ちょうど一ケ月前, 私は無事成田着。で、ナントカ無事(?)帰宅。もう一ケ月経ってしまったんだ。 旅日記を書いて、余韻を楽しんでいる昨今。 で、漸く、24日のグランツァ―をココにご披露。
昨日と同じ場所に9時半集合。昨日同様、いくつかのツァー参加者がココに集まってそれぞれのバスに乗って行く。私のツァーのバスは予定より少し遅れて到着。 一見、エジプト人のような男性ガイド氏、「若い女の子が独り乗っているから、キミはその隣り座るように・・」と。 前から数列目に若いお嬢さんが独り。 「next to a young girl…..って言われたけれど、ココかしら?」「It’s me ….」 彼女の名はジェニファー、北ドイツ出身。 確かにドイツ人が多い。 ヘルガさんの行動に納得。 彼女もスペイン語を学ぶためにカナリヤ諸島に来て既に8カ月、もう、ほとんどスペイン語はOKだそう。 高校卒業後、就職していたが、スペイン語は仕事上、マスメディア関係で必要とのこと。まだ10代。具体的な目的を持って自己研鑽。 エライなぁ。部屋は友人とシェアしているそう。 ランサローテには飛行機は高いから半日がかり、フェリーで来たそう。 堅実だなぁ・・ソッカ、まだ若いんだものね。 ガイド氏、英語によるガイドがいつの間にかドイツ語になっている。ジェニファー、曰く。 ほとんどドイツ語だ…どうりで??? 私は彼女に通訳してもらうコト多々。 ダンケ。
さぁ、出発。 今日もPCの地図でPCで何度もお馴染みになったTias とかYaiza を通ったが、今日は西へ向かう。 島一の観光地ティマンファ国立公園はドコからなのかわからないが、黒褐色の火山礫に覆われた大地、信州の鬼押し出しのような景観がズ~~ッと続く。 ズ~~ッと続くところがチガウ! 初体験! ソレほど高くないすり鉢状の山が点在する中をバスは進む。 大西洋を望む絶壁海岸にきた。風が強い。白い波が岩肌に砕けている。海の色は濃い藍色。火山で植物が乏しい・・ということは海水に濁りがナイということだろうか? スッキリした濃い海の色だ。 海を見下ろす二か所でバスを降りた。
その次に着いたところは目の前に広がる大きな小山(?)のふもと。希望者はラクダに揺られて30分ほど小山を登る。 当初、私はラクダに乗る気はなかった。 いかにも「観光化」されているように思ったから・・・。 が、ジェニファーは乗るとのこと。 ラクダの両脇の座席に座るワケなので、然らば私も・・・と言う気持ちになった。単独旅の私としては唯一のバディだ。口に金網のマスク(?)をし、ドコか人を食った表情のラクダ。 突然立ち上がると,「ウワッ!」と言う感じ。ユ~ラユ~ラと独特なリズムで、細い脚とがっちりした蹄で安定感のない地面をしっかりと捉えて歩いていく。自分の足で登ることは可能だったのか否か・・・。時間があれば自分の足で登ってみたかった。ラクダは一見砂漠のような観光地の見世物ではなさそう。後で読んだことだが、ラクダは農作業を助ける重要な家畜だったそうな。但し、ラクダ使い(?)はアラブ系の人だった。
