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グレンおばさんのお花畑

家族の記録、季節の花たちの写真をポツリ、ポツリ紹介していきます。

読書覚書29年1月~7月

2017-07-21 17:41:53 | 読書



1月  
*クリーピー   前川 裕

大学で犯罪心理学を教える高倉は、妻と二人、一戸建てに暮らす。ある日、刑事・野上から一家失踪事件の分析を依頼されたのを契機として、周囲で事件が頻発する。野上の失踪、学生同士のトラブル、出火した向かいの家の焼死体。だがそれらも、本当の恐怖の発端でしかなかった。「奇妙な隣人」への疑惑と不安が押し寄せる、第15回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。


2月
*フランチャイズ事件   ジョセフィン・テイ

 「フランチャイズ家」と呼ばれる邸に住むマリオン・シャープと母親はある娘に誘拐暴行犯として訴えられていた。娘は邸につれこまれ、殴る蹴るの目にあいながら、一ヵ月ものあいだ下女働きをさせられたというのだ。確かに暴行の跡は娘の体に無数の傷となって残っている。しかしシャープ母娘にとって、それは全く身に覚えのないことだった。 


*きみはいい子    中脇初枝

ある雨の日の夕方、ある同じ町を舞台に、誰かのたったひとことや、ほんの少しの思いやりが生むかもしれない光を描き出した連作短篇集。
夕方五時までは帰ってくるなと言われ、雨の日も校庭にたたずむ生徒と新任教師との心のふれあいを描く「サンタさんの来ない家」をはじめ、娘に手を上げてしまう母親とママ友との物語、ひとり暮らしが長くなった老女と、家を訪ねてきたある男の子との物語など、胸を打つ作品を五篇収録。
人間の優しさとその優しさが生む光が、どれほど尊くかけがえのないものかをあらためて感じさせる感動作。


*うわさの恋人(アボンリーへの道)   L.M. モンゴメリ (著), H. コンキー(著)

恋人などひとりもいなかったはずの、まじめな老婦人マリラ・カスバートが、娘時代の恋物語を告白。うわさ好きのアボンリーの人びとは、衝撃的なこのニュースに夢中になる。もののはずみでマリラが作った架空の話とは知らず、セーラはロマンチックな悲恋にうっとり。そこへ、ある人物があらわれたために、村じゅう、上を下への大さわぎ。


*わたしをみつけて   中脇初枝

施設で育ち、今は准看護師として働く弥生は、問題がある医師にも異議は唱えない。なぜならやっと得た居場所を失いたくないから―。『きみはいい子』で光をあてた家族の問題に加え、今作では医療現場の問題にも鋭く切り込んでいく。新境地となる書き下ろし長編。


*世界の果てのこどもたち    中脇初枝 

戦時中、高知県から親に連れられて満洲にやってきた珠子。言葉も通じない場所での新しい生活に馴染んでいく中、彼女は朝鮮人の美子(ミジャ)と、恵まれた家庭で育った茉莉と出会う。お互いが何人なのかも知らなかった幼い三人は、あることをきっかけに友情で結ばれる。しかし終戦が訪れ、珠子は中国戦争孤児になってしまう。美子は日本で差別を受け、茉莉は横浜の空襲で家族を失い、三人は別々の人生を歩むことになった。
あの戦争は、誰のためのものだったのだろうか。
『きみはいい子』『わたしをみつけて』で多くの読者に感動を与えた著者が、二十年以上も暖めてきた、新たな代表作。


3月
*みなそこ   中脇初枝

あたしたちは繋がったまま、橋から飛びおりた。彼と触れあうことは、きっともう、二度とない―。考えもしなかった相手に心を奪われ、あの腕に、あたしはからめとられた。水のきらめき。くもの巣。お旋餓鬼の太鼓。夜のピアノ。台風の日のかくれんぼ。誰もかれもがしてきたこと。何万年もくりかえしてきたこと。読者の想像を裏切る衝撃恋愛小説!


*魚のように   中脇初枝

ある日、高校生の姉が家を出た。僕は出来の悪い弟でいつも姉に魅かれていた。バラバラになった家族を捨てて僕も、水際を歩きながら考える。姉と君子さんの危うい友情と、彼女が選んだ人生について…。危うさと痛みに満ちた青春を17歳ならではの感性でまぶしく描く坊っちゃん文学賞受賞作


*きのうの神さま    西川美和

村からただ一人、町の塾へ通っているりつ子は、乗っていた路線バスの運転手・一之瀬から突然名前を呼ばれ戸惑う。りつ子は一之瀬のある事実を知っていた(「1983年のほたる」)。人の闇の深さや業を独自の筆致で丹念に描き出し、直木賞候補になった傑作
『ゆれる』で世界的な評価を獲得し、今、最も注目を集める映画監督が、日常に潜む人間の本性を渾身の筆致で炙りだした短編集。『ディア・ドクター』に寄り添うアナザーストーリーズ。


*紙の月   角田光代

わかば銀行から契約社員・梅澤梨花(41歳)が約1億円を横領した。梨花は発覚する前に、海外へ逃亡する。梨花は果たして逃げ切れるのか?―--自分にあまり興味を抱かない会社員の夫と安定した生活を送っていた、正義感の強い平凡な主婦。年下の大学生・光太と出会ったことから、金銭感覚と日常が少しずつ少しずつ歪んでいき、「私には、ほしいものは、みな手に入る」と思いはじめる。夫とつましい生活をしながら、一方光太とはホテルのスイートに連泊し、高級寿司店で食事をし、高価な買い物をし・・・・・・。そしてついには顧客のお金に手をつけてゆく。


*モンスターマザー(丸子実業「いじめ自殺事件」 教師たちの闘い) 福田ますみ

たった一人の母親が学校を崩壊させた。不登校の高一男子が自殺した。久々の登校を目前に──
かねてから学校の責任を追及していた母親は、学校に全責任があると校長を殺人罪で刑事告訴する。
人権派弁護士、県会議員、マスコミも加勢しての執拗な追及に、高校は崩壊寸前まで追い込まれ、教師と同級生、保護者たちも精神的に追い詰められていく。だが教師たちは真実を求め、法廷での対決を決意した。
前代未聞の裁判で明らかになっていったのは、子供を死に追い込んだ母親の「狂気」だった。
どの教育現場にも起こり得る「恐るべき現実」を描ききった戦慄のノンストップホラーノンフィクション。
「被害者」の皮を被った「加害者」に気をつけろ!


4月

*図書館の死体   ジェフ・アボット

田舎町で図書館の館長を務めるジョーダン・ポティートは、身の不運を嘆いた。前の日に口論した中年女性が、あろうことか彼の図書館で他殺体で発見されたのだ。その被害者はジョーダンや彼の母親らの名前と、聖書からの引用を記した奇妙極まるメモを隠し持っていた。殺人の容疑者となったジョーダンは、身の証しを立てるために犯人捜しを始めるが―アガサ賞、マカヴィティ賞の最優秀新人賞を受賞した人気シリーズ第1弾。


*図書館の美女   ジェフ・アボット

ミラボーの町で、犬小屋や郵便受けが連続して爆破される事件が発生した。運悪く現場に居合わせた図書館長のジョーダンは、腕に怪我を負ってしまうが、そんな時、土地開発会社に勤めるジョーダンの昔の恋人が、上司と一緒に現われた。やがて町は開発をめぐり大騒ぎに。ついには殺人までもが起き、さらに新たな爆破事件で死者が…


5月

*図書館の親子   ジェフ・アボット

六年前、旅回りのロデオでカウボーイをやるために突然家を飛び出した姉の夫が、おめおめ町に帰ってきた。図書館の館長ジョーダンは、戻ってきた義兄への怒りをあらたにするが、さらに衝撃的な事件が起こってしまう。昔なじみの新聞記者が何者かに殺害されたのだ。さらに、その翌日、今度は義兄が殺され、ついには友人の警察署長までもが…。平穏だった町に次々とふりかかる不可解な災厄に、心優しい名図書館長が挑む。


