な実験があります。科学者たちは2機のジェット飛行機に同じ時間を示している原子時計を乗せて、そのうち1機は東回り、もう1機は西回りで地球を一周させました。一周したところで地上の原子時計と時間を比べてみた結果、やはりそれぞれの原子時計には相対性理論によって予測されたとおりの誤差が生じていました。
 
 
もっと極端な例では、たとえばブラックホールのような巨大な重力を持った天体のそばに行って帰ってくるだけで、地球にずっといた人が40も歳をとっていた間にたった数時間しか歳をとらなかったことになります。
 
 
地球で暮らしていても、もし高層ビルのてっぺんあたりに住んでいたら、あなたの時計は地上で暮らしている人や地下で働いている人と比べて進みがちょっとだけ早いかもしれません。もちろん、一生涯のうちほんの1秒の数分の数分の数分の1にも満たないような差ではありますが。このようなことから、時間がほかの人と異なる速さで経過していることもまたタイムトラベルと言えるのではないでしょうか。
 
タイムマシンは理論的に不可能じゃない。でも、18世紀には帰れません
 
Gary Horowitz(カリフォルニア大学サンタバーバラ校物理学教授)
 
現在私たちが理解している範囲での物理学の知識と照らし合わせてみると、タイムトラベルは意外なほどに否定しづらいものです。時間と空間の関係について考察しているもっともよく知られた理論といえばアインシュタインの一般相対性理論ですが、アインシュタインの数式には現在から過去へさかのぼれることを意味する解もいくつか見つかっています。
 
 
相対性理論に量子力学の知見を加味すると、さらにややこしいことになります。おそらく、物理学者のほとんどは、タイムマシンの存在を信じていないでしょう。過去にはタイムマシンを作ろうとした試みもたくさんありましたが、どうしても不安定になり、崩壊を免れませんでした。どれもこれも有効なタイムマシンではなかったのです。それでも、タイムマシンを作ることはできないという証拠もまだ存在していません。ですから、可能ではあるんです。
 
 
ところで、仮にタイムマシンを作れたとして、それに乗って18世紀まで戻れるわけではないですよ。私の言うタイムマシンとは、「今」よりも過去に存在しているけど、同時にタイムマシンが作動してからよりも未来に存在している時点に移動できる装置のことをいいます。物理学では、どんな装置でも必ず未来にしか影響を及ぼせないのです。
 
 
時空ループがなんの制約もない過去へと連れていってくれるはず
 
Fabio Costa(クイーンズランド大学物理学主任教授)
タイムトラベル?できますよ!たとえば今あなたが読んでいるこの記事も一種のタイムマシンです。これを読むことにより、あなたは5分かそこら先の未来へ連れていかれるわけですから。
 
冗談抜きで、あなたが本当に体験したいのは未来、または過去へひとっ飛びすることですよね。未来の場合は、はい、もちろんできます!でも、まず忘れてほしいのはよく映画に出てくる類のタイムトラベル。誰か、または何かがとつぜん姿を消したと思ったら別の時間の別の場所へパッと姿を現すあれです。あれはテレポーテーションといってまったくの別問題なので、ここでは考慮しないことにします。
 
 
さて、未来へ行くには、とても速く移動するか、とても大きな質量を持った物のそばまで行くかのどちらかです。相対性理論によれば、非常にはやい速度で移動している、または非常に深い重力ポテンシャルに影響されている物体には時間の経過が遅くなると言われています。もしあなたがそのような宇宙旅行を経験していたら、あなたや同じ宇宙船の同乗者には時間はふつうに過ぎていくように感じられます。ところが地球に戻ってみると、時間はほかの人たちにはもっと速く過ぎていっていたことがわかるでしょう。
 
あなたにとってみたら1年間だった旅行を終えて地球に戻ると、あなたの友達はみな20歳も歳をとってしまっている。要するに、あなたは19年先の未来へ旅したことになります。
 
このことはすでに多くの実験から立証されていますし、ジェット機に載せた原子時計で実際誤差が確認されています。わずかな誤差とはいえ、衛星に搭載された原子時計が狂ってしまうほど顕著なので、その誤差を調整しなければあなたのスマートフォンのGPSも機能しなくなります。ここでいう誤差はマイクロ秒レベルです。もっと実際に意味のある誤差が生まれるには、光速に近いスピードで移動する必要が出てきます。ということは、未来へのタイムトラベルの可能性は、恒星間航行の可能性とも密接に関係してくるわけですね。
 
さて、では過去へのタイムトラベルはどうなんでしょうか?まだはっきりとした答えはないんですが、アインシュタインの重力に関する一般相対性理論にはいくらか可能性の余地がありそうです。いわく、空間と時間は曲げることができて、あんまり曲がるので360度回転して自分自身に覆いかぶさることができるそうなのです。そんなに曲がった時空を実際作り出せるかどうかは別として、もしそこに到達できたとしたら、ある地点からスタートして元の場所に戻ってこれるだけでなく、元の時間にも戻ってこれるわけです!
 
