醉蝗茶房

80's&水滸&異常な日常

漆黒と 字面合点の 初こほり

2009年01月15日 09時56分38秒 | 漢のこだわり
さてさて、このところ煙管を使ってるてぇのは、ご覧のお立会いには既にご存知の通り。
煤竹の煙管入れ作ったりなんてぇ話も書いたかと思います。
で、近頃は何をやってるかてぇと、これが塗りに凝ってるような按配でございます。
と、申しましても、本職じゃございませんので、そこは木地師も塗師も兼任でございます。
竹と違いまして、木てぇもんは中ががらんどうじゃありませんので、煙管を入れるにゃ彫らなきゃなりません。
えっちらおっちら彫り起こして、鑢なんぞで仕上げますてぇと、これがやっと塗りってことになるわけでございます。
さて、ご覧の画像はそんな手慰みで作った一本、黒紺銀の研ぎ出しの煙管入れでございます。
まぁ、これがやってみたら大変大変(^_^;;;
まず目止め。木てぇもんは水を吸って生きてたもんなんで、よく見ると水を吸うための穴がございます。そのままだとそれが漆を吸い取っちまうんで、これを埋めるのが目止め。
それからが塗りなんですが、最初黒を塗り、模様を高く付けて、乾かして、銀を塗り、乾かして、平らに研いで乾かして、...と延々工程を積み上げて、九重くらいまで塗っては乾かし研ぎ上げてを繰り返します。
それが終わればいよいよ研ぎ出し。
耐水ペーパーで徐々に研ぎ出して行きますてぇと、段々に模様が出て参ります。
模様のほどよいところで止めまして、一旦乾かした後に今度は透明系を二三度塗り重ねます。
最後の仕上げに軽く耐水ペーパーで研いだ後、研磨剤の荒いのから段々と細かいので磨いて仕上げます。
材料に鋸入れてから仕上げまで、ざっと二十日ちょっとてぇ感じでしたな。
実はこれ以外にも、銀の薄掛け、拭き漆のが仕上がってまして、今逆根来と紋紗を製作中、この先は青貝摺を構想中ってとこでございます。
まぁ、素人手職の自分使いなんで、こんな程度でございますが(^_^;

で、その紋紗バージョンの艶消しの黒を塗りを始めたところで気が付いた。
これが”漆黒”なのか...美しい...
これは激渋っすよ。試しで竹で作ったのを塗ってるんだけど、木で作り直そうかと。
青貝摺も艶消しにしようと思ってます。
ちなみに、漆と言ってもホンモノの漆じゃありません。
ホンモノは被れて大変なんで、カシュー塗料ってスグレもんを使ってます。

いやー、楽しいのよ(笑)