*図書館長の休暇   ジェフ・アボット

親族会に出るため、図書館の館長ジョーダンは休暇をとることにした。だがその直後、彼の元に次々と脅迫状が。不安を抱いて会場の島に着くと、親族が激しい口論を始め、さらに大叔母が死亡する事態に。状況を不審に感じたジョーダンは真相を探るが、彼自身にも危険が!複雑な人間関係からジョーダンが一族の衝撃の過去を掘り起こす。


*百歳の力   篠田桃紅

百歳を過ぎた今も現役で活動を続ける美術家・篠田桃紅。墨や金箔などで構成する大胆な抽象画は、海外からも高い評価を得る。女学校を卒業したら、その多くがお見合い結婚する時代に、「くじびきみたいな結婚なんて、とんでもない」と独身を貫き、戦後、まだ海外へ行く人がほとんどいない時期に、単身ニューヨークへ渡って個展を開くなど、その行動は前例のないことばかり。「常識の世界に生きなかったから長生きできた」、「人生というものをトシで決めたことはない」と断言する著者が、年齢に関係なく、いつまでも第一線で活躍するための秘訣を語る。


*九十歳 何がめでたい   佐藤愛子

本書『九十歳。何がめでたい』というタイトルには、佐藤愛子さん曰く「ヤケクソが籠っています」。
2016年5月まで1年に渡って『女性セブン』に連載された大人気エッセイに加筆修正を加えたものです。
自ら災難に突進する性癖ゆえの艱難辛苦を乗り越えて生きて来た佐藤さんだからからこそ書ける緩急織り交ぜた文章は、
人生をたくましく生きるための「金言」も詰まっていて、大笑いした後に深い余韻が残ります。


6月

*ミス・メルヴィルの後悔   イーヴリン・E.スミス

名家の生まれだが貧乏暮らしのミス・メルヴィルは突然、収入源である美術教師の職を失ってしまった。パーティーにもぐりこんで食費を節約してはいるものの、生活は苦しくなるばかり、ついに彼女は自殺を決意した。ところが、ひょんなことから射撃の腕を見込まれて、フリーの殺し屋として働くことに…お嬢さま育ちのオールド・ミスが繰りひろげる痛快な活躍。ニューヨークを舞台に、軽妙なタッチで描くシリーズ第1弾。


7月

*レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密   コンスタンティーノ・ドラッツィオ 
 
謎多きダ・ヴィンチの人生には多くの挫折と失敗があった。知られざる天才の光と影を丹念に描き、世界中を魅了する作品の軌跡に迫る。


*嫌われる勇気   岸見一郎・古賀史健

本書は、フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称される、アルフレッド・アドラーの思想(アドラー心理学)を、「青年と哲人の対話篇」という物語形式を用いてまとめた一冊です。欧米で絶大な支持を誇るアドラー心理学は、「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という哲学的な問いに、きわめてシンプルかつ具体的な“答え”を提示します。この世界のひとつの真理とも言うべき、アドラーの思想を知って、あなたのこれからの人生はどう変わるのか?もしくは、なにも変わらないのか…。さあ、青年と共に「扉」の先へと進みましょう―。 


暑いですねぇ 言わなくってもね・・・

ダラダラ過ごしていたら、あっという間に7月も後半!! 
毎日のルーティンワークをこなしていくだけでこれといって何もせず、でも、そうできることに感謝しながら過ごしています。

前半は若手作家の物、後半はミステリー、ノンフィクション、エッセーなど私としては珍しいチョイスでした。

7月に読んだ「レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密」は美術本というよりダ・ヴィンチの人物像を詳しく書いてあってとても興味深く読めました。
惜しむらくは口絵の絵画がもう少し大きく載っていたらもっと興味深く見られたと思います。
描かれている人の表情とか背景の説明も細かく載っているのですが小さくて虫眼鏡を使ってみました。
この本を翻訳したのは上野真弓さんという方ですが、「ローマより愛をこめて」というブログでローマやイタリアの各都市の情報、教会、美術館の様子や絵画の説明などを詳しく発信されています。
何年前にローマへ行ったのですが、行く前に知っていれば数倍は楽しめたのに残念でした。
これからイタリア旅行に行こうと思っている方はぜひお読みになることをお薦めします。

最近全然写していないので、写真は6月に写した紫陽花の道です。
最寄り駅の近くの線路沿いに近所の方が植えてくださっているようです。
  

読書覚書28年6月~12月

2017-01-23 22:39:40 | 読書

                                   森の図書館隣の東深井古墳公園

28年6月

*高慢と偏見(上下)  ジェーン・オースティン (岩波・富田彬訳)

所はのどかなハーフォードシア。ベネット家には五人の娘がいる。その近所に、独身の資産家ビングリーが引越してきた。―牧師館の一隅で家事の合間に少しずつ書きためられたオースティン(1775‐1817)の作品は、探偵小説にも匹敵する論理的構成と複雑微妙な心理の精確な描出によって、平凡な家庭の居間を人間喜劇の劇場に変える。


*スキン・コレクター   ジェフリー・ディーヴァー

科学捜査官リンカーン・ライムは、犯罪の天才ウォッチメイカーが獄中で死亡したとの報を受けた。その直後、新たな難事件がもちこまれる―腹部に謎めいた文字を彫られた女性の死体が発見された。犯人はインクの代わりに毒物で刺青を刻み、被害者を毒殺したのだ。現場で発見できた証拠物件はごくわずかだったが、犯人が残した紙片はニューヨークで起きたある連続殺人に関する書籍の切れ端だった―ライムが解決した“ボーン・コレクター”事件である。犯人はボーン・コレクターの手口とライムの捜査術に学び、殺人をくりかえしているのか?次の犯行はどこで起きるのか?被害者に彫られた文字は何を意味する?スキン・コレクターの真の狙いはいったい何か?すべてを解くカギは証拠の中に!“ドンデン返しの魔術師”ディーヴァーが放つ会心作。緻密な伏線と手がかりから、二重三重に擬装された衝撃の完全犯罪が浮かび上がる!


*いつか晴れた日に   ジェーン・オースティン

分別を重んじ、恋心を抑える姉。感情のままに思いをぶつける妹。みどり豊かな19世紀英国の田園を舞台に、対照的な姉妹の結婚への道を暖かく描く、英国文学の傑作。


7月

*蛇の形   ミネット・ウォルターズ

ある雨の晩、ミセス・ラニラは、道ばたで隣人が死にかけているのに出くわしてしまう。警察の結論は交通事故死。だが、彼女には、隣人の死に際の表情が「なぜ私が殺されなければならないのか」と訴えていたように思えてならなかった。それから二十年後、ミセス・ラニラは殺人の証拠を求め、執念の捜査を開始する。人間の内に潜む邪悪なものを描き出す、ウォルターズの傑作長編。


*エマ(上下)  ジェーン・オースティン

土地の名家に生まれ、美しく聡明で裕福で…、あらゆる資質にめぐまれた21歳のエマ。ハイベリーに女王のように君臨する彼女が、自分を敬慕する若いハリエットの縁結びに乗り出した。のどかに流れる村の日常のあれやこれやとともに、あやまちや失敗を越えて微妙な変化を見せるエマの心理を余すところなく描きだす。


*説き伏せられて   ジェーン・オースティン

愛しながらも周囲に説得されて婚約者と別れたアン。八年の後、思いがけない出会いが彼女を待ち受けていた…興趣ゆたかな南イングランドの自然を舞台に、人生の移ろいと繊細な心のゆらぎがしみじみと描かれる。オースティン最後の作品。


