散日拾遺

日々の雑感、読書記録、自由連想その他いろいろ。
コメント歓迎、ただし仕事関連のお問い合わせには対応していません。

酢卵ますます膨張

2016-11-12 13:14:51 | 日記

2016年11月12日(土)

 48時間ブログを離れると言いつつ、ついつい・・・

  金曜日の朝

 仲良く並んでいた二個の卵がそれぞれ膨張して窮屈になり、とうとうむかって右側の卵の上部がせり出されて空中に出てしまった。二個とも比重は軽くなっているわけだから、考えようによっては一個がせり出したおかげでもう一個が溶液中に深く沈むのでもある。重しをして二個とも沈めようかとも思ったが、空中に出ている部分がどうなるか見てみたい気もあって、このまま放置することにした。

  土曜日の朝

 金曜日と同じ状態だが、パッと見さらに膨張した感じがする。TVで紹介されたレシピでは「一週間放置」だったから、あと一日で完了。明日は仕事なので月曜日のお楽しみである。

Ω


落語のこと

2016-11-12 08:42:57 | 日記

2016年11月12日(土)

 保樹美さま、コメントありがとうございます。

 我孫子では御来聴のうえ、示唆に富んだ御質問をありがとうございました。(確か前回も御質問くださいましたか?)「笑いヨガ」のこと、そうしたものに関心をおもちであることが興味深く、「ウソくさい感じがして」と率直なところをお伝えくださったのも嬉しいこと、さらに「良い笑い/悪い笑い」を突っ込んでくださったのがタイムリーでした。何かと御明敏なと印象に残りましたが、日頃から「落語」をボランティアベースで実践していらしたのですね、諸事一挙に腑に落ちる感じです。

 私も落語は大好きで、講談社文庫から出ている『古典落語』シリーズは高校時代の最・愛読書でした。紺サージに銀ボタンの学生服で、右のポケットにニーチェ、左のポケットに落語というような毎日、そのことを嬉しそうに話したら、高橋祥友先生(筑波大学教授・自殺予防と災害精神医学の大家)には「落語は読むものではなくて聞くものです」とバッサリ斬られました。御自身は映画と落語が大好きで、移動中にもイヤホンで落語を聞いている本格的な通なのです。そんなことしてたら私なんか、あっという間にホームから転落しちゃいますよ。それとも、雑踏の中でいきなりゲラゲラ笑い出して病院に送られちゃうかも。「違います、精神科医なんです」「ウソだろ」なんてね。

 「読むものではなく聞くもの」は正論ではありますが、読んで楽しむのが邪道とも言えないと思うのですよ。保樹美さん同様、悪友に勧められて落語本にハマって以来、世の中の見え方が確かに変わりましたから。

 それに我孫子のパワポで一瞬垣間見えたように、たとえば『饅頭こわい』は洋の東西を問わず多く見られる限局性恐怖症 specific phobia を題材にしたもので、これに限らず落語の世界には精神疾患やこれに近い現象に取材したものがかなりあるのです。精神医学の授業をする際には格好の資料なんですが、そもそも「人の心」「病」「笑い」といった深くて面白い世界をいわばかすめ取って糧にしているのが落語なんですよね。たいへんな文化だと思いますよ。

 かてて加えて落語家の話芸の見事なこと!落語・講談・浪花節、これら豊かな伝統をもつ日本人なのに、大方の政治家・学者の話は何でああもつまらないのでしょう?大きな声では言えないけれど、牧師先生方もその例に漏れないのが残念。ただ例外はあります。これは実名を挙げてしまいましょう。

 日本基督教団梅ヶ丘教会、広田叔弘(ひろた・よしひろ)牧師のお説教は、きわめて正統的で生き生きとした聖書講解で貫かれていますが、その語り口・間の取り方がまた実に見事なのです。そして私には同先生の話法が、落語を中心とする日本の伝統話芸をしっかり踏まえたもののように聞こえるのですね。ぜひお聞きになってみてください。

 ・・・と申しましたが、インターネット上の音源がすぐに見つからないので近日中に探してお伝えします。今日はこの後ブログを離れ、48時間ほど戻ってこられない事情があるのでした。どうぞ良い週末をお過ごしください。

 

Ω


トランプの方が良かった理由(わけ)

2016-11-12 07:45:42 | 日記

2016年11月12日(土)

