ハーバード・ケネディスクールからのメッセージ

2006年9月より、米国のハーバード大学ケネディスクールに留学中の筆者が、日々の思いや経験を綴っていきます。

アジア、そして日本

2007年09月27日 | 日々の思い
    この見慣れない地図。どこの地域を示したものかパッと見て気付くでしょうか?ご自身の視線は地図上をどのように移動するでしょうか?  僕の視線はまず地図の中央周辺をウロウロとし、その後左下の端のほうに移って、そこに見える馴染みある、しかし北海道が「南」に来ている日本地図の存在に注目し、そして初めて、この図がアジアの地図をひっくり返したものであることを認識します。そしてこれ . . . 本文を読む

自己研鑽・自己発見の旅を終えて

2007年08月06日 | 日々の思い
   これまでの人生で、間違いなく最も多くの出会いと刺激、そして発見に満ちた、2か月にわたるインド・ケニアでのインターン、ボランティアが終わりました。  まず、初めての途上国での仕事・生活であったにもかかわらず、そして殆ど現地の人々と同じような生活を送っていたのにもかかわらず、特に大きな病気をすることも、事故や事件に巻き込まれることもなく、五体満足・無病息災でボストンに戻ってこれたの . . . 本文を読む

官民協働ネットワークCrossover21

2007年07月10日 | 日々の思い
  政治家や官僚だけが政策作りや公共サービスの提供を独占する「政策社会主義」を脱却し、大学、シンクタンク、企業、NPOなど、社会を構成する様々なプレーヤーが、組織や分野の垣根を越えてより良い政策作りにむけて時に競い合い、時にともに汗を流す、そんなアイディアと労働の横断的な自由市場、「政策市場」構築の担い手となりたい・・・   そして、そんな「政策市場」の中で、組織の看板に頼る . . . 本文を読む

日本社会の閉鎖性

2007年07月07日 | 日々の思い
 ハイデラバード最後の土曜日のとなる今日、プロジェクトのプレゼン資料作成を夕方に切り上げ、ハイデラバード日本人会を通じて知り合ったNさんのご自宅での“囲碁教室”兼お食事会に向かいます。  毎週土曜日に開かれているこの交流会には、ハイデラバードで活躍する日本人のほか、先日の記事で紹介した日本語と日本のポップカルチャーに造詣の深いモヒットさんをはじめ日本語を勉強中のインド人の方々が集います。ハイデラ . . . 本文を読む

ケネディスクール一年目を終えて

2007年05月21日 | 日々の思い
  午後4:30、2時間半に亘ってとにかく書き続けた統計学の答案を提出し、鉛筆の跡で真っ黒になった左手のヘリを眺めながら教室を後にした僕は、心の中でこう叫んでいました。  「ようやく終わった!」  そう、ケネディスクール1年目が今日をもって終わったのです。クラスメートの大半も今日の統計学の試験が最後という人が多く、晴れやかな表情の仲間に大勢出会います。中には既に飲み会モードのヤツらも . . . 本文を読む

100番目のメッセージを綴るにあたって

2007年05月05日 | 日々の思い
 昨年10月末に29歳を迎えるにあたって始めた「ケネディスクールからのメッセージ」も、気が付けば今日で100番目の記事を迎えることになりました。   100回目の節目を迎えるにあたって、改めてブログを綴る意味について自分なりの思いをまとめておきたいと思います。  まず、忙しい日々の中、あるいは無数のウェブサイトの中から「ケネディスクールからのメッセージ」を訪問して頂き、そして長々とした記事を読 . . . 本文を読む

夏へ

2007年04月13日 | 日々の思い
 ケネディスクールに限らず、アメリカの大学・大学院の特徴の一つが学期中と休みとの間の極めて明確な「メリハリ」。  学期中はそれこそ寝食の時間も削ってリーディングやレポート、グループワークに終われる日々ですが、その後にはなが~~い休みが待っています。ケネディスクールを例に取ると、現在格闘中の春学期は5月20日前後に実施される期末試験を持って終了し、その後9月の上旬までの丸々3ヶ月以上が夏休み!! . . . 本文を読む

市民社会の可能性

2007年03月09日 | 日々の思い
   「KSG Today」-夜中の2:20頃になると毎日決まって送られてくるこのメールは、ケネディスクールで日々行われる様々なイベントの案内や就職やインターンシップに関するセミナーの告知など、貴重な情報で満ちています。魅力的な数々のイベントと山積する課題やグループワークを前に、毎日このメールを開くたび、優先順位付けに悩んでしまいます。  そんな中、一昨日(3月7日)の夜に送られてき . . . 本文を読む

Discover Japan!!