9月

*時の娘   ジョセフィン・テイ

英国史上最も悪名高い王、リチャード三世——彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか? 退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。安楽椅子探偵ならぬベッド探偵登場。探偵小説史上に燦然と輝く歴史ミステリ不朽の名作。


*ユートピア   湊かなえ

地方の商店街に古くから続く仏具店の嫁・菜々子と、夫の転勤により社宅住まいをしている妻・光稀。そして移住してきた陶芸家・すみれ。美しい海辺の町で、三人の女性が出会う。自分の居場所を求めて、それぞれの理想郷を探すが―。


*村上ラヂオ   村上春樹

著者の50のエッセイと大橋歩の銅版画101点のコラボレーション。雑誌「anan」の好評連載が一冊に。しみじみ、ほのぼの。あなたの心にすとんとしみる、久しぶりのエッセイ集。


10月

*おおきなかぶ むずかしいアボカド(村上ラヂオ2)   村上春樹

なぜ、アボカドはむずかしい?究極のジョギング・コースってどこだろう。アザラシのくちづけの味、ギリシャの幽霊、ロシアと日本のかぶをめぐる昔話の違い…etc。小説家の抽斗から飛び出す愉しいエピソードの数々。長編小説『1Q84』刊行後、雑誌「アンアン」に連載された人気エッセイ・シリーズ52編


*サラダ好きのライオン(村上ラヂオ3)   村上春樹

男がオムレツを作るとき、どんな風景がいちばんふさわしいでしょう?おたくの猫には、音楽の好き嫌いがあると思いますか?村上春樹さんは占い師として、はたして大成したでしょうか?最新のムラカミ情報満載の「村上ラヂオ」第三作。


11月

*マチネの終わりに   平野啓一郎

出会った瞬間から強く惹かれ合った蒔野と洋子。しかし、洋子には婚約者がいた。
スランプに陥りもがく蒔野。人知れず体の不調に苦しむ洋子。
やがて、蒔野と洋子の間にすれ違いが生じ、ついに二人の関係は途絶えてしまうが……。


*空白を満たしなさい   平野啓一郎

世界各地で、死んだ人間がよみがえる「復生者」のニュースが報じられていた。生き返った彼らを、家族は、職場は、受け入れるのか。土屋徹生は36歳。3年前に自殺したサラリーマン、復生者の一人だ。自分は、なぜ死んだのか?自らの死の理由を追い求める中で、彼は人が生きる意味、死んでいく意味を知る―。私たちは、ひとりでは決してない。新たな死生観を描いて感動を呼ぶ傑作長編小説。

12月

*ガール・オン・ザ・トレイン(上下)   ポーラ・ホーキンス

(上) 夫と離婚し、酒浸りの日々を送るレイチェル。彼女は通勤電車の窓から、一組の幸せそうな夫婦を見つけ、昔の自分の姿と重ね合わせていた。その夫婦の家は、かつての自宅に近接しており、元夫は当時の家で新しい妻子と暮らしているのだった。絶望と闇を抱える女性三人の独白で描く、サイコスリラーの傑作!

(下) ある朝、レイチェルは電車の窓から、理想としていた主婦の、不倫現場を見てしまう。その直後、主婦は行方不明に。失踪か、殺人か。捜査が難航する中、彼女の過去が徐々に明かされる。レイチェルは「真相」を告げようと被害者の夫に近づくが、それが悲劇の始まりだった。世界で絶賛された英国ミステリー、驚愕の結末。



11月に読んだ「空白を満たしなさい」は感動しました。
人と人とのありようが分人という概念で捉えられていて、その感覚がストンと心の中に入ってきました。
ただし、机の上にのっている本を見るたびの「空腹を満たしなさい」と読めてしまうのには困りました。
いつも腹減らしなもので・・・^^;

9月に読んだ「時の娘」は「史上最高の推理小説」で歴史ミステリー部門で1位を、総合で4位をとったというだけあってとても読み応えのある小説でした。


読書覚書26年12月~28年5月

2016-06-03 11:16:27 | 読書



26年12月

*チルドレン   伊坂幸太郎

「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々―。何気ない日常に起こった五つの物語が、一つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。(BOOK データベースより)


27年1月

*色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年  村上春樹

良いニュースと悪いニュースがある。多崎つくるにとって駅をつくることは、心を世界につなぎとめておくための営みだった。あるポイントまでは…。


*みんなの図書室    小川洋子

次の世代にも残したい文学作品―いわば“文学遺産”と呼ぶに相応しい50作品への思いと読みどころを、読書家として知られる小説家・小川洋子が綴った一冊。森鴎外『舞姫』、角田光代『対岸の彼女』、チェーホフ『桜の園』、ジュンパ・ラヒリ『停電の夜に』といった小説だけでなく、児童文学やノンフィクション、詩集にいたるまで、バラエティに富んだ古今東西の名作を取り上げている。


*赤毛のアンに学ぶ幸福になる方法   茂木健一郎

「11歳の時、私はなぜ、“この作品には何かがある”と直覚したのだろう。最近になってやっと、その正体が見えてきた」。『赤毛のアン』には、「幸福(しあわせ)」とは何か、その秘密が隠されている。「仮想」「受容」「奇蹟」「ひたむきさ」「偶有性」「セレンディピティ」……。茂木健一郎が読み解く「幸福論」。



2月

*海辺のカフカ(上)(下)   村上春樹

「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」―15歳の誕生日がやってきたとき、僕は家を出て遠くの知らない街に行き、小さな図書館の片隅で暮らすようになった。家を出るときに父の書斎から持ちだしたのは、現金だけじゃない。古いライター、折り畳み式のナイフ、ポケット・ライト、濃いスカイブルーのレヴォのサングラス。小さいころの姉と僕が二人並んでうつった写真…。

3月

*豊臣家の人々   司馬遼太郎

貧農の家に生まれながら関白となり、位人臣を極めた豊臣秀吉の奇蹟の栄達は、その一族、縁者たちを異常な運命に巻き込んだ。平凡な彼らに与えられた非凡な栄誉と境遇は、ときに豊臣凋落の予兆となる悲劇をもたらす。

4月  

*地球のはぐれ方   東京するめクラブ(村上春樹・都築響一・吉本由美)

たいしたもんじゃないけれど、くちゃくちゃ噛んでいるうちに味が出てくるのでは…なるコンセプトのもとに結成された「東京するめクラブ」。村上隊長を先頭に好奇心のおもむくまま、「ちょっと変な」ところを見てまわった、驚天動地のトラベルエッセイ。まずは魔都・名古屋にて、名物喫茶メニュー“甘口抹茶小倉スパ”に悶絶トライ。


*カンガルー日和   村上春樹

時間が作り出し、いつか時間が流し去っていく淡い哀しみと虚しさ。都会の片隅のささやかなメルヘンを、知的センチメンタリズムと繊細なまなざしで拾い上げるハルキ・ワールド。ここに収められた18のショート・ストーリーは、佐々木マキの素敵な絵と溶けあい、奇妙なやさしさで読む人を包みこむ。


5月

*日出る国の工場  村上春樹

ある時は牛に蹴飛ばされそうになりながら「牧場」を歩き、またある時は新郎新婦になりきって「結婚式場」を取材する。その他、「人体標本工場」「消しゴム工場」「コム・デ・ギャルソン工場」「コンパクト・ディスク工場」に「アデランス工場」と、好奇心で選んだ7つの〈工場〉を、自称ノン・フィクション作家、春樹&水丸コンビが訪ねます。イラストとエッセイでつづる、楽しい〈工場〉訪問記。