次はティマンファヤ火山のメイン・スポット、火山センターなのだが、バスの駐車場が見つからないとか何とか・・・で、昼食を先に。「ランチ付きバスツァー」のランチに些か興味があった。日本のバスツァーだと長いテーブルの上に既に個別に食器が並べられていて各々が席についていただく。 ココは? 朝食のビュッフェと同じだった。パスタ、パエリャ、チキン、ミートボール・・・・あまり詳しく記憶していないが、サラダ的なものはなかったと思う。リンゴがあったかもしれないが、日本人の私から見ると「食べたい!」と食指が動くようなものではなかった。コレはドコの朝食も同じ。昼食を早々に終えて外にでると「教会へ行ったかい?」とガイド氏。 「教会」については全く意識していなかったが、一つくらい見ておかないとネ。
再度バスは火山センターへ。 バスツァーしか頭になかったが、自家用車がイッパイ並んでいる。 そう言えば、ココに来る前にツーリストで尋ねた際、バスツァーか車でないとココの観光は出来ないとのことだったっけ・・。 好きなように歩いたり、触れたらいいんだけど、私、ウチの車以外の運転はイマイチなのよねぇ・・・。
で、いよいよティマンファヤ火山センターへ。案内書に“geothamal experiments” とある。 が、噴煙は見えない。 先ず、スコップで10cmほど火山礫をかき分けて赤茶色の火山礫をグルッと弧を描いて集まった観光客に手渡す。 私にもまわってきたが「アツッ!」だ。 次に枯れ草をひとつかみ取って、足元に開けた直径10cmほどの穴に入れると数秒で炎を出して燃え始める。 今度は直径5cmほどの筒状の穴にヤカンから水を灌ぐ。 先ほどより早く2~3秒で蒸気が勢いよく高く立ち昇る。 ドコかの間欠泉のよう。 センターの入り口には、地中に大きな深い井戸のような穴があり、上に目の粗い放射状の金網(?)が置かれて底の地熱を利用してローストチキンが焼いていた。燃料費ゼロ! こういう実験(?)を見せていたのは中東系の人だったのが印象的だった。
二時半過ぎ、バスは出発。鬼押し出しか桜島の島内の道のようなところを走る。いよいよ、不思議な光景をこの目で見る瞬間が近づく。 アレを見ることができる! 車内にブドウ畑について説明した録音が流れる。 200年ほど前に火山が爆発し、今までのブドウ畑も畑も壊滅状態に。多くの人がスペイン本土に戻ったが残った人たちは・・・。 あとで調べると、その後に新大陸から侵入してきた害虫によってヨーロッパのブドウは大打撃を受けたようだが、遥か離れてたこの島は無事、ブドウ栽培を続けることができ、ワイン製造も続けることが出来たそう。
この説明のBGMが面白かった。 モーツァルトのレクイエムが流れたり、打楽器の現代音楽になったり・・・。 「2001年宇宙の旅」の「ツァラトゥストラはかく語りき」が流れたり・・。 私は地球しか知らないが「月世界」のみならず「宇宙」を思わせる光景であったのは事実。 が、この説明(?)、音楽を聞いていて、弧を描いて石が並べられている窪みがたくさん並んでいる景色が車窓から見えてしまった。 ホンの一か所だったが・・・。
実は、認めたくなかったが、あのポストカードは「芸術作品」と感づき始めていた。ブドウ畑を写したカードは数々あれど、あのようなブドウ畑のカードはアレだけ。 しばらくして La Geria 「ラ・ヘリア」着。 今度は一面に車窓からチラ見した畑が広がっていた。 ここで芸術家たるフォトグラファーの力に脱帽! 芸術作品のチカラは凄い! 私の好奇心を駆り立て、東洋の端っこから遥か彼方、地図上の単なる一つの島だったココに足をふみいれさせたんだもの!!
