白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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平田智也-富士田明彦

2020年03月04日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
○FRB、0.5%の緊急利下げ
○マイケル・ブルームバーグ、民主党指名争いから撤退
→ジョー・バイデンとバーニー・サンダースの一騎打ちか?
・・・このような時事ネタを書いておくと、後で振り返ったときに懐かしい気持ちになれます(笑)。



皆様こんばんは。
本日は2月27日に行われた本因坊戦予選、平田智也七段(26)-富士田明彦七段(28)戦をご紹介します。
なお、この対局は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継されました。

1図(実戦)
平田七段の黒番です。
白1の下がりは、黒Aと換われば黒は2眼できなくなるという意味ですね。
こんな序盤では珍しい、露骨な眼取りです。

そして、黒10も白の揚げ足を取る返し技!
白Bと切られて取られそうですが、黒Cと打てば左右を連絡できるというわけですね。
そこで、実戦は白Dとつなぎましたが、黒Bと分断に成功して全面戦争に突入しました。



2図(実戦)
黒1、3はコウ立てです。
受けずに白4とコウを解消したので、黒5、7と打ってきな臭い雰囲気に・・・。
部分的には成立しない手ですが、黒は白×を狙っています。



3図(実戦)
白は白×を捨てる作戦を採りました。
問題は黒○と白○の攻め合いですが、果たしてどうなっているのか・・・。
黒×という尻尾がくっついていることがやっかいで、白はなかなか本体である黒○のダメを詰められません。
黒が有利なコウのようです。

しかし、そこをお互い放置して白6、黒7などと打ち合っているのが面白いですね。
こんなに大きな攻め合いだと、一生懸命ダメを詰めていきたくなりますが、大場に打つ方が価値が高いとみているのですね。
このような進行はプロの碁で時々見られますが、アマチュアの方にとって最も理解し難い部類ではないでしょうか。
数学などでは、第一印象と実際の期待値が違うことは珍しくありませんが、囲碁も通じるものがあるでしょうか。



4図(実戦)
最終的に、白は不利なコウを頑張って勝ちました。
しかし、その間に右辺の白を眼2つにするなど、各所で得をした黒が碁に勝ちました。
それにしても派手な一局でしたね。




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