*ダンス・ダンス・ダンス (上下) 村上春樹

『羊をめぐる冒険』から4年、激しく雪の降りしきる札幌の街から「僕」の新しい冒険が始まる。奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら「僕」はその暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。70年代の魂の遍歴を辿った著者が80年代を舞台に、新たな価値を求めて闇と光の交錯を鮮やかに描きあげた話題作。(上巻)

失われた心の震えを回復するために、「僕」は様々な喪失と絶望の世界を通り抜けていく。渋谷の雑踏からホノルルのダウンタウンまで―。そこではあらゆることが起こりうる。羊男、美少女、娼婦、片腕の詩人、映画スター、そして幾つかの殺人が―。デビュー十年、新しい成熟に向かうムラカミ・ワールド。(下巻)


6月

*羊をめぐる冒険 (上下)  村上春樹

1通の手紙から羊をめぐる冒険が始まった 消印は1978年5月――北海道発
あなたのことは今でも好きよ、という言葉を残して妻が出て行った。その後広告コピーの仕事を通して、耳専門のモデルをしている21歳の女性が新しいガール・フレンドとなった。北海道に渡ったらしい<鼠>の手紙から、ある日羊をめぐる冒険行が始まる。新しい文学の扉をひらいた村上春樹の代表作長編。


7月

*クリスマスのフロスト  R.D.ウイングフィールド 

ロンドンから70マイル。ここ田舎町のデントンでは、もうクリスマスだというのに大小様々な難問が持ちあがる。日曜学校からの帰途、突然姿を消した八歳の少女、銀行の玄関を深夜金梃でこじ開けようとする謎の人物…。続発する難事件を前に、不屈の仕事中毒にして下品きわまる名物警部のフロストが繰り広げる一大奮闘。抜群の構成力と不敵な笑いのセンスが冴える、注目の第一弾


*フロスト日和  R.D.ウイングフィールド

肌寒い秋の季節。デントンの町では、連続婦女暴行魔が跳梁し、公衆便所には浮浪者の死体が転がる。なに、これはまだ序の口で……。皆から無能とそしられながら、名物警部フロストの不眠不休の奮戦と、推理の乱れ撃ちは続く。中間管理職に春の日和は訪れるのだろうか? 笑いも緊張も堪能できる、まさに得難い個性の第二弾!


8月

*その女アレックス  ピエール・ルメトール

おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが…しかし、ここまでは序章にすぎない。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。イギリス推理作家協会賞受賞作。


*夜のフロスト  R.D.ウイングフィールド

流感が猛威をふるう町に中傷の手紙がばらまかれ、切り裂き犯も老女を襲う。絶体絶命の人手不足の中、ウィルスにも見放されたフロスト警部に打つ手はあるのか? シリーズ既刊は2点ともミステリ・ベスト10第1位に選ばれた、大好評シリーズの第3弾


*竹林はるか遠く  ヨーコ・カワシマ・ワトキンズ

終戦直後の朝鮮半島と日本で、日本人引き揚げ者が味わった壮絶な体験を赤裸々に綴る、息もつかせぬ、愛と涙のサバイバルストーリー。


9月

*冬のフロスト (上下) R.D.ウイングフィールド

寒風が肌を刺す一月、デントン署管内はさながら犯罪見本市と化していた。幼い少女が行方不明になり、売春婦が次々に殺され、ショットガン強盗に酔っ払ったフーリガンの一団、“怪盗枕カヴァー”といった傍迷惑な輩が好き勝手に暴れる始末。われらが名物親爺フロスト警部は、とことん無能で好色な部下に手を焼きつつ、マレット署長の点数稼ぎが招いた人手不足の影響で、またも休みなしの活動を強いられる……。


10月

*続・竹林はるか遠く―兄と姉とヨーコの戦後物語  ヨーコ・カワシマ・ワトキンズ 

70年前―。朝鮮半島引き揚げ者、13歳の少女ヨーコ。終戦直後の日本での貧困、濡れ衣、いじめ。想像を超える苦難を兄妹3人で生き抜いた。27年の時を超えて邦訳出版された前著「竹林はるか遠く」とともに刊行が熱望されていた続編。


*世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド(上下)  村上春樹

高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。



11月

*女のいない男たち   村上春樹

絡み合い、響き合う6編の物語。村上春樹、9年ぶりの短編小説世界。


12月

*雅子妃 悲運と中傷の中で  友納 尚子

雅子妃「こころの病」の真相は何か。皇居内部の暗闘のすべてを抉った『雅子妃の明日』に、この三年の変貌を書き加えた増補決定版。


*けっこん・せんか  阿川佐和子・檀ふみ

恋を語り、家族を語り、ワインを語り、ときには犬とともに吠える。「愛と罵倒」の名コンビが打々発止とわたりあう、痛快無比の名対談。


*新人警官の掟(上下)  フェイ・ケラーマン

ピーター・デッカーと先妻の娘シンディは苦しんでいた。父の猛反対を押し切って警官になったものの、警部補を父にもちアイビーリーグ出身でエリート気取り、おまけに鼻っ柱が強いとなれば、上司や同僚には好かれるはずもない。そんなある日、シンディは部屋に置いてあった写真立ての位置が違っていることに気づく。思い違い? それとも誰かが部屋に侵入したのか。だが事態はそれだけではすまなかった。《リナ&デッカー》に新展開。


28年1月

*チャイルド44(上)  トム・ロブ スミス

スターリン体制下のソ連。国家保安省の敏腕捜査官レオ・デミドフは、あるスパイ容疑者の拘束に成功する。だが、この機に乗じた狡猾な副官の計略にはまり、妻ともども片田舎の民警へと追放される。そこで発見された惨殺体の状況は、かつて彼が事故と遺族を説得した少年の遺体に酷似していた…。ソ連に実在した大量殺人犯に着想を得て、世界を震撼させた超新星の鮮烈なデビュー作。

*チャイルド44(下)  トム・ロブ スミス

この男は連続殺人の放擲を許さない。ゆえに犯人を孤独に追いつづける――。CWA賞受賞。本年最大の注目作! 少年少女が際限なく殺されてゆく。どの遺体にも共通の“しるし”を残して――。知的障害者、窃盗犯、レイプ犯と、国家から不要と断じられた者たちがそれぞれの容疑者として捕縛され、いとも簡単に処刑される。国家の威信とは? 組織の規律とは? 個人の尊厳とは? そして家族の絆とは? 葛藤を封じ込め、愛する者たちのすべてを危険にさらしながら、レオは真犯人に肉迫してゆく。


*グラーグ57(上)  トム・ロブ・スミス

運命の対決から3年――。レオ・デミドフは念願のモスクワ殺人課を創設したものの、一向に心を開こうとしない養女ゾーヤに手を焼いている。折しも、フルシチョフは激烈なスターリン批判を展開。投獄されていた者たちは続々と釈放され、かつての捜査官や密告者を地獄へと送り込む。そして、その魔手が今、レオにも忍び寄る……。世界を震撼させた『チャイルド44』の続編、怒濤の登場!


2月

*死のドレスを花婿に  ピエール・ルメトール

悪夢に苦しめられるのが怖いから、眠らない。何でも忘れてしまうから、行動を逐一メモにとる。それでも眠ってしまうと、死者たちが訪れる。ソフィーの人生は、死と血、涙ばかりだ。でも、ほんの一年前まで、彼女は有能なキャリアウーマンだった。破滅への道は、ちょっとしたことから始った。そしていつしか、ソフィーのまわりに死体が転がりはじめたのだった。でも彼女には、天性の知能と強い生命力が備わっていたのだ。ある偽装によって自ら道を切り開いていくや、ついには、自分を取り巻く恐るべき真実に突き当たっていくのであった…歪んだ行為への、正しい対応が生むカタルシス、ヒッチコックも驚くであろう斬新な四部構成で読む、脅威のサイコサスペンス。


*グラーグ57(下) トム・ロブ・スミス

レオに突きつけられた要求は苛酷をきわめた。愛する家族を救うべく、彼は極寒の収容所に潜入して、自ら投獄した元司祭を奪還する。だが、彼を待っていたのは裏切りでしかなかった。絶望の淵に立たされ、敵に翻弄されながらも、レオは愛妻ライーサを伴って、ハンガリー動乱の危機が迫るブダペストへ――。国家の威信と個人の尊厳が火花を散らした末にもたらされる復讐の真実とは?


