遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

体にいい米

2013-03-01 20:52:34 | BIONEWS
今日のバイオ系のニュースのトップはCell誌に出た東大の体内時計遺伝子の機能解析の話しなんですが、この話題は朝からツイッターで散々されたので僕はパスしまーす。大事なとこは、タンパク質分解の標識となるユビキチン化が、この現象では何故か安定化に寄与しているところがすんごく新しい。というか、衝撃的であります。それで、その号の表紙にまでなった! CellやNatureに載るだけでもすごいことなんですが、表紙をとるのはそのまた一段上の価値があります。それにしても、タンパク質を可愛い女の子に擬人化したイラストとは・・・まとめた髪がユビキチンになっとる・・・。www

それにしても、「ついったー生物部」なんてあったんだね。知らんかった。

てなわけで、他の話題。
組み換え品種コメ商業生産へ=比で2年以内にも―国際稲研究所(時事通信) - goo ニュース
遺伝子組み換え作物というと反射的に嫌なイメージを持たれるかもしれませんが、大豆でも小麦でもとうもろこしでも世界的に普通に栽培されていますし、たぶんすでに我々の口にたっぷり入ってますよ。選り分けるのって大変で現実的じゃないからねー。まあ、だいたい加工食品に化けてるんで、栽培時点で遺伝子組み換えだったかどうかなんて関係なくなってます。表示に関するルールはいろいろとあるんですが、基本的に組換えられたDNA及びこれに由来するタンパク質が加工工程で除去・分解され検出不可能な加工食品については、遺伝子組換えに関する表示義務はないことになってますです。勉強してみてちょ。
さて、この記事の遺伝子組み換え品種の米の名前は『ゴールデンライス』。ベータカロチンを豊富に含んでるそうですから黄色っぽいのかな? (笑) 米を主食とするアジア途上国の貧困地域では、食事がほとんどコメだけといった子供も多く、主にこうした地域への供給を目的としたゴールデンライスは、栄養失調状態にある子供の健康改善の一助になるそうです。いいことじゃないか。

アルツハイマーの症状緩和にフェルラ酸が効果 米雑誌(産経新聞) - goo ニュース
お米繋がりでもうひとつ。米ぬかなどに含まれるフェルラ酸がアルツハイマー病の症状緩和に繋がることを動物実験で確かめられました。アルツハイマー病の原因因子アミロイドベータは認知症発症までに20年かけて蓄積すると考えられているため、現在医療の世界ではアルツハイマー病の早期診断、早期治療が推奨されているんですが・・・あんまし有効な治療法がない。アミロイドベータの脳内蓄積が59~73パーセント程度減らすことができたそうです。どういう実験だったか、原著論文見てないんで分かんないんですが、このブログは「バイオ与太話」がテーマなんで許して。まあ、フェルラ酸が米ぬかにあるっていうからには、GABAも含んでる玄米を喰えってことなのかなぁと思った次第です。

本日のお酒:YEBISU THE BLACK + 岐阜そば焼酎 飛騨自慢
コメント (2)
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