グレンおばさんのお花畑

家族の記録、季節の花たちの写真をポツリ、ポツリ紹介していきます。

読書覚書29年1月~7月

2017-07-21 17:41:53 | 読書



1月  
*クリーピー   前川 裕

大学で犯罪心理学を教える高倉は、妻と二人、一戸建てに暮らす。ある日、刑事・野上から一家失踪事件の分析を依頼されたのを契機として、周囲で事件が頻発する。野上の失踪、学生同士のトラブル、出火した向かいの家の焼死体。だがそれらも、本当の恐怖の発端でしかなかった。「奇妙な隣人」への疑惑と不安が押し寄せる、第15回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。


2月
*フランチャイズ事件   ジョセフィン・テイ

 「フランチャイズ家」と呼ばれる邸に住むマリオン・シャープと母親はある娘に誘拐暴行犯として訴えられていた。娘は邸につれこまれ、殴る蹴るの目にあいながら、一ヵ月ものあいだ下女働きをさせられたというのだ。確かに暴行の跡は娘の体に無数の傷となって残っている。しかしシャープ母娘にとって、それは全く身に覚えのないことだった。 


*きみはいい子    中脇初枝

ある雨の日の夕方、ある同じ町を舞台に、誰かのたったひとことや、ほんの少しの思いやりが生むかもしれない光を描き出した連作短篇集。
夕方五時までは帰ってくるなと言われ、雨の日も校庭にたたずむ生徒と新任教師との心のふれあいを描く「サンタさんの来ない家」をはじめ、娘に手を上げてしまう母親とママ友との物語、ひとり暮らしが長くなった老女と、家を訪ねてきたある男の子との物語など、胸を打つ作品を五篇収録。
人間の優しさとその優しさが生む光が、どれほど尊くかけがえのないものかをあらためて感じさせる感動作。


*うわさの恋人(アボンリーへの道)   L.M. モンゴメリ (著), H. コンキー(著)

恋人などひとりもいなかったはずの、まじめな老婦人マリラ・カスバートが、娘時代の恋物語を告白。うわさ好きのアボンリーの人びとは、衝撃的なこのニュースに夢中になる。もののはずみでマリラが作った架空の話とは知らず、セーラはロマンチックな悲恋にうっとり。そこへ、ある人物があらわれたために、村じゅう、上を下への大さわぎ。


*わたしをみつけて   中脇初枝

施設で育ち、今は准看護師として働く弥生は、問題がある医師にも異議は唱えない。なぜならやっと得た居場所を失いたくないから―。『きみはいい子』で光をあてた家族の問題に加え、今作では医療現場の問題にも鋭く切り込んでいく。新境地となる書き下ろし長編。


*世界の果てのこどもたち    中脇初枝 

戦時中、高知県から親に連れられて満洲にやってきた珠子。言葉も通じない場所での新しい生活に馴染んでいく中、彼女は朝鮮人の美子(ミジャ)と、恵まれた家庭で育った茉莉と出会う。お互いが何人なのかも知らなかった幼い三人は、あることをきっかけに友情で結ばれる。しかし終戦が訪れ、珠子は中国戦争孤児になってしまう。美子は日本で差別を受け、茉莉は横浜の空襲で家族を失い、三人は別々の人生を歩むことになった。
あの戦争は、誰のためのものだったのだろうか。
『きみはいい子』『わたしをみつけて』で多くの読者に感動を与えた著者が、二十年以上も暖めてきた、新たな代表作。


3月
*みなそこ   中脇初枝

あたしたちは繋がったまま、橋から飛びおりた。彼と触れあうことは、きっともう、二度とない―。考えもしなかった相手に心を奪われ、あの腕に、あたしはからめとられた。水のきらめき。くもの巣。お旋餓鬼の太鼓。夜のピアノ。台風の日のかくれんぼ。誰もかれもがしてきたこと。何万年もくりかえしてきたこと。読者の想像を裏切る衝撃恋愛小説!