3月

*街への鍵   ルース・レンデル

メアリは白血病患者のために骨髄を提供した。だが、それが恋人の男の怒りをかう。彼女の美しい肌に傷がついたと、身勝手な理由で男はメアリを責め―暴力をふるった。家を出た彼女は、過去をふりきるように大胆な行動に出る。素性もよくわからぬ骨髄の提供相手に会うと決めたのだ。そこにいたのはレオという優しく繊細な男性。メアリは次第に彼に惹かれていくのだが、それが悲劇の始まりだった。その頃、街では路上生活者を狙った殺人が起き…不穏さを物語に練りに練り込んだ“サスペンスの女王”による傑作。


*アメリア・ジョーンズの冒険   ドロシー・ギルマン

彼らがもうじきわたしを殺しに来る。あと2、3時間後か…」22歳のアメリアが遺産で買った店で見つけた古い楽器。そこにはさまっていた紙切れには、彼女が経験したこともない恐ろしいメッセージが書かれていた。対人恐怖症で治療中の身にもめげず、アメリアはその謎を解いていこうと決心する。楽器の持ち主は誰だったのか、そして誰が殺しに来るのか…。


4月

*バックスキンの少女   ドロシー・ギルマン

アメリカがまだ独立していない頃、インディアンに両親を殺され、兄をさらわれた少女レベッカ。他人の家でつらい日々が続く。5年後、兄は町に戻ってきたけれど、中身はインディアンのまま。みんなに反感を持たれている。16歳になったレベッカにも、気にそまない結婚話がもちあがり、ついに兄妹は町から逃亡した。「おばちゃま」シリーズで大人気のギルマンの、傑作アドベンチャー・ミステリー。


*養鶏場の殺人/火口箱  ミネット・ウォルターズ

1920年冬、エルシーは教会で純朴な青年に声をかけた。恋人となった彼が4年後に彼女を切り刻むなどと、だれに予想できただろう―。英国で実際に起きた殺人事件をもとにした「養鶏場の殺人」と、強盗殺害事件を通して、小さなコミュニティーにおける偏見がいかにして悲惨な出来事を招いたかを描く「火口箱」を収録。現代英国ミステリの女王が実力を遺憾なく発揮した傑作中編集。


*見ないふりして    メアリ・ヒギンス・クラーク

不動産会社で働くレイシーは、ある日死んだ娘の部屋を売りたいという依頼を受ける。打ち合せのためアパートを訪れた彼女を待っていたのは、銃声と見覚えのある男が走り去る姿だった。瀕死の依頼人イザベルはレイシーに娘の日記を託す。イザベルは娘が殺されたと信じていた。その証拠がここに…。殺人の目撃者となってしまったレイシーは、FBI証人保護プログラムを適用されるが。


*大会を知らず   ジル・チャーチル

自分たちの町で作家や出版関係者が集まるミステリ大会が開かれると知り、ジェーンは喜び勇んで親友のシェリイと参加することに。大会では憧れの作家に会え、自作の小説を持ち込む機会に恵まれた一方で、新人作家や名物編集者の振る舞いに眉をひそめることにもなる。そして、批評家の失踪を皮切りに事件が続発し…主婦探偵がイベントで起きた現実の事件に挑むシリーズ第14弾。


5月

*心地よい眺め   ルース・レンデル

テディは、愛情とは無縁のまま育った。愛のない結婚をした両親は、望まずに誕生したわが子にはまったく関心を払わず、彼は放置されたまま一人勝手に大人への道を歩んできたのだ。そんな生い立ちをもち、どこか普通でない青年に成長していたテディは、両親の死をきっかけにそれまで内面に秘めていた歪んだ狂気を、徐々に発揮しはじめる。そんな彼が出会った美しい娘フランシーンもまた、子供の頃に異常な経験をし、心に大きな傷を負っていた。二人の出会いは、新たな悲劇の開幕を告げるベルだったのか…ブラックな結末が待つ、傑作サスペンス。

*高慢と偏見、そして殺人  P.D.ジェイムズ

【ロマンス小説の古典『高慢と偏見』の続篇に、ミステリの巨匠P・D・ジェイムズが挑む! 】 紆余曲折の末にエリザベスとダーシーが結婚してから六年。二人が住むペンバリー館では平和な日々が続いていた。だが嵐の夜、一台の馬車が森から屋敷へ向けて暴走してきた。馬車に乗っていたエリザベスの妹リディアは、半狂乱で助けを求める。家人が森へ駆けつけるとそこには無惨な死体と、そのかたわらで放心状態のリディアの夫ウィッカムが……殺人容疑で逮捕されるウィッカム。そして、事件は一族の人々を巻き込んで法廷へ!

長々と記載してしまいました。
自身の覚書として記入していたので、途中でアップすることもなく延々と書き続けてしまったので
ここで一度投稿します。なんと一年半分です。
日本の作家では相変わらず村上春樹氏のものが中心(夫の影響です)。昨年夏はフロスト警部ものにはまりました。
もう作者が亡くなられているので続編が読めないというのは悲しいことです。
今年に入ってからは英国ミステリーの重鎮ともいえるルース・レンデル、P.D.ジェイムズの未読の作品があったので
たっぷりとミステリーの世界に浸りました。
順序としては逆になりますが、ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」も読みたいと思っています。

トップの写真は5月のオープンガーデンでのもの。
木陰でこんなベンチに座り、読書できたらいいですね。



読書覚書24年9月~26年10月

2014-12-08 22:45:47 | 読書



なんと2年ぶりの読書覚書です。
読んだものは覚えているあいだに書き溜めていましたが、昨年からはすっかり書き忘れていて、
忘れてしまったものもあるかもしれません。


24年
*スプートニクの恋人  村上春樹

22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。―そんなとても奇妙な、この世のものとは思えないラブ・ストーリー。


*1Q84 Book1  村上春樹
*1Q84 Book2  村上春樹
*1Q84 Book3   村上春樹

「こうであったかもしれない」過去が、その暗い鏡に浮かび上がらせるのは、「そうではなかったかもしれない」現在の姿だ。書き下ろし長編小説。




*おばちゃまは飛び入りスパイ  ドロシー・ギルマン

孫が3人いるミセス・ポリファックスおばちゃまがナントCIAに志願した!ところが、ヒョンなことから採用に。さっそくメキシコへ飛ぶ。ユーモア・スパイ・シリーズ第1弾


*おばちゃまはサファリ・スパイ
  
*おばちゃまはイスタンブール   

*おばちゃまはアルペン・スパイ  

*おばちゃまは東欧スパイ
     
*おばちゃまはシルクロード    

*おばちゃまは香港スパイ
     
*おばちゃまはハネムーン     

*おばちゃまはアラブ・スパイ   

*おばちゃまはアフリカ・スパイ 

*おばちゃまはシリア・スパイ 

*おばちゃまはヨルダン・スパイ  

*おばちゃまはシチリア・スパイ
  
*おばちゃまはサーカス・スパイ  

母の愛読書の「おばちゃまシリーズ」を読破。全14巻 
多分同年代の主人公の「おばちゃま」こと、ミセス・ポリファックスはCIAのスパイとして
色々な国へ派遣されていきます。そこで様々な困難な出来事に巻き込まれながら
奇跡的に事件を解決し、生還します。
荒唐無稽といえばそれまでですが、「おばちゃま」のユーモアや暖かさ、勇ましさが魅力の物語です。