 
しかし、もしこんなことを本当にできたとしたら、いろんなパラドックスが起こりやしないか心配じゃないですか?過去に戻ってタイムマシンを破壊したらどうなるのでしょう?すると、そもそもタイムトラベルができなかったことになりますが、タイムマシンを壊すこともできなくなりますよね。
 
このようなパラドックスを完全に回避できるかどうかはまだ判定が出ていませんが、純粋に理屈だけで考えてみると、パラドックスに苛まれないタイムトラベルは可能なだけでなく、旅行者が自由に振る舞うことに対してなんの制約も課さないのです。簡単にいえば、旅行者が何をやってもパラドックスは生まれない、ということです。もし過去へタイムトラベルできたのなら、結局はタイムマシンを破壊していなかったことになるのですから。
 
 
もし過去に戻ることが本当に可能なら、未来から来た旅行者たちはどこにいるの?と不思議に思うかもしれません。実は、過去にさかのぼれる限度は最初のタイムマシンが作られた時までと理論的に導き出せます。ですから、2021年以前の過去へは戻れなさそうですね。でも、もしいつかタイムトラベルが本当にできるようになったら、もう会議に遅刻しなくても済みそうですね!
 
 
時間的指向性に逆らったら、それ相応のコストがかかるかも
 
Francesca Vidotto(ウェスタン大学応用数学助教)
 
ある意味、タイムトラベルの可能性はアインシュタインの相対性理論によってよく理解されており、もはや議論の余地はありません。
 
 
ふたつのまったく同一の時計があったとして、ひとつは地球上に残して、もうひとつは宇宙飛行士が宇宙へ持っていったとします。宇宙飛行士は時計とともに光速で移動する宇宙船に乗り込みます。そしてそのまま木星、またはブラックホールなど、非常に大きな重力を持つ天体のそばまで移動します。宇宙飛行士にとって時計の動きに変化はなく、相変わらず同じように時を刻んでいるように感じられます。しかし、その宇宙飛行士が地球に戻ってきたとき、地球の人々は彼よりもずっと歳をとっていて、時計の進み具合が違ったことに気付くのです。
 
このシナリオはテクノロジー次第です。もし光速移動に相応する出力が可能な宇宙船をつくることができたなら、誰かがそれに乗って旅をすれば上記のようなことを実際に体験できます。今現在、私たちの生活の中でもこの原理は息づいていて、たとえばGPSシステムを支える衛星と地球とでは原子時計の進み方が違います。その誤差を調整しない限りは、GPS機能は正常に動作しません。
 
 
もちろん、「タイムトラベル」というと人々が思い浮かべるのは過去へ戻って何かを変えてくることですね。しかし、残念ながらそれは絶対に不可能です。過去へ戻って何かを変えてしまうのは、時間的指向性を変えるのではなく、壊してしまう行為です。「時間的指向性」とは熱力学に基づいた概念で、物質は熱い状態から冷たい状態へ、整然とした状態から混沌した状態へ、そして不安定な状態から安定の状態へと移っていきます。
 
もちろん、私が皿洗いをすることにより、台所の状態はは無秩序から秩序へと変化しますが、それは私がエネルギーを消費しているからこそ。お皿はきれいになりますけど私は汗をかくハメになり、それ自体は宇宙のほかのどこかで更なる無秩序を作り出すことになるのです。時間的指向性を逆行することは、もしかしたらできるかもしれません。でも、一体どんなコストがかかってくるのでしょうか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地方出身の研究者が、ノーベル賞を続々と受賞する「意外すぎるワケ」

2025年07月12日 10時03分53秒 | 科学のはなし
 
 
 
 
 想像もつかないような「ド田舎」で育った研究者が、日本では数多く活躍している。彼らはそこで何を感じながら過ごしていたのだろうか。ノーベル賞受賞者をはじめとする、天才たちの故郷を訪ねた。
 【写真】「底辺校」出身の田舎者が、東大に入って絶望した理由
 

たったひとりのライバル

Photo by gettyimages
 愛媛県・松山空港から続く高速道路を三島川之江インターで降りると、徐々に道沿いの緑が増えてくる。そのまま銅山川の流れに沿うように曲がりくねった山道を登ること約18km、かつて新宮村と呼ばれていた小さな集落が姿を見せる。  
 
「この地域からは、スポーツ選手や芸能人も出ていません。そんな土地の、しかも旧新宮村なんてド田舎からノーベル賞受賞者が出たとは、未だに信じられません」(60代の男性住人)  
 