この島のブドウ農民の勤勉さ・努力は、もっと知られてもよいハズ。 どう見ても肥沃な土地には見られない火山礫の積もった土地に直径数メートルの窪地を掘り、その真ん中にブドウの木を一本づつ植えていく。 どのくらいの広さなのか数字で言われても私には理解できない。 が、見渡す限り一面、平地もその向こうに続く斜面にもこのようなブドウ畑が広がっていた。 小石は弧を描くだけでなく、階段状にも並べられていた。 段々畑と同じだ。 タブン野菜畑だろう。 彼らの勤勉さに頭が下がる。 この辺りに勤勉な農民を表したモニュメント the Monument to the peasants http://www.iberia.com/es/destination-guide/lanzarote/monument-to-the-peasant/があるハズだがそれを見ることが出来なかったのは残念。 が、私は彼らの努力に十分な敬意を払う。
ココで絵葉書を探したが、ごく普通のモノだったのは意外! 切手を買おうとしたら、例の民間切手で止めた。せめてナニか・・と思ったが、火山礫(?)で作ったブレスレットやネックレス・・・要らないなぁ・・。 別の建物でワインの試飲などやっていたようだが混んでいて私はパス。我ながらアラララ・・だが、外の畑を見たかったのだ。 それに、ワインならほかのトコロでも売っているだろう・・と思っていた。 チョット後悔している。
わが好奇心、不思議心を満たしていたココを後にすると興味がイササカ減退。 どこへ行くんだろう・・・と言う程度。 洞窟探検となったが、かなり人工的な趣きで、緑豊かな国から来た人間としてはイマイチ。 ジェニファーによるともう一か所、彼女がとても行きたいところがあるそうだが、このツァーではそこへは行かない由。 明日あたり行ってみれば・・・なんて話したけれど、アシがどうなのか、チョット無責任な受け答えをしてしまった。洞窟を抜けると「抜けるようなブルーの池」が! ナンのことはナイ、底が鮮やかなブルーに塗られているダケ。 こういうのって興ざめも甚だしい! 屋内の展示もナンと言うことなくソウソウに出口へ向かったが、ナカナカ出口が見つからない。 途中でジェニファーと離れてしまい、独りで道順に従って出口を目指すが同じ所を堂々めぐり。 単独だと、こういう時に心細い。 それに早めにバスまで行っていないと・・。
バスの中で、彼女のボーイフレンドが日本に行きたいといっているので来年あたり・・・なんて言う話が出たので、持ち合わせのアドレスを書いたカードを渡した。 彼女、「このアドレスに写真を送るわ。」と言っていたけど、まだ届いていないなぁ。「私が送れば、私のアドレスが分るでしょ?」 待つしかないわね。 、
7時近くにアレシーフェに戻った。ジェニファーと夕食を一緒に・・・一瞬思ったが、アッサリ別れてしまった。 年長者の私から声を掛ければよかった! 来年、会えるかしら? で、またスーパーでナンゾ・・と思ったら、もうクローズ。 「ジェニファーと一緒にドコかで食べればよかった。」とチョット後悔。ホテルへの途中に飲み屋さんのようなお店にハンバーガーの看板が。 オープンな店内にビールを手にしているオジサンが数人。 場違いな・・と感じつつも「持ちかえろう・・」と店内に入って注文した。オジサンが独り、話しかけてきた。「どこから来たんだい?」「ハポンよ」「そうか、ハポネスは優秀だよナ。」「イエス!」 何故か、異国にあると「謙遜」は影を潜める。 彼らはサッカーの「バルセロナ対マドリッド」をTV観戦中。バルセロナのファンらしい。 で、思い出した。「ウチの息子もレアルではなくバルセロナファンよ」 「そうだろう!!」 好感度アップ! 「ココで食べて行こう!」 コーラも注文した。 私に話しかけたオジサンはモロッコ出身とのこと。ビールを飲んでいたが、全部は飲まないようだ。 「車で帰宅するから・・・」と。 ほう、紳士ですなぁ。 お仕事は車やさんとのこと。 「売るの?」「イヤ、レンタカー。」 ナルホド・・・観光産業で成り立つこの島ではメジャーなシゴトかも。 レンタカーで観光するのがイチバンだモノね。 話しているうちにハンバーガーが出来上がった。 大きなハンバーグに所謂サラダもたくさん挟まれている。 お店の女性がなんども「どう? 美味しい?」と尋ねるが、ホントに美味しかった。 食べ終わって、“Thank you. Bye!” とても安かったと記憶。 「物価が安い!」を実感した。 思いがけなくバーみたいなところでの夕食だったが楽しかった。 地元の人との唯一の交流だった。
今回の旅のハイライト終了! 私はこの日のためにココに来たんだった! 満足じゃぁ。 ヒョッとしたらわが生涯、初めての「夢の達成」だったかも?
ホテルについてシャワーを浴び、パッキングして・・・・。本日の行程をFBに投稿。 速攻でコメントが出る。 いままでの一人旅は、思い出してニンマリするだけだったが、今回は投稿することで「おすそ分け」。 だれも分けて欲しがっていないかも知れないけれどね。 コメントはお喋りしているみたいでとても嬉しかった。 明日は6時前にホテルを出る。 タクシーの予約は不要とのこと。