ここからは25年~26年

*国境の南 太陽の西  村上春樹

*少年H 上下  妹尾河童

*遮断地区  ミネット・ウォルターズ

*マリアビートル  伊坂幸太郎

*白蓮れんれん  林真理子

*雨天炎天  村上春樹

*遠い太鼓  村上春樹

「遠い太鼓」は村上氏がイタリア、ギリシャに滞在した3年間のスケッチブックです。
滞在していたのは1986年から1989年なので、25年以上も前のことです。
でも、ローマでの駐車事情や郵便事情、そしてスリの事など、今とちっとも変わっていません。


ローマの駐車状況(撮影 夫)

すごいとめかたでしょう?というか、ぶつかってますね。
一体どうやって動かすのでしょう? 「遠い太鼓」によると前に後ろに何回かゴンゴンぶつけて
隙間を作って動かすそうですよ。この車を動かすところを見てみたかったです。


さて、冒頭に乗せた写真に写っているのは、一体何の葉でしょうか?
雑草にしては、初めて見るし、植えたものではないし、もう一箇所ちょっと離れたところにも生えています。

それにしても、本を読まなくなりました。
小さい活字はメガネなしでは見えなくなりました。
年々、いろいろなところに不自由さを感じてきています。
年に逆らわらず、のんびりとやっていかなくてはと思います。


読書覚書23年7月~24年8月

2012-09-02 23:03:59 | 読書



あらあら なんて長い間読書覚書を書いていなかったのでしょう!

この期間極端に読書量が減ったのではありますが、もう少しマメに書かなくてはいけませんね

忘れているものもあるので順不同ですが・・


☆木星の骨  上下  フェイ・ケラーマン

(上) 死亡したのはジュピターと呼ばれる男。教祖にしてかつての大学教授で物理学の権威。事件の知らせにデッカーは現場へ急行する。だが相手はカルト教団。事故か自殺か、他殺かもわからないうちに、信者たちが勝手に遺体を動かし、教団内の医者が勝手に死亡診断書までこしらえていた。警察を侵害者とみなし、あくまで非協力的な態度をとる教団員たち相手に、捜査は難航する。閉鎖的な教団内でなにが起こっているのか?

(下) 教祖の死は権力を得ようとする弟子の仕業か、それとも遺産を受け継ぐ娘の仕業か。そればかりではない、教祖は大学教授時代にもかなりの恨みを買っていたらしい。カリスマを失って混乱する〈神の環教団〉を次々と事件が襲う。信者の子どもが誘拐され、さらに第二の殺人事件が発生する。ふたりの息子が思春期をむかえ家庭内でも悩み深いデッカーは、教団の子どもたちを救おうと奔走する。だがさらなる悲劇が……。


☆蛇の歯   上下   フェイ・ケラーマン

(上) 高級レストランで男が銃を乱射。死者十三名、負傷者三十名以上。悪夢のような惨状に、デッカーら捜査陣は怒りと動揺を隠せなかった。そんななか、犯人らしき男もその場で死亡しているのが見つかる。辞めさせられた元バーテンダー。どうやら犯行後に自殺したらしい。特定の誰かを狙った計画的犯行か、それとも衝動的なものなのか。動機は? デッカーは犯人と被害者たちの接点を調べ始める。

(下) 惨たらしい事件の捜査に、身も心も磨りへらすデッカー。そんなとき、さらに追い打ちをかけるように、死亡した被害者の娘で、社交界の女王ジーニーからデッカーに対して、セクシャル・ハラスメントの訴えが出された。美しいが、男を支配し思い通りにあやつる女性。訴えの内容は事実無根ではあるが、相手を魅力的だと思ったのは事実だ。彼女の真の意図は? 捜査を重ねるうち、捜査はデッカーの家族をも巻きこんで意外な方向へ向かう。


☆原発のウソ  小出裕章

“安全な被曝量”は存在しない!原発を全部止めても電力は足りる、福島第一は今後どうなるのか?危険性を訴えて続けて40年“不屈の研究者”が警告する原発の恐怖。


☆福島原発メルトダウン   広瀬 隆

福島第一原発の惨状は目を覆わんばかりだ。原発震災を招いた原因は何なのか。「次」を防ぐ策はあるのか。「揺れも津波も想定外」とする東電幹部や識者たち。しかし、時がたつにつれ「事故は人災」との指摘が強まっている。折しも列島は「地震激動期」に突入した。日本を救うために、原発震災の危険性をいち早く指摘していた著者が、「全原発を即、止めよ」と緊急警告する。


☆内部被曝の真実   児玉龍彦

福島原発事故では、広島原爆20個分以上の放射性物質が放出された。放射線による健康被害が科学的に証明されるまでには時間がかかる。安全か危険か議論するより前に、国が「測定と除染」に今すぐ全力を挙げなければ、子どもたちと妊婦を守れない。「民間のノウハウを集め、最先端機器を使って全国の産地で食品検査を」「低線量の膨大な放射性物質を処理するための法律の整備を」―内部被曝研究の第一人者が、政府の対応を厳しく批判しつつ具体的な対策を提言して大きな反響を呼んだ、国会でのスピーチを全文採録。



✩共食い   田中慎弥

第146回芥川賞受賞作――昭和63年。17歳の遠馬は、怪しげな仕事をしている父とその愛人・琴子さんの三人で川辺の町に暮らしていた。別れた母も近くに住んでおり、川で釣ったウナギを母にさばいてもらう距離にいる。日常的に父の乱暴な性交場面を目の当たりにして、嫌悪感を募らせながらも、自分にも父の血が流れていることを感じている。同じ学校の会田千種と覚えたばかりの性交にのめりこんでいくが、父と同じ暴力的なセックスを試そうとしてケンカをしてしまう。一方、台風が近づき、町が水にのまれる中、父との子を身ごもったまま逃げるように愛人は家を出てしまった。怒った父は、遠馬と仲直りをしようと森の中で遠馬を待つ千種のもとに忍び寄っていく....。川辺の町で起こる、逃げ場のない血と性の臭いがたちこめる濃密な物語。


✩ねじまき鳥クロニクル  村上春樹

第1部 泥棒かささぎ編  僕とクミコの家から猫が消え、世界は闇にのみ込まれてゆく。―長い年代記の始まり。


第2部 予言する鳥編  致命的な記憶の死角とは?失踪したクミコの真の声を聴くため、僕は井戸を降りていく。


第3部 鳥刺し男編   猫は戻り、涸れた井戸に水が溢れ、綿谷昇との対決が迫る。壮烈な終焉を迎える完結編

 

★原発社会からの離脱   宮台真司・飯田哲也
★私たちはこうして「原発大国」を選んだ   武田徹
★旅する力   沢木耕太郎

上記三冊は読み途中

23年中はやはり原発関係のものが多かったです 原発の仕組みなどを知れば知るほど絶望的になってきます
私たちはどれだけ電気を消費しているのでしょうか?本当にそんなに多くの電気が必要なのでしょうか?

「共食い」はかなり苦手な分野です 受賞インタビューがとてもユニークな作者でした

「ねじまき鳥クロニクル」は三冊一気に読みました。 
謎は謎のまま解明されず終わるところはかなり不消化感は否めませんが、
久しぶりにドキドキしながら読むことができました。






読書覚書10月~23年6月

2011-06-30 23:10:47 | 読書
停止中の原発を再稼働させるということは
火事が消えていないのにその隣でまた火を燃やすようなものです!