 
10月5日、真鍋淑郎氏(90歳)がノーベル物理学賞を受賞し、日本列島は歓喜に包まれた。 
 
地球物理学を専攻し、地球温暖化のメカニズムを解析する研究の基礎を作り上げた真鍋氏は、ここ新宮村(現・四国中央市新宮町)の出身だ。
 
  現在は人口900人ほどだが、真鍋氏が生まれた頃は集落に約3000人が住んでいた。とはいえ、県内でも指折りの過疎地域だったことに変わりはない。
 
  そんな土地からノーベル賞受賞者が生まれるとは、驚くべき快挙だ。だが、これは真鍋氏に限ったことではない。ノーベル賞受賞者をはじめとした「日本を代表する頭脳」は、生活の不便な「ド田舎」から誕生したケースが意外なほど多いのだ。 
 
 果たして、天才が生まれるド田舎とは、どのような土地なのか。 
 
 新宮村には築100年は経っているだろう日本家屋が十数戸集まる集落が点在するが、それ以外は、まったくと言っていいほど何もない。
 
  畑作業をしていた男性(40代)も「旧新宮村にはコンビニも信号も、交差点すらない。ここは本当にド田舎なんですよ」と自嘲気味に語る。 
 
 集落の中でも一番の高台に、真鍋氏の生家はあった。生家の2軒隣に住む女性(80代)が1940年代の村の様子を教えてくれた。 
 
 「産業が農業しかなく、食べていくのもやっとの人たちが多かった村で、真鍋家は村一番の名家でした。淑郎さんのお祖父さんの代から『まなべ医院』という、集落で唯一の病院を営んでいたからです。お父さんもお医者さんでした。  
 
淑郎さんは4人姉弟の末っ子で、お姉さんは徳島の医院に嫁がれた。上のお兄さんはお医者さん、下のお兄さんは税理士になられて、姉弟も皆さん優秀でした」 
 
 真鍋氏が通った小学校の同級生は37人。成績は当然真鍋氏がトップだったのかと思いきや、意外な事実が発覚した。 
 
 実は、真鍋氏のさらに上を行く秀才が存在したのだ。親類で、真鍋家本家の息子である正さん(享年62)である。
 
 地元の熊野神社の宮司である田邊捷さんが語る。  
 
「正さんが同級生の中では勉強も運動も一番だったんです。どれだけ勉強しても正さんに成績で勝てないので、淑郎さんのお母さんは悔しがり『もっと勉強しろ』とはっぱをかけていました」 
 
 正さんは小学校卒業後、少年航空兵となった後、真鍋氏と同じ伊予三島市(当時)にある三島高校へと進学する。
 
  真鍋氏が東京大学理学部に進んだのに対し、正さんは中央大学を選ぶ。卒業後の'64年に中村製作所(現・バンダイナムコゲームス)へと就職した。 
 
 会社では介護器具の営業に携わり、社名が変わり、主力商品がゲームソフトとなってからは営業部長を務めていた。'90年から2年間はナムコ(当時)の社長に上り詰める。狭い田舎の、それも親族から傑出した人材が二人も生まれたのだ。  
 
正さんの大姪である澄代さんが語る。 
 
 「大叔父は淑郎さんをとても意識していたようです。『淑郎は先生の言うことを聞いて覚えられるけど、俺はひたすら書かないと覚えられない。それが悔しかった』と話していました」 
 
 級友のうち中学へ進んだのはわずか2名という状況において、競い合うことのできるライバルがいるのは、淑郎少年にとっても幸運だった。
 
  何もない村でも、そこには互角の才能を持った友がいた。そこで切磋琢磨した経験が、数十年の時を経て、ノーベル賞受賞につながったのだ
 
  さらに、後編の「ノーベル賞を受賞する日本人に、実は「田舎育ち」が多い「驚きの理由」」でも、青色発光ダイオードを発明した中村修二氏や、ノーベル化学賞を受賞した鈴木章氏らの頭脳を育んだ環境をお伝えする。
 
 
以下はリンクで
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地球上の酸素は10億年後に失われ、生命は絶滅する

2025年07月10日 22時02分11秒 | 科学のはなし
【地球科学】地球上の酸素は10億年後に失われ、生命は絶滅する
 
地球上の酸素は10億年後に失われ「生命は絶滅する」と判明/
 
2021/3/12

 未来の地球に酸素はないようです。

 3月1日に『Nature Geoscience』に掲載された論文によれば、10億年後の地球では酸素濃度が現在の1%未満になること。

 どうやら豊富な酸素がある状態は、地球の寿命全体のの20%~30%に過ぎないようです。

 いったい何が原因で、地球から酸素が失われてしまうのでしょうか?


(以下略、続きはソースでご確認下さい)

ナゾロジー 2021.03.02
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする