白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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張子涵-周泓余

2020年03月23日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
横浜の宇宙棋院にて、毎月第4火曜日19時~21時50分に棋譜解説の講座を行っています。
ただ、先月に引き続き今月もお休みすることになりました。
来月こそは再開したいのですが、果たして・・・。
再開の際には、教材山盛りのサービス回にする予定です。



皆様こんばんは。
本日は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継された、張子涵三段と周泓余六段の対局をご紹介します。

1図(実戦)
張三段の黒番、黒△と押さえた場面です。
次に白Aと切ればコウになりますが・・・。



2図(変化図)
コウ立ては白3、5ぐらいしかなく、黒×を取るだけでは白不満です。
白1の手が完全に無駄になっており、その損を取り返せていません。

ではコウ仕掛けを諦めるべきかと言えば、そんなことはありません。
すぐに仕掛けるのが無理なら、準備をすれば良いのです。
いわゆるコウ立て作りですね。



3図(実戦)
白1と一本ハネたのが上手いコウ立て作りでした。
黒2の受けと換わることで、次の白5がより大きなコウ立てになっています。
白7と連打したときに黒×が取れるのは2図と同じですが、白Aと入れる形になっており、隅の黒の生きが不完全です。
これなら、コウに負けても白の利益も大きいというわけですね。

コウ争いは碁の中でも特殊な状況です。
コウ立ての数が1回でも多くなる順番を考えるなど、パズル的要素も強いですね。
コウ立て作りというテクニックも、やはりパズル的と感じます。



4図(変化図)
ちなみに、よりコウ立てを大きくするために白1、3などと打つ手も考えられます。
白7が全部黒を取るコウ立てになりますからね。
もっとも、損コウなので黒Bと受けられて違う碁になるのでしょうが・・・。

コウが絡むと、普段はあり得ないような手も選択肢に加わるようになります。
それが碁をより深く、面白いゲームにしていると言えるでしょう。



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