2007年02月24日 | 日々の思い
 エズラ・ボーゲル先生の下でのソフト・パワー勉強会を通じて、あるいはケネディスクールでの日々の生活の中で、日本を発信すること重要性を実感する毎日ですが、それならば、  「まずは自分達が出来ることから始めよう!」  ということで昨年末よりスタートしたケネディスクール日本人会(Japan Caucus)の取組みがあります。  題して「Discover Japan」  ケネディスクール日本人会の . . . 本文を読む

日本のソフトパワー

2007年02月08日 | 日々の思い
   エズラ・ボーゲル先生の指導の下、Harvard松下村塾で「日本のソフトパワー」というテーマで勉強会を続けていることは、これまでも既に何度か触れましたが、「ソフトパワー論」の生みの親であるハーバード大学ケネディスクールの前学長であるジョセフ・ナイ教授の著書「Soft Power: The means to Success in World Politics」を読んでみると、日本のソ . . . 本文を読む

一番大切なもの

2007年01月03日 | 日々の思い
 家族、愛、健康、友情、時間、お金・・・人それぞれの答えがあると思います。僕自身、まだ29年しかこの世に生存していない、「悟りの境地」に至るには経験も思慮も足りない若造ですが、多くの人に支えられながら結婚に至って以来、そして大切な人との生活を、この美しい街ケンブリッヂで始めて以来、一つの答えを持つようになりました。  それは、「信頼」です。  「信頼」って何でしょう。信じて、頼ること?  似 . . . 本文を読む

新年を迎えるに当たって

2007年01月01日 | 日々の思い
 ブログを読んで頂いている皆様、新年明けましておめでとうございます。ボストンは大晦日に降った雪が雨に変わりましたが、暖かな新年となりました。今年は本当に暖かな冬で、これまで雪が降ったのはたった一度だけ、気温が10度を超えることも珍しくありません。厳しいボストンの冬を覚悟してきた身としてはやや拍子抜けです。  以下では新年に当たり、このブログについて、そして僕のNew Year Resolutio . . . 本文を読む

独裁者と石油と民主主義

2006年12月31日 | 日々の思い
   今年最後のニューヨークタイムズ紙は1面からめくれどめくれどSaddamの文字ばかり。昨日の午前6:00、1979年から24年間にわたりイラクを恐怖で支配し、近隣諸国との戦争に国富を費やしてきたサダム・フセイン元大統領が、彼自身が秘密警察を使って多数の人々を処刑してきたイスティハバラット(Istikhbarat) で絞首刑に処せられました。  紙面では刑場での彼の様子や死刑執行官 . . . 本文を読む

秋学期の終わりに思うこと

2006年12月20日 | 日々の思い
   ウソのように静かな生活になりました。昨日・今日とNemoの散歩をして、読書をして、ご飯を食べて、寝てるだけ・・・まるで隠居のようです。日本にいたのではおそらく持つことの出来ないこの静かな時間を利用して、秋学期が終わった今の時点での思いを残しておこうと思います。次学期以降の一つの道しるべになればよいのですが・・・  そもそも僕は何のために2年間も日本を離れ、職場を離れこんなところ . . . 本文を読む

Matsuzakaの挑戦

2006年12月16日 | 日々の思い
   昨日朝、Harvard Square駅前の売店の棚は松坂投手の顔でいっぱいでした!特にBoston Herald紙の一面は「ようこそ!」と巨大な日本語の大見出し。また、Boston Globe紙の一面には甲子園で松坂投手が胴上げされている懐かしい写真まで登場しています。  松坂投手については、ここボストンの人気球団Boston Red Soxが西武ライオンズとの独占交渉権を史上 . . . 本文を読む