日本人イスラム教徒ゆとろぎ日記 ~アナー・イスミー・イスハーク~

2004年に入信したのに、2003年入信だと勘違いしていた、たわけもんのブログです。

ああ憧れのパルミラ遺跡⑥ 「太陽にほえろ!!」

2005年11月11日 20時10分21秒 | 中東ヘロヘロ紀行
ヒジュラ暦1426年シャッワル(10月)8日 ヤウム・ル・ジュムア(金曜日)

パルミラの日の出。日本人らしく拝みそうになるが、ムスリムなのでやめておいた。

 夕陽を見たら朝日も見たくなるのが人情というものである。ということで、翌日早起きして遺跡へ行った。


 風が強い。昨日のオヤジのダジャレ(「列柱道路へレッチュウ・ゴー!」)がまだ効いているようだ。


 風の中、遺跡の中にひとり立っていると、空が茜色に染まり始めた。
「お! 来るな!」と思っていると、太陽が「ののののの…」という感じで現れた。ああ、美しい。


 かなり離れたところで、野良犬が「バフバフッ!」とほえている。たぶんアラビア語でほえていたはずだが、私の耳には「バフバフ」と聞こえた。


 「おお、これが本当の『太陽にほえろ!!』だな(ふ、古い! 昔の刑事ドラマ)。ほえろ、ほえろ、もっとほえろぉー!!」などと考えながら、その光景を見ていた。


 ふと犬がほえるのを止めて、こちらを見た。嫌な予感。


 「バフバフッ!」という咆哮とともに、野良犬はこちらに向かって走り始めた。予感的中。


 こちらもダッシュで逃げ出す。野良犬の目的がなんだかわからんが、とにかく逃げた方が良さそうである。


 「パルミラまで来て、なぜ朝からこんな目にあわなくてはいけないのか?」と思いながら、走り続ける。


 そして約十分――

 
 犬は追いかけるのを止めたようだ。ふふふ、勝ったな。


 どうせ誰もいない荒野である。
 

 「うあわーっはっはっ! 根性の無い犬め!


 俺は勝ったのだ!」



などと叫んでみた。


 そして、ふと気づいた。
 ホテルと逆方向に走ってきてしまったではないか…。

 
 我がツアーがパルミラを出発するまで、あと数十分。まだ朝食も食べていないし、荷物の整理もしていない。急がないと間に合わない。
 ホテルに向かって再びダッシュをし始めたのだった。クッソォ~ッ!


   ――――

 
 ところで今日は西暦では、11月11日。「ワンワンワンワン」で「犬の日」。偶然とはいえ、タイムリーなネタだなあ…。


PS:ところで、アラビア語では犬は何と鳴くのでしょうか? どなたか教えてください。

朝日に輝く四面門。感動もの。涙が出そう。