☆クリスマス・イン・ラブ   サンドラ・ブラウン

ハイウェイの路肩で産気づいたリーを助けたチャド。
赤ん坊を取りあげてくれた彼は、リーを送り届けた病院でキスだけを残し、姿を消してしまう。
4カ月後、シングルマザーとして仕事に育児と、健気に奮闘するリーの前に突然チャドが現れる。
加速度的に惹かれあう二人。
しかし、チャドにはリーが受け入れることのできない姿があった…。
クリスマスの訪れとともに高まっていく極上のラヴ・ストーリー。



☆奇蹟のキス    サンドラ・ブラウン

20世紀初頭のアメリカ。
生まれ育った地から逃れるように、牧場主のベンを頼ってテキサスにやってきたローレンは、ベンが急逝したことを知らされる。
戸惑うローレンにベンの妻オリヴィアはある計画を申し出る。
それは、ベンの息子ジャレドとの期間限定の結婚だった。
激しく反目しあう二人をテキサスの雄大な自然が包み込むが、やがて二人の運命は残酷な現実の渦に巻き込まれていく…。
壮大な愛の物語。



☆スターライト・デスティニー     サンドラ・ブラウン

ハリウッドのNo.1俳優ライランが、役作りのためにと同居を迫ったのは、亡き夫の回想録を執筆中の作家キルスティンのもと。
ライランは、その回想録を原作にした映画で主役、キルスティンの亡き夫を演じるのだった。
やがてライランは、キルスティンが心に闇を抱いていることに気づき…。
二人の間の緊張感がピークに達した時、驚愕の事実が明かされる。
きらびやかなハリウッドの舞台裏で芽生えた愛の行方は!?―。


☆重力ピエロ     伊坂幸太郎

連続放火事件の現場に残された謎のグラフィティアート。無意味な言葉の羅列に見える落書きは、一体何を意味するのか?キーワードは、放火と落書きと遺伝子のルール。とある兄弟の物語。


☆オーデュボンの祈り  伊坂幸太郎

コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?卓越したイメージ喚起力、洒脱な会話、気の利いた警句、抑えようのない才気がほとばしる!第五回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した伝説のデビュー作



☆グラスホッパー  伊坂幸太郎

「人は誰でも、死にたがっている」「世界は絶望と悲惨に塗れている」でも僕は戦おうと思うんだ。君との記憶だけを武器にして―待望の書き下ろし長編



☆キャノン姉妹の一年  ドロシー・ギルマン

ニューヨークの派手な社交生活を捨て、トレイシーは妹のティナを迎えにいった。叔父が死に、二人に湖畔の家を遺してくれたのだ。姉妹は父母が突然亡くなった後、別々に親戚に引き取られていた。姉と違い、ティナは全寮制の学校を転々とし、友達もできず寂しい暮らしをしていた。寒い二月の湖畔。知る人はいない。けれど姉妹は知恵を出し合い、少しずつ田舎の生活に踏み出していく…。


☆蒼穹の昴1   浅田次郎

汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう―中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児は、占い師の予言を通じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀に従って都へ上った。都で袂を分かち、それぞれの志を胸に歩み始めた二人を待ち受ける宿命の覇道。万人の魂をうつべストセラー大作。


☆蒼穹の昴2 浅田次郎

官吏となり政治の中枢へと進んだ文秀。一方の春児は、宦官として後宮へ仕官する機会を待ちながら、鍛錬の日々を過ごしていた。この時、大清国に君臨していた西太后は、観劇と飽食とに明けくれながらも、人知れず国の行く末を憂えていた。権力を巡る人々の思いは、やがて紫禁城内に守旧派と改革派の対立を呼ぶ。 


☆蒼穹の昴3 浅田次郎

落日の清国分割を狙う列強諸外国に、勇将・李鴻章が知略をもって立ち向かう。だが、かつて栄華を誇った王朝の崩壊は誰の目にも明らかだった。権力闘争の渦巻く王宮で恐るべき暗殺計画が実行に移され、西太后の側近となった春児と、革命派の俊英・文秀は、互いの立場を違えたまま時代の激流に飲み込まれる。


☆大津波と原発   内田樹×中沢新一×平川克美

未曾有の震災後に浮かび上がる、唯一神のごとき「原発」。原子力という生態圏外のエネルギーの憤怒に、われわれはどう対峙し、無惨に切断された歴史を転換させていくべきなのか。白日のもとに晒された危機の本質と来るべき社会のモデルを語り尽くす。

  
☆悲しみは早馬に乗って   ドロシー・ギルマン

父親の死後、母親が子どもたちを連れていった海外への旅。途中、兄弟は母親の言葉で命を救われる。小さな町から出て、この世でいちばん美しい暮らしをする夢を抱いている娘の話。兵役についている恋人とのデートで、汽車が出るまで不安でいっぱいな娘の気持ち。けれど、彼がプレゼントしてくれた本には、忘れられない言葉が…。



☆一人で生きる勇気  ドロシー・ギルマン

カナダの海辺の町ノヴァスコシアで、たった一人の生活を始めたギルマン。古い家の庭でハーブや有機野菜を栽培し、本を書き、新しい友人たちと出会う…。『おばちゃまシリーズ』の人気作家が初めて書いた離婚から自立までの道。



☆蒼穹の昴4  浅田次郎

人間の力をもってしても変えられぬ宿命など、あってたまるものか―紫禁城に渦巻く権力への野望、憂国の熱き想いはついに臨界点を超えた。天下を覆さんとする策謀が、春児を、文秀を、そして中華四億の命すべてを翻弄する。この道の行方を知るものは、天命のみしるし“龍玉”のみ。感動巨編ここに完結。


半年以上も読書覚書を載せませんでしたね~
前半は軽いタッチの海外物、中盤は伊坂幸太郎氏を中心に読みました。
伊坂氏の出身が千葉県ということ、出身高校が同じ学区なので親近感を覚えました
場面展開の速さ、不条理劇のような雰囲気も新鮮でした
重力ピエロでは、サーカスの空中ブランコの場面でピエロが落ちるのではないかと
心配する子どもたちに母親が「あんなに楽しそうなんだから、落ちるわけないわよ。
かりに落ちたって、無事に決まっている。」という場面がすごく印象的でした。

後半は友達推奨の「蒼穹の昴」にはまりました

しばらくの間 冒頭に反原発のスローガンを載せておきます
子供達へ明るい未来を残せるように小さな意思表示です



読書覚書 7月~9月

2010-10-04 20:34:25 | 読書




☆秘密    P・D・ジェイムズ

ジャーナリストのローダが長年放置してきた顔の傷痕を消す決意をしたのは、母親の再婚がきっかけだったのかもしれない。高名な形成外科医を訪ねた彼女は、医師の所有する荘園に滞在して手術を受けることになる。庭には古代のストーンサークルがあり、そこでかつて魔女が処刑されたという伝説が残っていた。手術の夜、そのストーンサークルに不審な光が…そして翌朝、ローダはベッドで扼殺死体となっていた。ダルグリッシュ率いる特捜チームが現場に急行するが、事件の影にはさまざまな秘密が!シリーズが、ついに重要な節目を迎える話題作。


   尊敬するジェイムズ女史、もう90歳になられるという。この本を書いたのがなんと88歳!
   素晴らしい知力と体力ですね
   


☆告白     湊かなえ


我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。


☆ラッシュライフ     伊坂幸太郎


泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場―。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。


☆小さなおうち     中島京子 


赤い三角屋根の家で美しい奥様と過ごした女中奉公の日々を振り返るタキ。そして60年以上の時を超えて、語られなかった想いは現代によみがえる。     

読書覚書 5月・6月

2010-06-30 23:26:20 | 読書



☆ スカーペッタ 上 パトリシア・コーンウェル

ベントンと共に活躍の場をニューヨークに移したスカーペッタ。そこに恋人殺しの嫌疑がかかった、一面識もない青年からの指名が来る。「僕は殺していない。自分の理解者にしか話はしない…」。コーンウェルが女性主人公の名前をタイトルに冠して放つ、シリーズの転換点となる傑作!待望の「検屍官」第16弾。