 勝沼さん、コメントありがとうございます。

 御礼が遅れましたが、スーパーマンはクリプトン星人だからイデタチに関係なく強いんですね。ウルトラマンの変身と意味が違うわけだ、またひとつ勉強しました。(スーパーマン=クリプトン、ウルトラマン=スペシウム、元素名の活用もヒントをもらってるんでしょうか)

 時に・・・

> 僕は投票直前でヒラリーが3ポイントリードという時におそらくトランプが逆転で勝利するだろうと思っていました(ちゃんと投票日にブログ書いときました)。

 なるほどなあ、見る人は見てたんですね、脱帽しました。以下のコメントもなるほどです。とりわけ最後の一文、頭を冷やして考えれば、なるほどそうなのでしょう。

 ところで、ある日本の政治家が「選挙前にトランプさんが言っていたことなどは、特に考える必要もないわけで・・・」という意味のことをTVで語って、実に実に呆気にとられました。なるほど皆様が選挙期間中に口になさる公約が、何の意味をもたない訳です。「あれはパフォーマンスであって、彼の政策とは関係ない」というの(これはまた別の人)も同じ線ですね。前者はかつて「難しいことは分からない」という名言を吐いた人ですが、何の何の、複雑怪奇な政治のカラクリについて実に深く洞察していらっしゃることと見直しました。(あながち皮肉でもありません。)

 政治を理解するには、日常を超越した別のロジックが必要なようです。今日この日まで、そのことが本当には分かっていませんでした。

***

【勝沼コメント(承前)】

> イギリスのEU離脱の再現ですね。グローバリズムか反グローバリズムで投票するとグローバリズムの流れに乗れない人が大半ですので反グローバリズム(内向きになる)が勝ちます。

> 内向きになることはグローバリズムによって起きる問題を改善しません。トランプ大統領も良い結果にならないでしょう。

> でも、そこまで世界が追い込まれ変革が迫られていることがはっきりするという意味では、私はヒラリーよりはトランプの方が良かったと思います。

   

Ω


首がネック

2016-11-12 07:18:44 | 日記

2016年11月12日(土)

Sue 様、コメントありがとうございます。

> 私は首回りがきつい服が苦手で、掛け布団も首にかかると気になる性分です。過去に首を絞められたという経験はないのですが、缶詰のさくらんぼを誤って飲み込み、大変に苦しい思いをしたことがあります。おそらくそのときの恐怖が影響しているのではないかと思っています。

 「首を絞められた経験」・・・そこに来るかと愉快に拝見しました。私もそういう記憶はありませんが、ひょっとして前世に・・・?
 さくらんぼ誤飲は何歳の時のことか存じませんが、さぞや恐ろしかったでしょうね。歳のせいか、私も最近プチ誤飲の危険を実感するようになってきました。飲食はゆっくり、気もちのゆとりをもってと心がけています。そうでなくとも喉元は心理的不安が投影されやすい部位で、「ヒステリー球 Globus histericus」などという言葉があるぐらいですので。

> 首に物が当たると自然に身構えてしまい、首や肩に力が入るため、疲れるのではないでしょうか。

 まったく同感で、そういうメカニズムに違いないと確信します。鎖骨の少し上あたり、前頚部の皮膚にセンサーがあって、そこに何かが触れると素材の硬軟にかかわらず頚全体が緊張するように感じています。私の場合、ファッションとしてのネクタイは大好きで、肩さえ凝らなければ冬場は常用したいところですから残念なのですが、どうも仕方ありません。

 ところで、「首がネック」って面白いと思いませんか?英語に直したら "Neck is the neck." でしょうか。ちなみに「アメリカ人は肩が凝らない、凝るのは日本人だけ」などと言う人がありますが、真っ赤な嘘です。「肩 shoulder」というから通じ難いので、彼らの「肩」は僕らのイメージよりも肩先~上腕に寄っています。凝る部分はおおかた「首 neck」で、"stiff neck" は多くのアメリカ人にとっても悩みのタネらしい。

 さらに "pain in the neck" という言い回しもあり、これは「厄介者、トラブルメーカー」の意味があるのだそうです。そうとは知らない若い頃の故・丸田俊彦氏が、ある患者さんをスタッフが "Pain in the neck" と評しているのを聞き、よせば良いのに御本人に「あなたは首の痛み pain in the neck があるんですか?」と質問して相手を烈火の如く怒らせたという逸話が『痛みの心理学』(中公新書)に書かれていました。この本は名著ですので、御紹介しておきます。

 今日は温かくなりそうです。喉元の寛いだ服装で一日を楽しみましょう!

 

Ω