白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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謝依旻-内田修平

2020年03月02日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
本日から、日本棋院各会館が休館・休業に・・・。
囲碁界も厳しい状況が続いています。
今をどう乗り切るかということはもちろん、落ち着いた後のこともしっかり考えておきたいと思います。



皆様こんばんは。
4日ぶりの投稿です。
さて、本日は先週日本棋院ネット対局幽玄の間で中継された、十段戦予選の謝依旻六段(30)-内田修平七段(30)戦をご紹介します。



1図(実戦)
謝六段の黒番です。
黒△のツケは黒Aの割り込みを見た手筋です。
白はどう守るべきかと考える方が多いと思いますが・・・。



2図(実戦)
プロは利かされないことを第一に考えます。
白1の反発から白7まで、白×を捨てて外回りの勢力を築きました。
そして白13のボウシに回り、黒×を攻めながら右辺白模様を大きくまとめる作戦です。
白が打ちやすい碁になったでしょう。



3図(実戦)
守り一方では黒に勝ち目が薄そうですが、ここで黒△のツケとは!
AやBの断点を狙ったものと理解できますが、それにしても激しいですね。
いかにも謝六段らしい捌きです。
この後は形勢が二転三転したようですが、最後は半目勝負に・・・。



4図(実戦)
半コウも無くなり、ダメ詰めと手入れの手続きに入ったところですが・・・。
ここでまさかの白△!
手入れが必要な場所はAなのに、関係無い所に打って1目減らしてしまいました。
そして、結果は黒半目勝ち・・・。

初心者レベルのミスですが、プロも人間である以上、どんなミスでも起こり得ます。
過去には当たりの見逃し、着手禁止点に打つ、取れない石を取るなど、様々な事例がありました。
これもそれらと同レベルのミスにしか過ぎないと感じます。
しかし、よりによってこれで半目負けになるとは・・・。
その偶然にこそ驚きますね。
強いてミスの理由を想像するなら、碁が終わったということ、そして(おそらく)半目勝ちが分かっていたということでしょうか。
疲れと安堵感から、一瞬思考の空白が生まれてしまったのではないでしょうか。

ところで、このミスは私も昔相手にやられたところがあります。
杉内雅男九段との対局でしたが、その結果幸運にも・・・。



4目半負けが3目半負けになりました。



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