*魚のように   中脇初枝

ある日、高校生の姉が家を出た。僕は出来の悪い弟でいつも姉に魅かれていた。バラバラになった家族を捨てて僕も、水際を歩きながら考える。姉と君子さんの危うい友情と、彼女が選んだ人生について…。危うさと痛みに満ちた青春を17歳ならではの感性でまぶしく描く坊っちゃん文学賞受賞作


*きのうの神さま    西川美和

村からただ一人、町の塾へ通っているりつ子は、乗っていた路線バスの運転手・一之瀬から突然名前を呼ばれ戸惑う。りつ子は一之瀬のある事実を知っていた(「1983年のほたる」)。人の闇の深さや業を独自の筆致で丹念に描き出し、直木賞候補になった傑作
『ゆれる』で世界的な評価を獲得し、今、最も注目を集める映画監督が、日常に潜む人間の本性を渾身の筆致で炙りだした短編集。『ディア・ドクター』に寄り添うアナザーストーリーズ。


*紙の月   角田光代

わかば銀行から契約社員・梅澤梨花(41歳)が約1億円を横領した。梨花は発覚する前に、海外へ逃亡する。梨花は果たして逃げ切れるのか?―--自分にあまり興味を抱かない会社員の夫と安定した生活を送っていた、正義感の強い平凡な主婦。年下の大学生・光太と出会ったことから、金銭感覚と日常が少しずつ少しずつ歪んでいき、「私には、ほしいものは、みな手に入る」と思いはじめる。夫とつましい生活をしながら、一方光太とはホテルのスイートに連泊し、高級寿司店で食事をし、高価な買い物をし・・・・・・。そしてついには顧客のお金に手をつけてゆく。


*モンスターマザー(丸子実業「いじめ自殺事件」 教師たちの闘い) 福田ますみ

たった一人の母親が学校を崩壊させた。不登校の高一男子が自殺した。久々の登校を目前に──
かねてから学校の責任を追及していた母親は、学校に全責任があると校長を殺人罪で刑事告訴する。
人権派弁護士、県会議員、マスコミも加勢しての執拗な追及に、高校は崩壊寸前まで追い込まれ、教師と同級生、保護者たちも精神的に追い詰められていく。だが教師たちは真実を求め、法廷での対決を決意した。
前代未聞の裁判で明らかになっていったのは、子供を死に追い込んだ母親の「狂気」だった。
どの教育現場にも起こり得る「恐るべき現実」を描ききった戦慄のノンストップホラーノンフィクション。
「被害者」の皮を被った「加害者」に気をつけろ!


4月

*図書館の死体   ジェフ・アボット

田舎町で図書館の館長を務めるジョーダン・ポティートは、身の不運を嘆いた。前の日に口論した中年女性が、あろうことか彼の図書館で他殺体で発見されたのだ。その被害者はジョーダンや彼の母親らの名前と、聖書からの引用を記した奇妙極まるメモを隠し持っていた。殺人の容疑者となったジョーダンは、身の証しを立てるために犯人捜しを始めるが―アガサ賞、マカヴィティ賞の最優秀新人賞を受賞した人気シリーズ第1弾。


*図書館の美女   ジェフ・アボット

ミラボーの町で、犬小屋や郵便受けが連続して爆破される事件が発生した。運悪く現場に居合わせた図書館長のジョーダンは、腕に怪我を負ってしまうが、そんな時、土地開発会社に勤めるジョーダンの昔の恋人が、上司と一緒に現われた。やがて町は開発をめぐり大騒ぎに。ついには殺人までもが起き、さらに新たな爆破事件で死者が…


5月

*図書館の親子   ジェフ・アボット

六年前、旅回りのロデオでカウボーイをやるために突然家を飛び出した姉の夫が、おめおめ町に帰ってきた。図書館の館長ジョーダンは、戻ってきた義兄への怒りをあらたにするが、さらに衝撃的な事件が起こってしまう。昔なじみの新聞記者が何者かに殺害されたのだ。さらに、その翌日、今度は義兄が殺され、ついには友人の警察署長までもが…。平穏だった町に次々とふりかかる不可解な災厄に、心優しい名図書館長が挑む。


