白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

棋聖戦第6局感想

2020年03月06日 21時34分32秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
本日は日本棋院ネット対局幽玄の間の生中継で不具合が生じました。
決着間近の段階で、利用者の皆様にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
原因は柳時熏九段(48)の解説コメントが上限を超過したこととのことですが・・・流石ですね。
参考図だけでは多くの方が楽しめる解説にはならないと思っています。



皆様こんばんは。
本日は棋聖戦第6局の2日目が行われました。
早速振り返っていきましょう。

1図(封じ手)
封じ手は黒△でした!
これで今シリーズの私の封じ手予想は5勝1敗となりました。
朝ドキドキしながら中継を開きましたが、当たって良かったです(笑)。



2図(実戦)
右辺でもコウが起こり、大振り替わりが演じられました。
予想外の展開でしたが、良い勝負のようですね。
中央白への攻め具合と、下辺白模様のまとまり具合が焦点と思われました。



3図(実戦)
ここまで我慢を重ねてきた河野臨挑戦者(39)、ついに黒1から襲いかかりました。
しかし、井山裕太棋聖(30)も白2~8と一歩も引かぬ対応!
流石の攻防だと思いました。



4図(実戦)
白1のコスミツケが痛烈で、黒の攻めが頓挫しました。
白9まで、左辺白模様を広げながらつながっては、白の優勢は明らかです。
この後、黒Aから必死の追い込みを見せましたが及ばず、結果は白3目半勝ちとなりました。
まさに白1が勝着だったと言えるでしょう。


これで井山棋聖の4勝2敗となり、防衛が決まりました。
棋聖8連覇は、小林光一名誉棋聖(67)が1986年~93年に達成して以来ですね。
長い年月の中には、どうしても調子の悪い時期も含まれてしまうもので、勝ち続けるのは大変なことです。
今回の井山棋聖の調子もベストとは言えなかったと思いますが、流石ですね。

もっとも、河野九段も調子はあまり良くなかったでしょうか。
早い段階で打ちにくい碁になることが多かった気がします。
それでも、最後まで粘り強く戦って二番返したのは地力の表れですね。
いずれまた井山棋聖と番碁を戦う日がくるでしょう。

来年は誰が出てくるのでしょうか?
河野九段をはじめとしたベテランかもしれませんし、芝野虎丸名人(20)のような若手かもしれません。
全く予想が付きませんが、楽しみに待ちたいと思います。



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