日本人イスラム教徒ゆとろぎ日記 ~アナー・イスミー・イスハーク~

2004年に入信したのに、2003年入信だと勘違いしていた、たわけもんのブログです。

この人の思考と感覚にはついていけない…。参ったな、この本。

2006年01月23日 21時04分16秒 | イスラムライフ
ヒジュラ暦1426年ズー・ル・ヒッジャ(12月)22日 ヤウム・ル・イスナイニ(月曜日)

 『ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座』(井沢元彦著、徳間書店)なる本を読んだ。
 井沢氏の本は、よく本屋に平積みされているが、別段興味はなかった。「SF作家(だっけ?)」+「徳間書店」+「歴史モノ」という組み合わせが、そそらないんだよなあ。
 しかし、以下の3人(登場順)のインタビューは興味があったので読んだという次第。

◆パット・ロバートソン氏:キリスト教福音派のテレビ伝道師。

◆マーヴィン・トケイヤー氏:ユダヤ教のラビ。日本滞在経験あり。

◆ムーサー・ムハンマド・ウマル・サイード氏:イスラミックセンター・ジャパン創設者のひとり。

 中学校のとき、トケイヤー氏の『ユダヤ五〇〇〇年の知恵』、『ユダヤ・ジョーク集』を読んだなあ。懐かしい。


 3人のインタビューは面白かった。3人とも「自分の方には仲良くする気持ちがある。あとは相手の出方次第だ」というスタンスは共通。

 トケイヤー氏とムーサー氏は「誰が何を信仰しようと勝手。別に自分たちの宗教の悪口を言われてもそれはそれで構わない」というスタンスで共通。

 ロバートソン氏は攻撃的な発言はするものの、現実にユダヤ教徒、イスラム教徒が住む地域に援助をしている。偽善という人もいるかもしれないが、口先だけの真実より、実行されている偽善の方がマシだと思う。

 で、井沢氏。この人、序文にこう書いている。

 「高校の社会科課程の中に倫理の分野がありますし、世界史を学ぶには必ずキリスト教ないしはイスラム教の知識が必要です。ですから、若干それに触れる機会はあるのですが、正直言って、教える側もよくわかっていません。そういう人たちが生半可な知識で、世界史や倫理の教科書を書いているのですから、それを読んでもわからないのは当然です。」

 おお、すごいぞ! どんなこと教えてくれるんだ? 行け行けぇー! 

 彼の書いた文章を一読した後の感想。

 --この本の内容で、序文にあんなこと書ける神経がうらやましい。

 私は、この人の思考と感覚にはついていけない。本がいっぱい売れているようだし、天下のNHKに出ているくらいの方だから、きっと私の感覚がおかしいんだな、うむ。
 でもなあ…インタビューされた3人とも、よく怒らなかったな。特にトケイヤー氏。

 実際はどうだったのかわからないけど。対談がそのまま活字になることないしね。清水義範の「超現実対談」〔『アキレスと亀』(角川文庫)収録〕を思い出した。対談の現場と活字のギャップを描いた短編。

 たぶん、この人の本を読む機会はもう無いと思うけど、ある意味いい勉強になった。世の中いろんな人がいるんだなあ。