☆ スカーペッタ  下  


妄想に怯えるオスカーとの絆を保とうとするケイ。被害者のパソコンから犯人像を絞り込むルーシー。叩き上げの現場勘で証拠を拾うマリーノ。ゴシップサイトの中傷に晒され、軋んだ人間関係を超えて、それぞれの追跡ルートが異様な連続殺人の真相へと連なっていく。デビュー20年で到達したミステリーの頂点。



☆突然の心変わり     バーバラ・テーラー・ブラッドフォード


ローラは国際的なアート・アドバイザー。忙しいながらも幸福な家庭を築いている。ローラの幼い頃からの親友クレアは、パリに住み、インテリア雑誌の編集長として活躍中。美しく成長した二人は、三十歳を過ぎた今でも強い絆で結ばれている。だが、本当の試練はここからはじまった。親友の悲しい秘密。愛する夫とのすれ違い。絵画を通じて暴かれてゆくナチスによる暗い過去。心から愛する家族や仕事そして友情が、ローラを過去にいざない、翻弄していく―ロマンスの女帝ブラッドフォードが贈る、真実の愛と絆の物語


☆猫は川辺で首をかしげる   リリアン・J・ブラウン


もと新聞記者クィラランの親しい友人であるバンバ夫妻がブラック・クリークで宿屋を始めた。クィラランはココと共に陣中見舞に訪れるが、宿屋になっている建物が地元では幽霊屋敷として恐れられているという噂を耳にする。真相を暴こうとクィラランが調査に乗り出した直後、行方不明だった同宿の客が川で死んでいるのが発見され、宿泊客たちに容疑がかけられるが…混迷する事態にココの鋭い爪は真実を捕らえられるか。


5,6月となっているが正確には5月に読んだものです
6月は読みかけているものが全く進まず、一冊も読めずじまいでした
相変わらず、海外ミステリーが中心です

読書覚書 2月~4月

2010-04-30 23:52:33 | 読書

☆捜査官ガラーノ    パトリシア・コーンウェル

褐色の肌、漆黒の髪、さまざまに変化する瞳。秀でた容姿と確かな手腕を持つウィンストン・ガラーノは、二十年前の老女殺害事件を再捜査するよう命じられる。だが、彼が動き出そうとした矢先に、脅迫と不吉な予言がなされる。バーボンを愛しハーレーを駆るニューヒーロー誕生!コーンウェルの新シリーズ開幕。


☆ブーリン家の姉妹(上)   フィリパ・グレゴリー

16世紀イングランド。新興貴族ブーリン家の姉妹、アンとメアリーは、たちまち国王ヘンリー8世の目を惹く存在となる。立身出世を目論む親族の野望にも煽られて、王の寵愛を勝ち取る女同士の激しい争いが幕を上げた!王の愛人となったのはメアリー。その座を奪ったうえ、男児の世継ぎをつくることのできなかった王妃までもを追い詰めるアン。英国王室史上、最大のスキャンダルを描いたベストセラー


☆ブーリン家の姉妹(下)

姉のアン・ブーリンに疎まれた妹メアリーはやがて、宮廷の外に新しい生活を求める。そこには「平凡な男」、スタフォードとの出会いがあった。一方、前の妃を追い出したアンは、栄華の極みを得る。しかし、男の世継ぎを産むことに執着した彼女は、破滅の途をたどり…。のちのエリザベス1世の母、アン・ブーリンと妹メアリーの哀しくも激しい物語は息を呑むクライマックスへ。


***ブーリン家の姉妹は映画も見たが、やはり細かいところは描き切れていないように思う。
映画と小説では表現方法が違うので、比べること自体が無意味だとは思うが*** 


☆エリザベス     T・マグレガ―

ヘンリー8世と愛人アン・ブーリンとの娘エリザベスは、3歳で母が処刑され、私生児の烙印を押された。21歳の時には、反逆罪の疑いでロンドン塔に幽閉された。しかし数々の陰謀や暗殺の恐怖に怯えながらも、鋭い判断力と英知で男たちを操り、25歳で自ら女を捨て、国家のために生きることを決意する。「ヴァージン・クイーン」、その知られざる素顔が、いま豪華に華麗に浮び上がる。


☆音羽幼女殺害事件 (山田みつ子の心の闇)   佐木隆三

平凡な主婦を鬼に変えたのは「お受験」か「母親同士の付き合い」か、それとも「夫の無理解」か…。99年11月に発生した音羽幼女殺人事件の公判を傍聴してきた著者が、薄紙を剥ぐように「心のぶつかりあい」の深淵に迫る。


☆音羽お受験殺人   歌代幸子

法廷で明かされた新事実と、関係者への丹念な取材をもとに、犯人山田みつ子の内面に肉薄。事件の謎のベールを剥ぎ落としつつ、過熱した「お受験」の現状と子育てに悩む主婦たちの心に潜む危機を描く。


***角田光代の「森に眠る魚」から始まり、音羽の事件関連のものを三作読んでしまった
ミステリーが好きなので、どの作品にも殺人事件は当たり前のように書いてあるので平気で読めるのだが、
やはりノンフィクションはきつい。事件の被害者のご家族は勿論のこと、加害者の家族の方達の心情を思うとやり切れない思いがする***


読書覚書 12月~1月

2010-02-05 23:30:48 | 読書
☆ 決壊 (上)  平野啓一郎

2002年10月、全国で次々と犯行声明付きのバラバラ遺体が発見された。被害者は平凡な家庭を営む会社員沢野良介。事件当夜、良介はエリート公務員である兄・崇と大阪で会っていたはずだったが―。絶望的な事件を描いて読む者に“幸福”と“哀しみ”の意味を問う衝撃作。


☆ 決壊 (下)

“悪魔”とは誰か?“離脱者”とは?止まらない殺人の連鎖。ついに容疑者は逮捕されるが、取り調べの最中、事件は予想外の展開を迎える。明かされる真相。東京を襲ったテロの嵐!“決して赦されない罪”を通じて現代人の孤独な生を見つめる感動の大作。衝撃的結末は。




☆  森に眠る魚   角田 光代

東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通してしだいに心を許しあうが、いつしかその関係性は変容していた。―あの人たちと離れればいい。なぜ私を置いてゆくの。そうだ、終わらせなきゃ。心の声は幾重にもせめぎあい、壊れた日々の亀裂へと追いつめられてゆく。


☆  私の中のあなた(上)  ジョディ・ピコー

13歳のアナ・フィッツジェラルドは、白血病の姉ケイトのドナーとなるため、遺伝子操作を経て生まれたデザイナー・ベイビー。ケイトの病状は一進一退を繰り返し、ついには腎臓移植が必要となる。しかし、アナは腎臓の提供を拒み、両親を相手取って訴訟を起こす。もう姉のドナーにはなりたくない、自分の体を守る権利がほしい、と。娘の突然の行動に戸惑う両親だが、アナの決意は固い。そして両親とアナは法廷で争うことになるのだが――。


☆  私の中のあなた(下)

姉ケイトへの臓器提供を拒否する姿勢を崩さないアナ。弁護士の資格を持つ母サラは、長女ケイトの命を救うために、次女アナと法廷で対決することを決意した。一方、アナの弁護士キャンベルも万全の備えで裁判に挑もうとしていた。戸惑い、悲しみ、無力感――さまざまな思いを抱えつつ、家族は裁判の行く末を見守る。はたして、法廷で明らかになる真実とは? 姉妹を待つ運命とは?