白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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吉川一-仲邑菫

2020年03月13日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
明日は13時から武蔵小杉の永代塾囲碁サロンにて、講座と指導碁を行います。
皆様のお越しをお待ちしております。



皆様こんばんは。
本日は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継された、王座戦予選の吉川一三段(29)-仲邑菫初段(11)戦をご紹介します。

1図(実戦)
吉川三段の黒番です。
白1の詰めは、黒Aが残っているのであまり地に結び付かない手です。
白3もまた同様ですね。

しかし、仲邑初段としては攻めの調子で左下白を補強し、しっかりした拠点にしておきたかったのでしょう。
それが将来上辺などで起こる戦いに役立つとみているのですね。
仲邑初段は、戦術よりも戦略を重視していると感じます。



2図(実戦)
黒1の挟みに対して、白2と反撃して戦いになりました。
黒にプレッシャーをかけながら自身を補強していく、堂々たる戦いぶりです。
ここも仲邑初段らしい打ち回しでした。

ちなみに、AIは白Aとノゾきたくて仕方ないようでしたが・・・。
仲邑初段がその手を好むイメージはありません。
小手先の技は、今の仲邑初段には似合わないのではないでしょうか。



3図(実戦)
黒1に対して、白2~6と外側に向かったのも仲邑初段らしいですね。
おそらく、多くのプロは白Aと隅を確保する道を選ぶのではないでしょうか。
実戦の形は、白×の2手が近すぎて地としては非効率ですからね。

しかし、仲邑初段としては部分の効率よりも全局の配置を意識したのでしょう。
白10に回れば、攻めながら模様を広げる形になりますし、左下や右下の勢力も働いてきます。



4図(実戦)
左辺の戦いで、黒に何か誤算があったと思います。
白14と急所に一撃したのが決め手になりました。
結果は白中押し勝ちでした。


本局はいかにも仲邑初段らしい好局だったと思います。
この調子で頑張って欲しいですね。



☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

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