*図書館長の休暇   ジェフ・アボット

親族会に出るため、図書館の館長ジョーダンは休暇をとることにした。だがその直後、彼の元に次々と脅迫状が。不安を抱いて会場の島に着くと、親族が激しい口論を始め、さらに大叔母が死亡する事態に。状況を不審に感じたジョーダンは真相を探るが、彼自身にも危険が!複雑な人間関係からジョーダンが一族の衝撃の過去を掘り起こす。


*百歳の力   篠田桃紅

百歳を過ぎた今も現役で活動を続ける美術家・篠田桃紅。墨や金箔などで構成する大胆な抽象画は、海外からも高い評価を得る。女学校を卒業したら、その多くがお見合い結婚する時代に、「くじびきみたいな結婚なんて、とんでもない」と独身を貫き、戦後、まだ海外へ行く人がほとんどいない時期に、単身ニューヨークへ渡って個展を開くなど、その行動は前例のないことばかり。「常識の世界に生きなかったから長生きできた」、「人生というものをトシで決めたことはない」と断言する著者が、年齢に関係なく、いつまでも第一線で活躍するための秘訣を語る。


*九十歳 何がめでたい   佐藤愛子

本書『九十歳。何がめでたい』というタイトルには、佐藤愛子さん曰く「ヤケクソが籠っています」。
2016年5月まで1年に渡って『女性セブン』に連載された大人気エッセイに加筆修正を加えたものです。
自ら災難に突進する性癖ゆえの艱難辛苦を乗り越えて生きて来た佐藤さんだからからこそ書ける緩急織り交ぜた文章は、
人生をたくましく生きるための「金言」も詰まっていて、大笑いした後に深い余韻が残ります。


6月

*ミス・メルヴィルの後悔   イーヴリン・E.スミス

名家の生まれだが貧乏暮らしのミス・メルヴィルは突然、収入源である美術教師の職を失ってしまった。パーティーにもぐりこんで食費を節約してはいるものの、生活は苦しくなるばかり、ついに彼女は自殺を決意した。ところが、ひょんなことから射撃の腕を見込まれて、フリーの殺し屋として働くことに…お嬢さま育ちのオールド・ミスが繰りひろげる痛快な活躍。ニューヨークを舞台に、軽妙なタッチで描くシリーズ第1弾。


7月

*レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密   コンスタンティーノ・ドラッツィオ 
 
謎多きダ・ヴィンチの人生には多くの挫折と失敗があった。知られざる天才の光と影を丹念に描き、世界中を魅了する作品の軌跡に迫る。


*嫌われる勇気   岸見一郎・古賀史健

本書は、フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称される、アルフレッド・アドラーの思想(アドラー心理学)を、「青年と哲人の対話篇」という物語形式を用いてまとめた一冊です。欧米で絶大な支持を誇るアドラー心理学は、「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という哲学的な問いに、きわめてシンプルかつ具体的な“答え”を提示します。この世界のひとつの真理とも言うべき、アドラーの思想を知って、あなたのこれからの人生はどう変わるのか?もしくは、なにも変わらないのか…。さあ、青年と共に「扉」の先へと進みましょう―。 


暑いですねぇ 言わなくってもね・・・

ダラダラ過ごしていたら、あっという間に7月も後半!! 
毎日のルーティンワークをこなしていくだけでこれといって何もせず、でも、そうできることに感謝しながら過ごしています。

前半は若手作家の物、後半はミステリー、ノンフィクション、エッセーなど私としては珍しいチョイスでした。

7月に読んだ「レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密」は美術本というよりダ・ヴィンチの人物像を詳しく書いてあってとても興味深く読めました。
惜しむらくは口絵の絵画がもう少し大きく載っていたらもっと興味深く見られたと思います。
描かれている人の表情とか背景の説明も細かく載っているのですが小さくて虫眼鏡を使ってみました。
この本を翻訳したのは上野真弓さんという方ですが、「ローマより愛をこめて」というブログでローマやイタリアの各都市の情報、教会、美術館の様子や絵画の説明などを詳しく発信されています。
何年前にローマへ行ったのですが、行く前に知っていれば数倍は楽しめたのに残念でした。
これからイタリア旅行に行こうと思っている方はぜひお読みになることをお薦めします。

