白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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三浦太郎-林海峰

2020年03月12日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
また米株式市場でがサーキットブレイカーが発動しました。
現在ダウ平均は8%ほど下落しているようで・・・。
世界恐慌の心配すら出てきましたが、果たしてどうなるでしょうか。
後から振り返って笑えると良いのですが。



皆様こんばんは。
昨日はお休みしました。
さて、本日は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継された、王座戦予選の三浦太郎初段(15)-林海峰名誉天元(77)戦をご紹介します。

三浦初段は直近の冬季棋士採用試験で入段が内定したばかりで、まだ日本棋院のホームページにプロフィールすらできていません。
しかし、新年度を待たずに既に公式戦に参加しています。
前々から新入段者のモラトリアムが長すぎてどうかと思っていたのですが、いつの間にかルールが変わったのでしょうか。

1図(実戦)
三浦初段の黒番です。
左下では黒1の這いを決め、左上では黒3~11とドライな打ち方で治まりました。
姿だけ見ればつらいのですが、白の勢力圏なのでこれで十分と割り切っていますね。



2図(実戦)
しかし、白1と大きく広げたので隙ありと見て、今度は目一杯に踏み込んでいきました。
黒14まで、左辺白の壁攻めを狙っています。
じっくり構えて、行くべきときがくれば行くという勝負師タイプのようです。



3図(実戦)
白1とケイマした途端、黒2のツケコシが飛んできました。
黒4の後、白A、黒B、白Cのシチョウは成立しません。
しかし、林名誉天元もそれは承知しています。
シチョウを睨んで白5や7とツケれば、黒は動きが不自由になると主張しているのです。
いかにも林名誉天元らしい、全局を睨んだ作戦ですね。



4図(実戦)
白1のツケから隅に潜り込んだのも、林名誉天元らしい打ち回しですね。
白×が取り残されてしまったようですが、後から白AやBを狙っています。
若い頃から棋風はずいぶん変わったようですが、芯は変わっていないと感じますね。

結果は三浦初段の2目半勝ちでした。
碁界のレジェンドとの対局は、貴重な体験になったことでしょう。



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