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imaginary possibilities

Living Is Difficult with Eyes Opened

テイカーズ(2010/ジョン・ラッセンホップ)

2011-11-21 06:43:12 | 映画 タ行

 

先週末公開の『コンテイジョン』のキャッチコピーは「全員アカデミー賞」。

本作は?

 

この微妙な豪華さは、確かにシネパト直行も納得だけど、

80年代への郷愁はどこか背伸びだが、90年代は道連れ感から小っ恥ずかしく、

ゼロ年代は余りに疾駆な年月に、余所余所しさが残ったまんまの奇妙な新鮮。

そんな感覚の世代には、丁度好い等身大感ただよう超ライト級なポップコーンムービー。

それゆえ、ポップコーン食べながら(あくまで感覚です)でないと不満は残る杜撰さも。

こうしたわかりやすい反応はそれを物語っていたりもするんだろう。

フィルメックスの箸休め的に活用するには賢明か?

 

個人的な印象では、「ヤング・エクスペンダブルズ」みたいな印象で観に行った本作。

作品の印象以上に内容こそが、全ての消耗が何にもつながらないステキな金搾り。

何せ行き当たりばったりな脚本は、1~3本しか執筆経験のない面々が4人も集結し、

ジャンケンで負けた人が次の展開考えてるかのようなパッチワーク・スリリング。

トニスコみたいな無茶は、助走のしなやかさや流麗な構築後の瓦解ぶりにこそ華がある。

だから、本作に華はない。けど・・・一生懸命に体力もばっちり消耗しながら撮影に臨む

次世代のエクスペンダブルスたちの溌剌ぶりにはどこか惹き付けられたりもする始末。

何より、自分の出番だけ頑張れば好い感によるリラックスがうみだすゆる~い活劇は、

どこかパロディ寸劇を立て続けに観てる気すらして来だす。それでも、何か大丈夫(笑)

『TAKERS』ってタイトルも、つい最近のヒット作『TAKEN』(『96時間』原題)とかぶらない?

向こうの人は気にならないのか、「あえて」なのか。そんなB級感きらいになれないけど。

 

タイトルになっている「takers」とは、「カネを取る(奪う)人」って意味なんだけど、

ちょっとばかし「ひねり」があって、これは単純に強盗集団だけを指してるわけじゃない。

まぁ、そこが面白いっちゃぁ面白い気もするけれど、興味が持続するほど物語全体との

有機的な作用はうまれない。脚本家Aの不意の明察、瞬間最大風速どまり。

 

とはいえ、適度なバディ感は「暇つぶし」としてはバッチリ適度なサラサラ仕上がりで、

カサビアンがラストで流れる頃には、湿度は一気に急下降。場内明るくなればカラッと。

にしても、カサビアンって本当よくエンドロールで流れなぁ。

つい一ヶ月前に観た『ブリッツ』のエンドロールで流れてたからね。

そういえば、『ドゥームズ・デイ』では「Club Foot」流れてたっけ。懐かしい。

 

好かったところとしては、

肉弾戦をしっかり重さやぶつかりを感じさせてくれるように撮ってたところかな。

インタビュー記事とか読んでも、そこは強調してるの多いから、力入れたんだろう。納得。

あと、全篇漂う香港ノワールの風味(パロディ的ではあるが)がちょっぴりツボ。

スローモーションの使い方とか抒情系スコアなんかは「確信犯」的。

などと思ってたら、当初は香港で撮影とかいう案もあったとか。

そこまでやっちゃってくれたら、強烈イロモノ臭でカルト的人気を獲得できた!?

 

(公式サイトのINTRODUCTIONによれば)

「アメリカではアクション映画にもかかわらず、女性観客が52%、

しかも観客の半分以上が25歳以下という若者の指示を受け」たという本作。

それなのに日本じゃ銀座シネパトス!

ある意味「正しい」選定とは思うけど、シネパトスな漢たちには物足りず、

銀座イケメンハンター・マダムたちには敷居が高い(まぁ、地下にあるけどね・・・)。

でもでも、フィルメックスの箸休めにはオススメです!(しつこい)

 

 


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