最近全然写していないので、写真は6月に写した紫陽花の道です。
最寄り駅の近くの線路沿いに近所の方が植えてくださっているようです。
  

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6 コメント

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Unknown (tona)
2017-07-23 06:52:32
おはようございます。
昨日はとても暑かったです。冷房に入っていてもグロッキー気味。
またまた私は全然知らない作家の本を沢山お読みになりましたね。
僅かに「レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密」と佐藤愛子の本くらいでしょうか。 
篠田桃紅さん亡き日野原重明氏と対談もしていましたね。
読んでみたいです。報道写真家笹本恒子さんも凄いですね。
、「ローマより愛をこめて」のご紹介もありがとうございます。
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こんにちは (ポージィ)
2017-07-24 10:53:58
湿度の高い暑さがこたえますね~
暑いです~ 言っちゃいましょ 言っちゃいましょ。
お写真の「紫陽花の道」がとても素適で、スッと涼しさ感じましたよ。
コンスタントに読書を続けていらっしゃいますね。
色々と心惹かれる本もあって、読んでみたいと思いましたが、
積読本が増えそうです…
中脇初枝さんの「きみはいいこ」「わたしをみつけて」の
紹介文を拝見して、以前見たNHKのドラマ10
「わたしをみつけて」を
思い出し、原作を確認したらやはり中脇さんでした。
ドラマ原作もその他の作品も、読んでみたいです。
「百歳の力」「九十歳なにがめでたい」も、その他にもあれこれ♪
近年読書から離れがちですが(目が~)、どっぷり本の世界に浸かっていたころが
無性に懐かしくなることもよくあります。
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tonaさんへ (グレン)
2017-07-25 00:52:03
ありがとうございます。

梅雨が明けたとたんに曇りの天気が続いていますね。
湿度が高くてかえって疲れます。

「レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密」、お読みになりましたか!
同じ作家でカラヴァッジョの本もでるそうです。
楽しみです。

ひとつのことをやり通した方には不思議な力を感じます。
桃紅さんと日野原先生の対談、私も読んでみたいです。
報道写真家の笹本恒子さんも102歳で現役でいらっしゃるのですね!
「ミラクルガール、いま102歳」ですね^^
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ポージィさんへ (グレン)
2017-07-25 01:12:22
ありがとうございます。

暑いですね~~~
この二、三日の湿度の高さにはほとほと参りました。

読書は睡眠導入剤のようなもので、大体数ページで夢の世界へ・・・
なのでなかなかはかどりません^^;

中脇初枝さんの「わたしをみつけて」はドラマでやったのですか~
「きみはいい子」は映画になっていて、それを見て本を読みました。
映画も本もどちらも良かったです。

そうそう目が・・ね。
老眼鏡をかけたまま寝てしまうことも度々です。

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Unknown (チーちゃん)
2017-07-26 13:22:08
こんにちは~~^^
毎日暑いですね

読みたくなる本ばかりだなぁ
角田光代さんの紙の月は読みましたよ   
扇風機なしでも涼しいリビングで読書してます
夫が今、佐藤愛子さんの九十歳 何がめでたいを読んでるの
順番待ちです^^
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チーちゃんへ (グレン)
2017-07-27 10:08:53
ありがとうございます。

おはよう~~
昨日からちょっと涼しい流山です。

チーちゃんのお家は涼しくていいですね~
暑い時はクーラーのお世話になりますが、
自然の風が一番好きなので午前中は大体窓を開け放しています。
午後は熱風が入ってくるので無理ですが・・・
自然の涼風にあたりながら読書・・いいなぁ^^

「九十歳 何がめでたい」、ご主人も読んでらっしゃるのですか~
語り口が軽妙でちょっと毒舌があったりして面白く読めました。
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